先日、川喜田チンパン氏の「さらば、ホンダF1」という本を読んだ。
川喜田さんは、今までF1誌の中でも何度か名前を見かけた方だ。
F1を愛し、HONDAを愛し、HONDAに対する想いは我々F1ファンより遥かに深いものがあり、第3期HONDA F1を追い続け、昨年限りでの撤退までを自らのF1従軍記でまとめ上げた内容だ。
ちょっとしたコアなF1ファンならばHONDAのF1撤退について悶々とした意見を持っていると思う(賛否両論はあるだろうけど…)し、内容の良し悪しは別として、実にファン目線でのHONDAの迷走振りを上手く書き上げているなと思った。
「さらば、ホンダF1」が発売になったのが、3月でF1GP開幕前…
もしこれが開幕後であったら、今のブラウンGPの活躍を見て、もっと辛辣な内容になってたと思うし、誌内の本田宗一郎氏の涙も滝のように流れていたかもしれない…
ところでホンダは、国内の大手自動車メーカー3社のなかで2009年3月期の連結決算において、唯一、1400億円の黒字が見込まれているそうだ!
新型ハイブリッド車「インサイト」が189万円という低価格でインパクトを与え、発売直後から月間目標の3倍以上の受注台数を記録しているようだし、F1のKERS開発に関わっていた約400人が今後商品開発の戦力として加わることもあり成長材料もある。
6月に退陣する福井社長は、ある最近の取材で「F1撤退を決断してから現場の空気がガラリと変わりました。あれがきっかけとなって現場と本社にさらなる一体感が生まれたんです。」と述べています。
これってどういうことなんだろう???
来年は、財務的にもF1撤退の効果が何百億円単位で出るだろうし、ホンダはますます一般企業化していくってことになっちゃうのかな!?
前述の「さらば、ホンダF1」では、ホンダの社内には、F1推進派と反対派の勢力争い的な内容がホンダのベクトルを狂わしていたということが書かれています。
こういった内容を見たり聞いたりすると、あらためて言うまでもないかもしれませんが、もはやHONDAのレーシングスピリットは偽善と化してしまったと言うしかないような気がします。
今宮さんが自身のHPでこんなことを書かれています。
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ブラウンBGP001は、実は幻のRA109だった。
去年までいた旧ホンダスタッフ及び栃木研究所の技術者と元スーパーアグリの一部スタッフによって練りこまれたこの車は、第3期ホンダとしては最高傑作のマシンと言っていい。それを、ホンダは08年秋の時点で分かっていなければいけなかった。
しかし、第3期時代に「自分たちがどうして遅いのか」が分からなかった本社の人間は、今度は「どうして自分たちが速くなっているか」が理解できなかったようだ。
分からないけれど、R・ブラウンサイドの要求には全て気前よく応じ、どう見ても“手切れ金”にしか思えない莫大なマネーは支払った。
この2連戦で、僕がヨーロッパの知人たちから突っ込まれたのもその点だった。
「お前ら日本人はなんて気前がいいんだ。だからミサイルが自分の家の上を飛んでいくんだ。少しはサムライとしてのプライドを持て!」。
言葉も出ない・・・。そのとおりだから。
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アハハハハハ(^O^;)
某国は、だから日本上空に人工衛星を発射したんだ!(笑)
ホント、笑えてしまった…
日本って国は世界からはこんな風に見られてるんだと思うと、ちょっとやはり寂しい。
福井社長も決してHONDAのレーシングスピリットを売り払った訳では無いと思う。
NHKの某番組で「(F1)またやります。たぶん将来。」と語っていたのは、自分の中のワクワクを押さえきれない何かがあるんだと思います。
HONDAの中には、まだ何人かそう言った魂を持った人間がいることを信じたい。
日本というロイヤリティ、そして純粋なモータースポーツへの情熱!
あ~、やっぱりスーパーアグリF1チームは最高だったなぁ~
我々が熱い声援を送っていた、あのHONDAは何処へ行ってしまったんだろう…