凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

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風「暦の上では」

2004年12月20日 | 好きな歌・心に残る歌
 かぐや姫に在籍していた伊勢正三は、大久保一久と組んで「風」として再デビューする。その第一弾はかぐや姫の名曲として知られる「22歳の別れ」。切なさいっぱいの曲で、アコースティックギターのソロにあこがれてコピーしたもんだ。そして「星空」のリリシズム、「あいつ」の生徒諸君の沖田君(笑)、「ささやかなこの人生」の心に響くメロディー。
 やっぱり正やんはいいんだよな。詩人だなぁ。その正やんが大久保さんと出会って、心に深く入り込む叙情を描き出したのが「風」なのだ。
 「北国列車」「あの唄はもう唄わないのですか」と続くと、さまざまな想い出がオーバーラップして困ってしまう。「君と歩いた青春」なんかは名曲の誉れ高くて、太田裕美もカバーしたが、男性ボーカルの方が心に直接訴えてくるものがあるんよねぇ…。 

  綺麗な夕焼け雲を憶えているかい
  君と初めて出会ったのは 僕がいちばん最初だったね

 泣けてしまうな。

 4枚目のアルバム「海風」から少しサウンドが変わっていったのはもちろん「進化」なのだろうとは思うが、僕はやっぱりアコースティックなサウンドが好きだ。曲ももちろん名曲は続くが、例えば「そんな暮らしの中で」のように、若者は大人へと徐々に変貌をとげていく。

 高校生の頃「風」が大好きだった僕は、進学してもまだ聴き続けていた。名曲「暦の上では」にはいろいろな想い出が詰まっている。卒業して離れていく若者の姿をさらりと描いた曲なのだが、高校時代の卒業の思い出、そして大学を出て、モラトリアムから離れざるを得なかった大学時代の卒業の頃にも、僕のバックにはこの曲が流れていた。僕の中での"卒業"は、ユーミンの「卒業写真」ではなく、もちろん「贈る言葉」でもなく圧倒的に「暦の上では」なのだ。


  君が涙ポツンと落とした日 街では 
  もう春のセーターが店先に並んでた

 「卒業」のあわただしさ。終わりが見えてしまった青春時代というものを認めたくなくて、抗い、そしてまた熱狂の渦の中で現実逃避をしようとしていた頃。

  君の涙が雪に変わって 僕の肩に落ちた

 淡い想い出。どうしても好きだと言えなかった彼女の後ろ姿をずっと追い続けていた頃。振り向いた彼女のなびく髪が今も脳裏によみがえる。

  君と悲しみ 君と笑った学生時代も終わり
  ボタンダウンのシャツもそろそろ
  着れなくなってくる頃

  暦の上では もう春なのに
  まだまだ寒い日が続く

 痛切な想いは誰の胸にもあるはず。そんなものを大人になってもまだ追いかけている自分に対して、複雑な気持ちがわくことは確かだけれど、想い出は生きてきた中でいちばん大切なもの。正やんの曲を聴きながら浸る時間もあってもいいのではないか…。

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6 コメント

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ぼたんだうん (今日のジョー)
2005-08-12 18:45:47
凛太郎さん、こんにちは。

「暦の上では」密かに名曲だと思って心に

しまっておいた曲です。特に「ボタンダウン・・・」のフレーズ。クールビズとかいって

変なオッサンに汚さないで欲しいと苦々しく思う今日この頃です(笑)

この曲、イントロもいいですよね。

あの軽やかさが余計に切なさをにじませる。

凛太郎さんの解説、

上質のライナーノーツに出会った気分です。
下りの汽車の時間が… (凛太郎)
2005-08-12 22:49:55
いつもありがとうございます。

解説とかライナーノーツとかもう汗顔の至りです。若い頃の気持ちをぼんやりと思い出して書いているに過ぎませんので(滝汗)。



伊勢正三という人は本当に細やかで優しい曲を紡がれますよね。思い出が濃いので「暦の上では」に代表させて書きましたが、名曲がそろっています。

イントロはいいですよね。あのメロディーを聴くだけでいろんなことが思い出されます。
遅ればせながら (よぴち)
2008-03-04 07:06:19
凛太郎さん
私は、高校に進学してから以降も、風のみならず正やんのソロまで、ずっと聴き続けています。
最近のは、正やんのヴォーカルに力がなくなってきているし、私も、曲はいいと思いながらも思い出が重なっていかないせいか、やはり、あまり思い入れがありませんが。アルバムで言うと、「ORANGE」までが好きです。
卒業と言うと、「暦の上では」とか、「いちご白書をもう一度(バンバン)」になってしまう。

あんまりネットサーフィンをしない面倒くさがり屋なので、なかなか気の合う人と出会えなかった。
ここにきて、私の知っていることくらい、すべて知っていて、話が通じる人に出会えて、とてもうれしいです。
遅ればせなんてとんでもない (凛太郎)
2008-03-04 21:52:08
どうもわざわざ見ていただいて恐縮です。この頃はまだ記事が短かったなぁ(笑)。

正やんは今でもいい曲を作られておられると思うのですね。僕もとんとご無沙汰でレンタルで聴く程度なんですけど(汗)。残念ながら声が少し弱くなってしまわれましたが、それも味わいだと思うようにしています。こうせつおいちゃんなんて異常なんですよあの声は(笑)。

>曲はいいと思いながらも思い出が重なっていかない

それは僕も全く同じで。このブログで好きな歌の話を書くときは、一部例外を除いてどうしても20歳前後を核にした話ばかりになります。感受性が磨耗したとは思いたくないのですが、その時代はどうしても思い出が濃いですからね。あの頃のことはナンボでも書くことがあって。陳腐な表現ですけど青春だったのでしょうかね。

僕もよそ様のブログを積極的に探さない無精者でして(汗)、見つけていただいて本当に有難いと思っています。音楽については偏りがありましてよぴちさんにはとても及ばないと思うのですが、時代背景に共通項があるのは嬉しいです。また見てやって下さい。
ご同慶至りです。そんな気分です。 (maru)
2015-05-12 01:33:57
昨日ビレッジホールで正やんのコンサートを見てきました。私も大好きな「暦の上では」をやってくれました。ここ数年コンサートに出掛けてますが久し振りに聞きました。私もこの歌が正やんの歌で一番好きです。春になると必ず車のCD を入れ替えて聞いています。お書きになった内容を見て自分と同じ感じ方をされてて大変嬉しく思いました。「忘れ行く歴史」も大好きで演奏してくれました。私も拓郎、ユーミン、浜田省吾、オフコース、サザンetc. みんな好きですが正やんは外せないですね。当日の観客もみんな同じ気持ちでしょうね。やっぱり正やんは才能があり、優しい人なんでしょうね。有難うございました。
>maruさん (凛太郎)
2015-12-03 04:38:08
ありがとうございます。レス遅くなりまして大変失礼いたしました。
この記事も…11年前に書いたものですね。いまさらながらこのころのことをぼんやりと思い出しました。正やんも、還暦をとっくに過ぎてしまわれましたが、いまも現役なのはうれしいことですね。
僕もやっぱり今も「暦の上では」がまだ一番好きで、これを書いた時より11年も歳をくってしまったせいか、聴くと涙が出てきます。

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風(伊勢正三) (オヤジ青春音楽館)
1970年代前半「かぐや姫」という伝説のグループがあった。「南こうせつ」「伊勢