P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

初めて訪問された方へ

P突堤2へようこそ♪
キーボード解説文を大幅増量してリニューアルしました!
こちらのリンクからコンセプトをご覧ください。

読んでグッとくる推し翻訳者

2024-07-20 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

(画像はまだ読み途中の「翻訳者による海外文学ブックガイド」)

ラテンアメリカ文学をご存じですか?
コロンビア出身のノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表作にしてラテンアメリカ文学の最高峰とも称される長編小説、『百年の孤独』。
マコンドという架空の町を舞台にした、ブエンディア一族の繁栄と衰退を7世代に渡って描いた神話的年代記。
…刊行から半世紀余りを経たこの不朽の名作が、G・マルケス氏没後10年を節目に新潮社から文庫化され、2024年6月26日の発売と同時に重版が決定し、
全国の書店やネット通販などで異例の完売御礼・売り切れ続出の社会現象となり、読書家界隈を席巻しています。

そしてビブリオ界にさらに衝撃が走ります!
翻訳不可能と言われたアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの書いた難解な作品『フィネガンズ・ウエイク』。
全編を通して言葉遊びに満ちている上に様々な国の言語を用いて書かれているなど非常な翻訳上の困難がありましたが見事に克服し、
ついに1993年、早稲田文学訳の参加者の一人であった柳瀬尚紀による全訳が発表に至ったことは特異なエポックとして現代でも語り継がれています。
小説の冒頭は riverrun, と小文字ではじめられるが、終端文章では定冠詞theでピリオドなく途切れる、そして終わりも始まりもなく円環構造でリンクしている特異な構造、
訳文:「川走、イブとアダム礼盃亭を過ぎ、く寝る岸辺から輪ん曲する湾へ、今も度失せぬ巡り路を媚行し、巡り戻るは栄地四囲委蛇たるホウス城とその周円。」
と独自の造語を用いてアクロバティックに翻訳し日本翻訳文化賞受賞した異能の人であります。
柳瀬氏は2016年に亡くなられたのですがこの夏完訳完成30周年記念復刊との触れ込みで、I・II/III・IV セットが美麗ケース函入りで河出書房新社より復刊されます。

近頃・今夏・翻訳文学が熱い!
ということでタブレットで「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」をかたわらで流し見しながらこの記事を書いているのですが
今回のYahooリアルタイム検索を用いた調査のテーマは
「読んでグッとくる推し翻訳者」
です。
昨今ではグローバル化の波もあってか、翻訳・通訳・日本語教師・インバウンドや看板・ゲームのローカライズなどなど翻訳にまつわる話題に事欠きませんね。
私もついこの間、ヘミングウェイの傑作「老人と海」をふとポチってサラァって読んだら話もシンプルだし、登場人物も少なかったので混乱せずに読むことができ、
3~4時間くらいで通読できたので途切れ途切れ感がなくて一気通貫した読書体験ができたのでなかなかの満足感でしたよ。
多忙な人や読みたいんだけど敷居が高くて…という人にはうってつけなのでおすすめしておきます。

さて今回の調査ラインナップは以下の通りです。



翻訳文学ばかりではなくて、通訳の方で著名な方であるとか、翻訳経済書/技術書などでお馴染みの山形浩生さんなど文学以外の著名な翻訳者の方もピックアップしてみました。
若い頃に少しばかり読んだ翻訳文学のよしみで採り上げたものもあります。
独自の基準で10氏の推し翻訳家の方を選出しましたがネット動向やAIチャットで質問したりしながらアウェイジャンルやトレンド的な著名人の方も(よく知らなくて恐縮なのですが)守備範囲に入れてみました。
調査方法はYahooリアルタイム検索に10個のキーワードを登録して同時にスタート、一定期間を経てカウント数をスクリーンショットにおさめて集計するというものです。

気になるリサーチ結果はこちら↓

 

集計結果:
調査期間:2024年7月2日-2024年7月20日(19日間くらい)

