サンピアザの謎ペンはさておき。旭山のキングです。
かなり、きてます。換羽です。
ここに写っている中で、換羽が終わったのは1羽だけ。右の方にいるピカピカつやつや個体です。
奥の方に茶色い背中と白っぽい頭部を見せている個体がいます。確か、換羽を1年見送って2年ぶりの着替え中。
浮き上がっている古い羽が、他の個体と比べて茶色いのがよくわかります。
もともと換羽で抜け落ちた羽は色が良くありません。若干茶色がかっています。
あの美しいシルバーグレーの羽は、むしり取らないと手には入らない!ので、ようするに手には入りません。
それはあきらめるとしても、1本くらい黄色い羽が欲しいではありませんか。
ペンギン散歩には間に合わなかったので、せめて彼らの落とし物でも拾おうと、ペンギン道沿いに遺留品捜索。
ハラと背中とフリッパー(たぶん)の羽は落ちていましたが、黄色い羽は見当たらず。
しかたないですよね。体表に占める黄色部分の割合はごくわずか。しかも短い羽がほとんどですから、めったに見つかるものではありません。
右は、換羽直後のピカピカ個体。
左は最終段階に入った換羽中個体。
イヤーパッチの部分、羽がぼわ~んと浮き上がって、ほんに触れなば落ちんばかりです。黄色い羽~~。
旭山は右バンドがオスですから、換羽中がメス、ピカピカがオス。
旭山全体では、圧倒的にオスが多いです。
もしかしたら、日本で飼育されているキングペンギン、オスの方が多数派なのではないでしょうか。
仲間やパートナーを失ったオスのお一人様もけっこういます。
で、天然モノではどうかというと。ケルゲレン島のコロニーにおける2010年のフランスチームによる研究では、メス1羽に対してオス1.65羽という結果が。
ただし、雌雄比ではなく同性ペアについての研究です。なぜオスが多いかという話は出ていませんでした。
オスの生まれる確率が高いとか、オスの方が強健だから生存率が高いとか、たまたまオスの多いコロニーだったとか、何かワケがあるのでしょう。
だけど、もしケルゲレン島から野生個体を連れてきた場合、ランダムに選んだら必ずオスが多いということになりますね。
その上、もしオスの方が出生率が高くかつ長命な可能性があるとしたら、さらにオスが多くなります。
オスの方が多くなる要因が、いくつも重なっているのではないかと思いますけど。