3回目の月命日 : levie母

暑い最中の午前10時半過ぎにデイサービスの送迎車が家の前に到着した。暑さで身体に熱がこもりやすくなっている父は少し赤ら顔で、声をかけても小さく目で反応するだけでぼんやりとして、ボクがダイニングから玄関へ車椅子を移動させてる間、ほとんど無反応でじっと座っていた。もぅ…成すがまま、成されるまま…という風で、“行きたくない”、と無駄な労力を使ってまで抵抗はしない、という風にもとれてしまうような…、怠くて暑くて眠そうな、弱々しい目でボクをチラリと見た父は、デイサービスの迎えの人の“おはようございます”という挨拶には、打って変わった満面の笑みを浮かべて相づちを打った…。迎えの誰しもに同じ反応をするわけではないが、家族にはあまり見せない表情だ。高次脳機能障害の少なからずの影響で、実の息子のボクと娘である妹の認識が、ときたま曖昧にもなる事があって、父にとっては見た事のある知ってる人で、きっと安堵の気持ちもあるんだろう。やや他人行儀な振る舞い方をする事もある父には、果たして我が家の居心地は本心では如何程なモノなのだろう??…。今日は妻であった母の3回目の月命日なのだが、記憶には残っているだろうか?? . . . 本文を読む