今週のPOSデータから/売れ筋・トレンド、POSに出る

PosBankシニアアナリスト・井上正敏が、トピックスを展開していきます。

POSBANK、売れ筋ゼリー。1位に、エミアル「珈琲ゼリーたっぷり」。猛暑は、コーヒーゼリーで暑気払い?

2013年08月22日 | 2013年後期トピックス


8月上旬の立秋を過ぎると、暑さが和らぎ秋の爽やかな気配が漂ってくるものです。ところが、今年は例外のようで、
暑気払いしたくなる気象状況が続いていますね。日本古来の習慣である暑気払いは、今では夏の飲み会の代名詞のよう
に言われていますが、本来の意味としては、暑さをうち払うこと。つまり、暑さに負けないよう、体を冷やす効果のあ
る食物を食べたり、体を冷やす働きのある漢方薬を飲んだりして、体内に溜っている熱気を取り除くことにありました
(冷たいうどんや、素麺、あるいはかき氷を食べる習慣が東北地方に残っているようです)。体を冷やす点では、コン
ビニのチルド食品は猛暑を凌ぐにはうってつけかも知れません。コンビニPOSデータを見ると、食欲が減退しそうな
猛暑の中で、カップゼリーは比較的順調に推移しています。冷たく冷やされた果物がまるごと入ったフルーツゼリーや、
コーヒーの味わいがツルン!と楽しめるコーヒーゼリーで、暑気払いというわけでしょうか。首都圏250店以上のコ
ンビニPOSデータを集計、売れ筋とトレンドがいち早く捉えられるPOSBANKのデータには、カップゼリーの売
れ筋傾向が現われています。

 
グラフ1.は、ゼリーカテゴリー、日別販売数量推移グラフで(第24週~第33週)、第33週の売れ筋上位5商品
の推移を見たものです。グラフでは、6月上旬から7月初めの梅雨明け頃まで、売れ筋ランキング1位を競っている2
商品、メグ「クリームスイーツコーヒーゼリー」と、たらみ「ごろっと果実のとびきりみかん」が大きな弧を描いて推
移しています。とくに梅雨明け直後の猛暑のときのピークが目をひきますが、体を冷やしてくれるカップゼリーに手を
伸ばした人が多かったのでしょうか。また第32週、第33週で売れ筋ランキング1位を占めているのが、エミアル
「珈琲ゼリーたっぷり」。第29週(7月9日)に新発売されてから、徐々に販売数量を伸ばしている様子がグラフか
ら分かります。カットしたコーヒーゼリーにからめられた、とろりとしたクリーミーソースと、つるん!と、冷たいゼ
リーの食感は、コーヒー好きにはたまらない味わいのようです。それと、コンビニ限定、期間限定だけに、もう一度食
べたい人は早めに、再購入しているのかも知れません。また猛暑日と真夏日の続いた、先週と先々週(第32週~第3
3週)にかけて、エミアル「珈琲ゼリーたっぷり」に続き、売れ筋2位を占めたのがメグ「クリームスイーツコーヒー
ゼリー」。コーヒーゼリーは、ちょっとした熱中症対策に役立つデザートになっているわけですね。

表1.は、ゼリーカテゴリー売れ筋ランキングです(第33週)。エミアル「珈琲ゼリーたっぷり」が、1位。メグ
「クリームスイーツコーヒーゼリー」が、2位(太字)を占めています。この2つコーヒーゼリー、フルーツゼリーに
比べちょっとした違いがあります。成年女性と、熟年女性の購入比率が高い点です(太字)。とくにメグ「クリームス
イーツコーヒーゼリー」の場合、成年女性と、熟年女性を合わせると約40%。一般的にデザートの飲物にはコーヒー
より紅茶の比率が高い女性たちですが、スイーツやデザートは、コーヒーゼリーが多いわけで、何かコーヒーゼリーな
らではの魅力があるのかも知れません。それと、コーヒーゼリーは、フルーツゼリーに比べ昼前後の購入比率が高め。
コーヒーゼリーは、昼から午後。ボリウム感が魅力のフルーツゼリーは、夕食後のデザートに食べられる傾向が強いと
推察されます。ところで、猛暑というか、残暑といいますか、この暑さはまだまだ続きそうな様相で、今後のゼリーの
動向が気になります。首都圏250店以上のコンビニPOSデータを集計、いち早く売れ筋とトレンドが捉えられるP
OSBANKのデータをチェックする機会が増えそうです。

                         売れ筋・トレンド、POSに出る                  
                               POSBANK

                    

            グラフ1.は、ゼリーカテゴリー、日別販売数量推移グラフ(第24週~第33週)


            表1. ゼリーカテゴリー売れ筋ランキング(第33週)


      ※ 客層の年齢目安。子供:~15才。若者:16~29才。成年:30~49才。熟年:50才~

                 (POSBANK:首都圏コンビニエンスストア250店以上、調査) 


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