ニュース#160
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約28年前に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャー1号。孤独な旅を続けてきた探査機が、ついに太陽系の果てに到達したょ。
ボイジャー1号とボイジャー2号はともに1977年にNASAが打ち上げた双子の探査機だょ。1号は木星と土星を、2号は木星と土星に加えて天王星と海王星を探査したんだ。これら外側の惑星についての重要な発見をしたんだ。そして1号は土星の探査終了後(1980年)、2号は海王星の探査終了後(1989年)、それぞれ惑星の世界を離れて太陽系の果てを目指す旅に出たょ。この頃既に、先に打ち上げられていた2機の惑星探査機パイオニア10号(1972年打ち上げ、木星探査)と11号(1973年打ち上げ、木星・土星探査)も太陽系の果てを目指す旅路についてたんだ。パイオニア10号が先に1983年、海王星の軌道を越えて惑星の世界をいち早く飛び出したんだけど、その後通信は途絶えてしまったんだ。ボイジャー1号と2号はその後も地上との通信を続け、太陽系の外側がどうなってるのか調べているところだょ。
下の図は4つの惑星探査機の航行軌道を示した図。
ところでどこまでが太陽系内で、どこからが太陽系外なんだろう?
太陽からは絶えず太陽風っていう、粒子の集まりが放出されてるょ。太陽風は太陽から放出されると球状に太陽系の中を広がっていくんだ。一方太陽系の外側では星間風が吹いてるょ。太陽風は球状に太陽系を包み込み、星間風が太陽系の中に入ってくるのを防いでいるんだ。この太陽風が吹く範囲をヘリオスフィア(太陽圏)と呼ぶょ。このヘリオスフィアを太陽系の範囲と考えてもいいかもね。
下の図は管理人のやぎが作成した、太陽系の外側部分の構造を描いたイラストだょ。太陽から放出された太陽風は海王星の軌道をはるか越えて、遠くの方まで球状に広がっていくょ。外側の方では、太陽系の外からやってくる星間風に押されて太陽風は減速するんだ。太陽風の速さが音速より遅くなる境界を、境界衝撃波面っていうょ。減速した太陽風はさらに外側にまで広がっていき、太陽圏界面で外側の星間風と衝突するんだ。太陽系が進む方向の先には、星間風が減速してできた衝撃波面(ボーショック)があるょ。これらの境界面を超えると、そこには太陽風の影響が届かない星々の世界(星間空間)が広がっているんだ。
これらの境界面はどのくらいの距離のところにあるんだろう?これまで正確な大きさや形はわかっていなかったょ。
そのうち最初の境界面である境界衝撃波面に、惑星探査機ボイジャー1号がついに到着したらしいことが、探査機から送られてきたデータの分析でわかったょ。境界衝撃波面付近で太陽風は急に減速するんだ。そうすると減速した太陽風が滞ってそこで密度が高くなるはず。太陽風には電気を帯びた粒子が含まれているから、磁場を作るんだ(電磁石のように電流は磁場を生み出すんだ)。境界衝撃波面付近では太陽風の密度が上がることによって、磁場も強くなっていると考えられるんだ。2004年12月、ボイジャー1号は磁場が強くなっていることを捉え、それが境界衝撃波面に到達したとしたときの予想にぴたり一致したんだ。その後も磁場は強いままで、ボイジャー1号が境界衝撃波面を超えて、その先のヘリオシースに足を踏み入れたところだと考えられているょ。
ボイジャー1号は現在太陽から93AU(140億km)のところを1年に3.6AU(時速6万2千km)の速さで進んでいるょ。一方妹のボイジャー2号は現在太陽から70AU(100億km)のところを1年に3.3AU(時速5万6千km)の速さで太陽系の果てを目指しているんだ。ボイジャーは余計な観測機器のスイッチを切り、電力を節約してるから、2020年くらいまで持ちそうなんだ。その頃には既にボーショックを超えて、星間風の吹き荒れる星の世界を旅しているに違いないね。
