ベクトライズ

様々な出来事について、その過程や流れ、方向性を自分なりに探っていきたいと、ベクトルと「分析」をひっかけた造語です。

山口の母子殺害事件の判決について

2008年04月22日 23時49分35秒 | 暗い事件について
「死刑」が妥当かどうか と問われたら妥当ではないのかもしれない。
ただ、本人の反省も無しに減刑は正しくないと思う。
最近「心神耗弱状態」という表現をよく耳にするようになった。精神鑑定と「心神耗弱」がセットになって弁護手段に使われているわけだ。

この辺りは、この国の社会モラルがそのまま反映されたものなのだろう。要するに「無責任」なんだ。己の行為に対しての「義務感」や「責任感」が欠けている。だから、平気で責任逃れをする。多くの社会問題が公になっているけど、いずれもそういう話。「潔さ」を美意識をもって尊んだ日本文化は、「個人主義」とか「自由」とかいう「わがまま」に淘汰されてしまったのかもしれない。
少なくとも、法律家にはそうなって欲しくないのだけれど・・・・・

山口の事件では、遺族の男性が冷静に犯人に反省を促し続けてきたが、今回の弁護団の手法はその努力を大きく後退させたように思う。動機の如何にかかわらず、「殺害した」という事実に対して反省があって初めて減刑ではないのだろうか?
理由をつけて悪気は無かったというのは、不毛で且つ、遺族や被害者を著しく蔑ろにした主張だ。

法律の不備や死刑の是非を問う前に、弁護団には「弁護」と「法廷」に於ける正義のあり方を真剣に再考して欲しい。客観性に欠けるかもしれないが、弁護団の主張にはどうしても納得がいかなかった。