中西学はいったい何をやっているのかな。
僕はデビューした時から、中西の恵まれた体格とパワー、面構えはエースになれる器だと思っていた。G1も制覇し、闘魂三銃士の次は当然中西と思っていた。
しかし、彼は残念ながら不器用すぎる(ケンドー・カシンは「頭が悪い」とまで言う)。しかしこれも中西を愛するが故の苦言である。もう少し自分のプランを見直してもらいたい。彼ももう若くないのである。中邑や棚橋の後塵を拝するようでは残念だ。
その中西のフィニッシュホールドがアルゼンチンバックブリーカー。背骨折りであり人間マフラー。怪力自慢の中西はこの技を好んで使用している。しかし、この技はなかなかタッグマッチでは通用しない。それは、極めるのに時間がかかる技だからなのだが。
元祖はアントニオ・ロッカとされる。ロッカがエアプレンスピンを掛けようとして相手を担ぎ上げ、背中が下になった状態で首と足を押さえたらそのまま極まってしまったというエピソードがある。ロッカの出身地であるアルゼンチンから名前がついた。
以前にも言及したが、プロレス技というのは「投げる技」「打撃技」「締め技・関節技」に分かれる。「投げる技」「打撃技」はノックアウトを狙う技。「締め技・関節技」はギブアップを狙う技だが、バックブリーカーはもちろん締め技の範疇(軋ませ技か)。
そして、この系統の技の難点は「時間がかかる」というところ。関節を極めて激痛を与えたり骨が折れる恐怖を与えて一気にギブアップではなく、じわじわと苦しめて気絶等を誘う。古来からあるヘッドロック、ベアハッグなどの流れに位置する。だから、タッグマッチだとパートナーにカットされてしまう。シングルでこそ威力を発揮するので、中西の使い方は間違っているとも言える。
しかし、アルゼンチンバックブリーカーを否定するつもりは毛頭無い。漫画のタイガーマスクの「フジヤマ・タイガー・ブリーカー」は華麗だった。マットの中央に仁王立ちになって相手をぐいぐい曲げていくのは迫力があるし、まさに千両役者の技。
印象に残るのはやはりタイガージェットシンが猪木に対して仕掛けたときである。あの時は、「まさかこの技を出すとは!」という意外性と、猪木がギブアップしてしまったというショックでとにかく脳裏に焼きついている。あの、「ここぞ」という時に繰り出すのがいい。中西のように頻発してしかも「極まらない」のではアルゼンチンバックブリーカーの値打ちが下がる。シングル戦で、中西のパワーでぐいぐい締めあげれば、相手はスリーパーで返すことも出来ず極まってしまうに相違ないのに。
同系列の技にカナディアンバックブリーカーがある。これはアルゼンチンが相手を横にして担ぐのに対し縦にして担ぐやり方で、元祖はあの耳削ぎで有名なユーコン・エリックとも言われる(異説あり)。ブルーノ・サンマルチノが怪力を生かしてフィニッシュホールドにしており、MSGを席巻した。日本ではストロング小林。坂口も使っていた。しっかりと胴を締めないとリバーススープレックスで返される。
ハイジャック・バックブリーカーというのもある。ドン・レオ・ジョナサンの必殺技で、背中合わせで相手を担ぎ、両手首を極めて締める。一瞬準備運動みたいに見えるが、効くはずである。で、これで振り回す。中西もこれをやる。
ゴリースペシャルという技がある。中西も使うが、これはハイジャックバックブリーカーの姿勢から相手の足を自分の足に引っ掛けて固定し締め上げる。ハイジャックバックブリーカーの拷問技版。これなら効きそうだ。中西にはこっちを主流にしてもらいたい。
馬場さんのジャイアント・バックブリーカーと。これは馬場さんならではの技で、相手をコブラクラッチに極めて、自分の膝に相手の背中を当てて背骨にダメージを与えるという拷問技。ジャイアント馬場のあの大きな体でないと出来ない。
ボーアンドアローも痛め技としては捨てがたい。猪木のリバースインディアンデスロックで大見得を切ったあと、すぐさまボーアンドアローへ。流れるような動きがいい。
吊り天井固め(ロメロ・スペシャル)はバックブリーカーに入るのか? 背中に何も当たっていないのでここでは範疇外か。背骨を痛める技はキャメルクラッチもボストンクラブもそうなのでややこしい。
締める(軋ませる)系統のバックブリーカー以外にシュミット流などの「叩きつけ式」バックブリーカーがあるが、同じバックブリーカーにせよ打撃技に近いことから別立てにしたいと思う。バックブリーカーの続編を後に書かせていただきたいと思います。
中西には、とにかくバックブリーカーを大切に扱って欲しい。シングル、中でもタイトルマッチなどの大一番で見せて欲しい。中西は弾丸タックル一発で(スピアーという呼称は嫌いだ)相手をフォール出来るパワーがあるのだから、もっとタックルに磨きをかけて欲しいと心底思う。そしてアルゼンチンはここ一番で。
中西しっかりしろい! カシンも心配してるぞ。
小技さんのブログにまたもやリンクさせていただきます。イラスト参照してみてください。アルゼンチンバックブリーカーはこちら♪
僕はデビューした時から、中西の恵まれた体格とパワー、面構えはエースになれる器だと思っていた。G1も制覇し、闘魂三銃士の次は当然中西と思っていた。
しかし、彼は残念ながら不器用すぎる(ケンドー・カシンは「頭が悪い」とまで言う)。しかしこれも中西を愛するが故の苦言である。もう少し自分のプランを見直してもらいたい。彼ももう若くないのである。中邑や棚橋の後塵を拝するようでは残念だ。
その中西のフィニッシュホールドがアルゼンチンバックブリーカー。背骨折りであり人間マフラー。怪力自慢の中西はこの技を好んで使用している。しかし、この技はなかなかタッグマッチでは通用しない。それは、極めるのに時間がかかる技だからなのだが。
元祖はアントニオ・ロッカとされる。ロッカがエアプレンスピンを掛けようとして相手を担ぎ上げ、背中が下になった状態で首と足を押さえたらそのまま極まってしまったというエピソードがある。ロッカの出身地であるアルゼンチンから名前がついた。
以前にも言及したが、プロレス技というのは「投げる技」「打撃技」「締め技・関節技」に分かれる。「投げる技」「打撃技」はノックアウトを狙う技。「締め技・関節技」はギブアップを狙う技だが、バックブリーカーはもちろん締め技の範疇(軋ませ技か)。
そして、この系統の技の難点は「時間がかかる」というところ。関節を極めて激痛を与えたり骨が折れる恐怖を与えて一気にギブアップではなく、じわじわと苦しめて気絶等を誘う。古来からあるヘッドロック、ベアハッグなどの流れに位置する。だから、タッグマッチだとパートナーにカットされてしまう。シングルでこそ威力を発揮するので、中西の使い方は間違っているとも言える。
しかし、アルゼンチンバックブリーカーを否定するつもりは毛頭無い。漫画のタイガーマスクの「フジヤマ・タイガー・ブリーカー」は華麗だった。マットの中央に仁王立ちになって相手をぐいぐい曲げていくのは迫力があるし、まさに千両役者の技。
印象に残るのはやはりタイガージェットシンが猪木に対して仕掛けたときである。あの時は、「まさかこの技を出すとは!」という意外性と、猪木がギブアップしてしまったというショックでとにかく脳裏に焼きついている。あの、「ここぞ」という時に繰り出すのがいい。中西のように頻発してしかも「極まらない」のではアルゼンチンバックブリーカーの値打ちが下がる。シングル戦で、中西のパワーでぐいぐい締めあげれば、相手はスリーパーで返すことも出来ず極まってしまうに相違ないのに。
同系列の技にカナディアンバックブリーカーがある。これはアルゼンチンが相手を横にして担ぐのに対し縦にして担ぐやり方で、元祖はあの耳削ぎで有名なユーコン・エリックとも言われる(異説あり)。ブルーノ・サンマルチノが怪力を生かしてフィニッシュホールドにしており、MSGを席巻した。日本ではストロング小林。坂口も使っていた。しっかりと胴を締めないとリバーススープレックスで返される。
ハイジャック・バックブリーカーというのもある。ドン・レオ・ジョナサンの必殺技で、背中合わせで相手を担ぎ、両手首を極めて締める。一瞬準備運動みたいに見えるが、効くはずである。で、これで振り回す。中西もこれをやる。