下のイラストはボイジャーとパイオニア10・11号の姿(画像:NASA提供)。
ボイジャーVoyager パイオニア10・11号Pioneer 10/11
ボイジャー1号 1977年9月5日に打ち上げられたNASAの惑星探査機だょ。1979年3月に木星に接近し、リングの存在を確かめたんだ。木星の衛星エウロパの縞模様で覆われた氷の表面や、イオの火山活動を発見したょ。その後1980年11月には土星に接近し、その衛星タイタンに大気があることを確かめたんだ。その後海王星軌道より外側へ飛び出したボイジャー1号は、1990年に太陽系を振り返って太陽系全体を撮影したょ。その後は太陽系の外側へ向けて現在も旅を続けてるんだ。いつか出会うかも知れない地球外知的生命へのメッセージとしてレコードが積まれているょ。
ボイジャー2号 NASAの惑星探査機だょ。1977年8月20日、打ち上げが延期された1号より早く打ち上げられたんだ。1979年7月に木星に、1981年8月に土星に接近し、探査を行ったんだ。その後さらに1986年1月には天王星に、1989年8月には海王星に接近し、たくさんの新しい衛星を発見したょ。また、海王星の探査では海王星のリングや衛星トリトンの火山活動などを発見したんだ。1号とは別の方向へ向けて、太陽系の外の世界へと航行を続けているょ。1号と同様、レコードが積まれているょ。
パイオニア10号 1972年3月3日に打ち上げられたNASAの木星探査機だょ。1973年に初めて木星に接近し、木星の重力を利用して太陽系からの脱出への旅を一番早く始めたんだ。地球外知的生命へのメッセージが書かれた板が取り付けられているょ。
パイオニア11号 1973年4月6日に打ち上げられたNASAの惑星探査機で、1974年に木星に、1979年に土星に接近したょ。パイオニア10号と同様、メッセージが書かれた板が取り付けられてるんだ。
太陽風 太陽から吹き出る電気を帯びた粒子の流れだょ。秒速500kmで流れているんだ。太陽の活動が活発になると太陽風も活発になるんだ。この太陽風が地球の北極や南極で大気と衝突し光る現象がオーロラだょ。
星間風 太陽系の外側の星間空間を流れる粒子の風だょ。
磁場 磁力がはたらく場を磁場っていうんだ。
AU 天文単位。長さの単位の一つで、およそ地球と太陽の平均距離。=149597870km
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約28年前に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャー1号。孤独な旅を続けてきた探査機が、ついに太陽系の果てに到達したょ。
ボイジャー1号とボイジャー2号はともに1977年にNASAが打ち上げた双子の探査機だょ。1号は木星と土星を、2号は木星と土星に加えて天王星と海王星を探査したんだ。これら外側の惑星についての重要な発見をしたんだ。そして1号は土星の探査終了後(1980年)、2号は海王星の探査終了後(1989年)、それぞれ惑星の世界を離れて太陽系の果てを目指す旅に出たょ。この頃既に、先に打ち上げられていた2機の惑星探査機パイオニア10号(1972年打ち上げ、木星探査)と11号(1973年打ち上げ、木星・土星探査)も太陽系の果てを目指す旅路についてたんだ。パイオニア10号が先に1983年、海王星の軌道を越えて惑星の世界をいち早く飛び出したんだけど、その後通信は途絶えてしまったんだ。ボイジャー1号と2号はその後も地上との通信を続け、太陽系の外側がどうなってるのか調べているところだょ。
下の図は4つの惑星探査機の航行軌道を示した図。
ところでどこまでが太陽系内で、どこからが太陽系外なんだろう?
