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――パナソニックを中心とした電機業界の記事集.

テレビ世界出荷台数、初の減少 先進国不振目立つ

2012-03-15 | 世界市場


 米調査会社のディスプレイサーチは14日、2011年のテレビの世界出荷台数が前年比0.3%減の2億4770万台だったと発表した。

 3年から続く調査で前年割れは初めて。先進国を中心とする景気低迷による買い控えや、普及率上昇に伴う新規需要減が響いた。


収益源の確保課題

 企業別では日本各社がシェアを落とす一方で韓国勢が伸びているが、価格下落や市場の伸び率鈍化の影響は出ており、テレビ事業の収益改善や新たな収益源の確保が課題になっている。

 同社は今年1月時点で11年のテレビ出荷台数が前年比0.1%増になったと見積もっていたが、予想を下回った。

 薄型テレビへの置き換えが進むブラウン管テレビは前年比34%減り、プラズマテレピも約7%減の1720万台。

 市場のけん引役で2ケタ増が続いてきた液晶テレビが7%増の2億500万台強にとどまり、足を引っ張った。

 11年前半は景気の先行きが不透明な米欧を中心に流通在庫が高水準で推移、出荷台数が伸び悩んだ。

 ディスプレイサーチは「日本のエコポイント制度は09-10年に買い替え需要を刺激したが、10年は制度終了で需要が急減した」と分析した。

 11年10-12月期のテレビ出荷台数は前年同期比4%減の7423万台だった。


韓国シェア4割

 ブラウン管テレビやプラズマテレピの減少が続いているほか、液晶テレビも前年同期比1%増の6423万台にとどまった。

 液晶テレビの伸び率は調査開始以来、最低。全体では新興国の出荷台数が12%増えたが、21%減という先進国の落ち込みを補えなかった。

 10-12月期の薄型テレビのメーカー別シェア(金額ベース)は韓国のサムスン電子が前の四半期より3.3ポイント高い26.3%となり、過去最高になった。

 2位のLG電子(韓国)も0.4ポイント増の13.4%・一方ソニーは0.1ポイント減の9.8%、

 パナソニックは1.5ポイント減の6.9%、シャープは1.6ポイント減の5.9%とシェアを落とした。

 薄型テレビ事業の巨額赤字に苦しむ日本勢は採算重視にかじを切って出荷台数を絞っており、サムスンやLGへの追い風となった。両社のシェアは合計で40%に迫る水準となっている。




【記事引用】 「日本経済新聞/2012年3月6日(火)/3面」