1.鼓直        75
2.柳瀬尚紀      12
3.斎藤真理子     129
4.亀山郁夫      29
5.小川高義      5
6.山形浩生      41
7.米原万里      45
8.ないとうふみこ   7
9.金原瑞人      66
10.大森望       118

ちょっと調査期間が短くて取れ高少なめなのですが話題性の捕捉と概観性のある列挙はできているかと思います。
みなさまの探索と検討のお手伝いとしてお役立ちできれば幸甚でございます。
つづいて各翻訳者様の代表作あるいは簡単な解説を添えておきますのでざっと一読してくださいませ。

【各キーワードの解説】原書著者名は割愛

鼓直(つづみただし)▶百年の孤独、夜のみだらな鳥
柳瀬尚紀(やなせなおき)▶フィネガンズ・ウェイク、ユリシーズ(訳未完:第12章までの翻訳)
斎藤真理子(さいとうまりこ)▶別れを告げない、こびとが打ち上げた小さなボール
亀山郁夫(かめやまいくお)▶罪と罰、カラマーゾフの兄弟
小川高義(おがわたかよし)▶老人と海、オリーヴ・キタリッジの生活
山形浩生(やまがたひろお)▶21世紀の資本(守岡桜・森本正史共訳)、CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー(柏木亮二共訳)
米原万里(よねはらまり)▶ガセネッタ&シモネッタ(翻訳家エッセイ)、不実な美女か貞淑な醜女か(翻訳家エッセイ)
ないとうふみこ▶最後の竜殺し、貸出禁止の本をすくえ!
金原瑞人(かねはらみずひと)▶月と六ペンス、バーティミアス(松山美保共訳)、マインクラフト なぞの日記(松浦直美共訳)
大森望(おおもりのぞみ)▶<三体>シリーズ、息吹、(はい、チーズ)ヴォネガット短編集

偶然なんですけれどこちらのリストをこさえる際のきっかけは、文中でも触れた「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」だったのですよ。
なんだか設定が面白くて、ヒロインの アリサ・ミハイロヴナ・九条(愛称アーリャ)が主人公の政近にだけ見せるいつもと違う態度。
だらけてばかりの主人公にイラついたり、ツンツンしているのですが時々アーリャはロシア語でボソッとつぶやいて本心をさらけ出します。
聞き流すだけのように見えた政近は過去の経験からなんとネイティブレベルでロシア語をリスニングできる能力があって
実は何を言われているのか解っているのです。甘々にデレデレのアーリャさんのひとりごとの内容を。
何たる羞恥プレイ!
いやーこれは設定が面白いし、翻訳をテコにした心理ギャップってなかなか面白いところに目を付けたな、
と、思いましてそれなら今度のリアルタイムアプリネタは翻訳に関する話題にしてみようということで
2、3知っていた翻訳者さんの作品を種ネタにしてあと知らないところはネットでちゃちゃっと検索して補完して
にわか作りでネタを膨らませていたところに今回の「百年の孤独」フィーバーの話題も偶然に重なって
何とかカタチになる所までこぎつけたのですよ。
第1話で魅惑的なおみ足を披露してくれたアーリャさんに感謝です!!

ついこの前投稿した記事
[第7弾]正倉院でプレタポルテな悠久の股旅100景
の中でも採り上げた
23.よっぱらっぴ☆/アルバム「ノ―フューチャーバカンス」収録
のお歌も素晴らしくキレキレで才気あふれる声優兼歌手の上坂すみれさんの演技とこれからの活躍にも要注目です!(アーリャ役)

というわけいつものごとく脱線してしまいましたが
本との出会い、世界との出会い、そして善き翻訳者との出会いがこの夏あなたを待っている!
皆さんには思い思いの
「推し翻訳者」さん
はいらっしゃいますか?

ラテンアメリカ文学かぁ~⤴⤴
ブックガイド読み終わったら、一丁読んでみるかな?

 

 




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする