ベクトライズ

様々な出来事について、その過程や流れ、方向性を自分なりに探っていきたいと、ベクトルと「分析」をひっかけた造語です。

これこそ、チャンス!! 農業政策、地方行政の転換を

2008年02月10日 20時16分12秒 | 時事ネタについて
75%が「中国食品利用せず」 ギョーザ事件で共同通信調査(共同通信) - goo ニュース

一連の農薬混入問題を見ているうちに、随分長いこと放置していたブログをもう一度使ってみようと思った。
声を上げるべきは消費者の方。
政治家や官僚が頼りにならないのは周知の事実だから。

輸入牛肉の問題、大豆の高騰、原油高に端を発する相次ぐ食料品の値上げ、そして中国製品に対する不信感を煽る今回の問題。
これらが示すのは、「食料自給率を上げろ」という神の声のようだ。

まず生産者の方々へ。
価格で勝てないと言われていますが、高価になっている原因は?
気候や季節に合わないものを無理やり作っているからじゃないの?
より安く作るためにやり方を変える勇気がある人たちは成功しているのではないですか?
農協の方針やこれまでのやり方が本当に正しかったのか、プロである皆さんが個々に検証するときです。時代は「原点回帰」を求めているはずです。作物本来のあり方に帰って大規模で収支の良い生産方法を検討することが出来るのではありませんか?

食品生産、流通系の企業の皆さんへ。
安全性は監視や規制の届く範囲でしか管理できません。国内の農業生産事業に積極的に投資して、より自然な本来あるがままの生鮮品を供給することで、消費者の意識を変えることができるのでは?
安いに越したことはないです。だから国内での大規模生産が必要になる。産業基盤を失いつつある休耕地域に投資することで、新たな生産基盤を確保すれば、企業自体にも地域にも国にも消費者にも大きなメリットをもたらすはずです。

地方自治に携わる皆さんへ。
「負のループ」から抜け出すためには、補助金で公共事業を継続するよりも産業基盤の確立が急務です。工業誘致よりもむしろ、農業基盤の強化・充実を大手流通業とともに推進する方が効果的では?
「利権」を断ち切り、一部の支持者のためにではなく、多くに住民のために「脱・補助金」の決断を求められているのに、そういう議論が出来ないのはなぜ?
これまでの「赤字経営」に責任を感じて欲しい。
都市部の人間はいつまでもあなた方の浪費に付き合ってはいられません。
黒字の自治体がほとんど無いという現実を、危機感をもって受け止めるなら、今こそ大胆な変革を行うチャンスでしょ?

最後に消費者の皆さんへ。
我々は多くを求めすぎていませんか?
極端な健康志向もどうかと思いますが、もっと自然や季節に合わせた生活があってもいいのでは?
食料自給率の低さは我々消費者がわがままな要求をしすぎている証なのでは?
一年中食べれるのは本当に良いことなのでしょうか?
その時期にしか食べられないことで、食べる喜びをもっと感じられるのでは?
それが本来の姿ではないかと思うのです。

東京でアンズを買うことの難しさを感じたことありませんか?
販売される時期が短く、あっという間に店頭から消えてしまいます。だからこそ「今年は食べられた」という喜びも感じられる。
都市部の人間は、こういうことの繰り返しで「食」を生産者への感謝につなげるような生活を求めるべきだと思うのです。子供たちの世代が、まともなものを食べられるように、我々は馬鹿げた現実を変える努力を求められているのだから。