OZLIFE’S DIARY

メルボルンで働く永住者OZLIFEの雑記帳

(および過去記事収納所)

揺れる豪中関係

2005-06-10 | オーストラリアのニュース

中国外交官が豪州に亡命求める (時事通信) - goo ニュース

今、オーストラリア国内で大きなニュースになっている問題です。

何といってもオーストラリアのビジネスは中国ばかりを見ている昨今です。
中国の鉄鉱石や褐炭需要高のおかげでオーストラリアの資源輸出価格が跳ね上がって笑いが止まらない豪州経済界に水をさすようなニュース。(この資源価格の急上昇で日本の製鉄業→製造業→消費者もとばっちりを受けていますね。)
経済重視のハワード政権はかなり困ってるようで玉虫色の発言ばかり繰り返しています。

亡命申請した外交官、陳用林氏はオーストラリア在住の法輪功運動、民主活動家、チベット分離主義者など反体制派の中国人たちを監視する任務に耐えられなくなったということなんですが、彼の証言を裏づけする事実関係がいろいろと浮かび上がってきて現在次々と報道されています。

例えば、最大1000人の中国スパイが豪州で活動しており、中国人を拉致し本国に送還しているとの陳氏の告発。 オーストラリアでスパイ活動を行っていたという公安警察所属の中国人2名が豪州に保護を求めていたことがここに来て次々に明るみにされました。陳氏を加えて既に3人です。

昨晩はこちらのニュース番組で保護を求めた中国人をかくまっているオージー弁護士がテレビ出演して中国国内で行われている法輪功メンバーに対する拷問方法の詳細を含め、保護した人物の証言の真実性を訴えていました。

今朝のFinancial Reviewでは、二年前に米国在住のチベット分離主義者の中国系活動家を招聘してシドニー大学で講演会を開催した内部関係者のインタビューが掲載されていました。

講演会場で中国人学生達が後方からヤジを飛ばして妨害したことがあったそうなのですが、その学生達の一部が講演後に謝りに来て、「中国総領事館の命令でやらざるを得なかった」と告白していたとのこと。

お上に逆らうことができない中国人学生(多分国費留学生?)も数に入れたら多分1000人になるということなのだと思いますが・・・・。

紛争耐えない開発途上国で援助しているアメリカ人のNGOスタッフが米国の諜報機関の手足となるのを無理強いさせられる状況とちょっと似ていますね。

まあ、在外中国人の監視がこれだけ大きな規模で行われているということは、当然日本にもたくさんのスパイが潜伏していることはまず間違いないと見るべきなのでしょう。

日本で天安門事件の抗議デモに一緒に参加した当時留学生だった中国人の友人達は大丈夫かなあ。ちょっと心配になって来ました。

最近の反日運動に見られるように、ああいう形で民衆の不満のガス抜きをしなければいけないほど中国共産党の一国支配体制の脆さが顕在化してきたということなのでしょう。

ということでもっと内部事情を知りたいと思っていたらいいタイミングでとても面白そうな本を見つけたので早速注文。早くアマゾンから届かないかな。

本当の中国を知っていますか? ――農村、エイズ、環境、司法

最近は中国元切り上げになる前に中国元どうやって買えるのかな~とか香港上海銀行に口座作ってみようかなあと安易に考えていた私ですが、私みたいな素人は手を出さないほうが良さそうな感じです。