太陽からは絶えず太陽風っていう、粒子の集まりが放出されてるょ。太陽風は太陽から放出されると球状に太陽系の中を広がっていくんだ。一方太陽系の外側では星間風が吹いてるょ。太陽風は球状に太陽系を包み込み、星間風が太陽系の中に入ってくるのを防いでいるんだ。この太陽風が吹く範囲をヘリオスフィア(太陽圏)と呼ぶょ。このヘリオスフィアを太陽系の範囲と考えてもいいかもね。
下の図は管理人のやぎが作成した、太陽系の外側部分の構造を描いたイラストだょ。太陽から放出された太陽風は海王星の軌道をはるか越えて、遠くの方まで球状に広がっていくょ。外側の方では、太陽系の外からやってくる星間風に押されて太陽風は減速するんだ。太陽風の速さが音速より遅くなる境界を、境界衝撃波面っていうょ。減速した太陽風はさらに外側にまで広がっていき、太陽圏界面で外側の星間風と衝突するんだ。太陽系が進む方向の先には、星間風が減速してできた衝撃波面(ボーショック)があるょ。これらの境界面を超えると、そこには太陽風の影響が届かない星々の世界(星間空間)が広がっているんだ。
これらの境界面はどのくらいの距離のところにあるんだろう?これまで正確な大きさや形はわかっていなかったょ。
そのうち最初の境界面である境界衝撃波面に、惑星探査機ボイジャー1号がついに到着したらしいことが、探査機から送られてきたデータの分析でわかったょ。境界衝撃波面付近で太陽風は急に減速するんだ。そうすると減速した太陽風が滞ってそこで密度が高くなるはず。太陽風には電気を帯びた粒子が含まれているから、磁場を作るんだ(電磁石のように電流は磁場を生み出すんだ)。境界衝撃波面付近では太陽風の密度が上がることによって、磁場も強くなっていると考えられるんだ。2004年12月、ボイジャー1号は磁場が強くなっていることを捉え、それが境界衝撃波面に到達したとしたときの予想にぴたり一致したんだ。その後も磁場は強いままで、ボイジャー1号が境界衝撃波面を超えて、その先のヘリオシースに足を踏み入れたところだと考えられているょ。
ボイジャー1号は現在太陽から93AU(140億km)のところを1年に3.6AU(時速6万2千km)の速さで進んでいるょ。一方妹のボイジャー2号は現在太陽から70AU(100億km)のところを1年に3.3AU(時速5万6千km)の速さで太陽系の果てを目指しているんだ。ボイジャーは余計な観測機器のスイッチを切り、電力を節約してるから、2020年くらいまで持ちそうなんだ。その頃には既にボーショックを超えて、星間風の吹き荒れる星の世界を旅しているに違いないね。
下のイラストはボイジャーとパイオニア10・11号の姿(画像:NASA提供)。
ボイジャーVoyager パイオニア10・11号Pioneer 10/11
ボイジャー1号 1977年9月5日に打ち上げられたNASAの惑星探査機だょ。1979年3月に木星に接近し、リングの存在を確かめたんだ。木星の衛星エウロパの縞模様で覆われた氷の表面や、イオの火山活動を発見したょ。その後1980年11月には土星に接近し、その衛星タイタンに大気があることを確かめたんだ。その後海王星軌道より外側へ飛び出したボイジャー1号は、1990年に太陽系を振り返って太陽系全体を撮影したょ。その後は太陽系の外側へ向けて現在も旅を続けてるんだ。いつか出会うかも知れない地球外知的生命へのメッセージとしてレコードが積まれているょ。
ボイジャー2号 NASAの惑星探査機だょ。1977年8月20日、打ち上げが延期された1号より早く打ち上げられたんだ。1979年7月に木星に、1981年8月に土星に接近し、探査を行ったんだ。その後さらに1986年1月には天王星に、1989年8月には海王星に接近し、たくさんの新しい衛星を発見したょ。また、海王星の探査では海王星のリングや衛星トリトンの火山活動などを発見したんだ。1号とは別の方向へ向けて、太陽系の外の世界へと航行を続けているょ。1号と同様、レコードが積まれているょ。
パイオニア10号 1972年3月3日に打ち上げられたNASAの木星探査機だょ。1973年に初めて木星に接近し、木星の重力を利用して太陽系からの脱出への旅を一番早く始めたんだ。地球外知的生命へのメッセージが書かれた板が取り付けられているょ。
パイオニア11号 1973年4月6日に打ち上げられたNASAの惑星探査機で、1974年に木星に、1979年に土星に接近したょ。パイオニア10号と同様、メッセージが書かれた板が取り付けられてるんだ。
太陽風 太陽から吹き出る電気を帯びた粒子の流れだょ。秒速500kmで流れているんだ。太陽の活動が活発になると太陽風も活発になるんだ。この太陽風が地球の北極や南極で大気と衝突し光る現象がオーロラだょ。
星間風 太陽系の外側の星間空間を流れる粒子の風だょ。
磁場 磁力がはたらく場を磁場っていうんだ。
AU 天文単位。長さの単位の一つで、およそ地球と太陽の平均距離。=149597870km