エンタープライズアプリケーション志向

成功は気づきと行動から生まれる。

SaaSについて考える その2(各社動向と限界)

2008年04月02日 00時09分31秒 | IT
KDDI、富士通、Microsoft、SAP、Oracleなど
大手がSaaSに取り組んでいる。

最近のニュースでは、NECもSaaS事業に着手したようだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/01/news052.html

■SaaSの弱点
ソフトウェア開発がまだ製造業のようなレベルに達していないように、
ITの活用・利用についても標準的な指針が
確立されておらず、多種多様である。
果たして、日本のユーザが標準化されたITを活用できるだろうか?
日本のユーザはカスタマイズが当然の文化である。
業務をシステム側に合わせるという
今まで苦手としてきたことをやらなければならない。
これが普及のネックとなりそうだ。

プログラムの改修なしに、
ブラウザからのカスタマイズ操作で
どこまで対応できるかがカギとなるのではないだろうか。

■費用の支払い方法
従来は一括でドンと大きな費用を支払って、
何年かを通じて原価償却してきた。
SaaSは1ユーザの月額料金がいくらというタイプ。
家を買うのと、アパートを借りる賃貸ぐらい違う。
何が言いたいかというと、お金を払っても、システムは自分のものにならないのだ。
従来とは大きく異なる点だろう。

■一極集中の問題。
SaaSは多くの企業で1つのシステムを利用するということになる。
つまり、1つの企業に対してのみ有効なカスタマイズは不可能となる。
それゆえ、全体で有益となるものしか取り入れることが出来ない。

これに対して、セールスフォースはAppExchangeというものがあり、
ユーザは自由に必要な機能をインストールすることが可能。
自社に必要な機能を作って、それをインストールすればよいが、
アプリのコアに関わるような、「それは仕様です」に関わるような
カスタマイズはやはり対応できないだろう。

また、万が一、SaaSのシステムがダウンすると
ユーザ全員に影響が及ぶという問題が一極集中による大きな欠点である。
SaaS事業者が絶対に避けたい問題だ。

■そしてなにより価格
SaaSは中小企業を対象としていると言われている。
自然と低価格にならざるを得ない。

しかし、SaaSはインフラを事業者が一括面倒みますよ方式なので
インフラが貧弱だとサービス自体がしょぼいことになってしまう。

また、薄利多売にならざるを得ない。

業界的に、将来的に、この価格バランスは大丈夫なのだろうか?
利益はちゃんと確保できるのか?

SaaSが一時の流行で終わるかどうか。今後の動向に注目だ。

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