ゴリースペシャルという技がある。中西も使うが、これはハイジャックバックブリーカーの姿勢から相手の足を自分の足に引っ掛けて固定し締め上げる。ハイジャックバックブリーカーの拷問技版。これなら効きそうだ。中西にはこっちを主流にしてもらいたい。
馬場さんのジャイアント・バックブリーカーと。これは馬場さんならではの技で、相手をコブラクラッチに極めて、自分の膝に相手の背中を当てて背骨にダメージを与えるという拷問技。ジャイアント馬場のあの大きな体でないと出来ない。
ボーアンドアローも痛め技としては捨てがたい。猪木のリバースインディアンデスロックで大見得を切ったあと、すぐさまボーアンドアローへ。流れるような動きがいい。
吊り天井固め(ロメロ・スペシャル)はバックブリーカーに入るのか? 背中に何も当たっていないのでここでは範疇外か。背骨を痛める技はキャメルクラッチもボストンクラブもそうなのでややこしい。
締める(軋ませる)系統のバックブリーカー以外にシュミット流などの「叩きつけ式」バックブリーカーがあるが、同じバックブリーカーにせよ打撃技に近いことから別立てにしたいと思う。バックブリーカーの続編を後に書かせていただきたいと思います。
中西には、とにかくバックブリーカーを大切に扱って欲しい。シングル、中でもタイトルマッチなどの大一番で見せて欲しい。中西は弾丸タックル一発で(スピアーという呼称は嫌いだ)相手をフォール出来るパワーがあるのだから、もっとタックルに磨きをかけて欲しいと心底思う。そしてアルゼンチンはここ一番で。
中西しっかりしろい! カシンも心配してるぞ。
小技さんのブログにまたもやリンクさせていただきます。イラスト参照してみてください。アルゼンチンバックブリーカーはこちら♪
プロレス技の解説って、レスラーの解説とくらべて、以外とすくないですよね。
歴史をひもとくと、当たり前ですけど
すべて最初はオリジナルホールドだったんですよね。ほとんど(ときには完全に)同じ技が違う名前で呼ばれる昨今。技のルーツをたどることはとても意義のあることだと思います。
おっしゃるとおり、同じ技でも違う名称で呼ばれる昨今、ややこしくてついて行けません。^^; フィニッシュはやはり名前だけでも自分だけの呼び名で表現したいと思うのは人情でしょうけどねぇ。
技自体も難しくなって(ストラングルホールドみたいに 笑)本当に困っています(汗)。
とここがユーチューブで(おじさんはよくこれでなつかしのプロレスを見るのです)ロッカ対テーズの試合を見てがっかりしました。ロッカがテーズをバックブリーカーに決めるのですが、これがひどい。テーズが自分から体をぴんと伸ばしどうぞかけてくださいといわんばかりなのです。
かかったあとロープブレークするのですが、もう痛くないもんみたいな顔してるんです。テーズももうちょっとロッカに花を持たせニャ。場所はロッカの本拠地マディソンですからね。
というわけで、本当はあれってたいして効かない技じゃないのかなあ。お互いの協力がなくちゃプロレスはなりたたない。
テーズはロッカなんて嫌いなんだよね。それには深い訳があるのですが…。
考えてみると、アルゼンチンバックブリーカーはどこがどう極まっているのかがわかりにくい。本文中では「背骨を軋ませる」と書いちゃってますが、よっぽど身体の固いレスラー相手ではないと極まらないのではないかという疑問も持ったりします。ただ、迫力はあるんですよね。だから、中西にはもっと大切に使って欲しいし、昨今担いだらすぐにヘラクレスカッターに移行するのは技の価値を貶めているようで残念なんですよ。
カナディアンになると、サンマルチノや坂口が使っていたのを実際に見ていますが、さらに極まり方が分かりにくい。肩に背骨を押し付けているのですが、アゴや脚をぐっと押さえつけて身体をエビに曲げていくアルゼンチンの方がまだ説得力があるようにも思えて。
でも、矛盾したことを書いているようですがその迫力みたいなものは好きなのです。だから、頻発しないほうがいいようにも思えるのですね。
テーズとロッカの因縁についてはよく知りません(汗)。