即興演劇などを体験する演劇ワークショップ「みえる架空とみえない事実」(主催=大阪芸大 学生企画委員会)が、6月20日に大阪芸大「新文化クラブハウスホール」で開催されました。今回は11人の学生が参加し、劇作家の鎌倉慶香さんや俳優の内柴楓さん、俳優でアーティストの聖香さんらが指導を行いました。<大坪千成>
自由に歩き回りランダムにペアを組んで、相手のことを「他己紹介」します。さらに自身のニックネームを用いてゲームを行い、初対面の参加者同士でまずウォーミングアップ。
(写真:ペアを他己紹介する様子。)
その後は定められたお題に沿って即興で演技をする「エチュード」が行われました。
2つに分かれたグループの中で1番ランクが高い人から1番低い人までを振り分け、自身の「ランク」を考えつつお題に沿った役を演じます。
「病院」というお題では、ランクの低い人が「倒れた人」を演じると、ランクの高い人が「医師」を演じて助けるといった即興演劇が行われていました。そしてもう片方のグループはその即興演劇を鑑賞し、ランクの高低を推理します。人によって演じる対象のランクの位置付け方が違うため、その場で起こる演劇の世界に悩む様子が見られました。
(写真:手前、倒れた人に医者を演じる人が駆け寄る様子。)
最後は3つのグループに分かれ、現実に起こった出来事を演じました。演じる筋立てを大まかに決めて本番が始まると、参加者たちは自身の役をアドリブで思い思いに演じていました。
(写真:椅子を回転寿司のカウンターに見立てて食事をする様子。注文を運ぶレーンも人が走り回って表現する。)
「(大阪芸大の学生は)とてもユーモアがある子たちで独創的で魅力的」という講師の鎌倉さん。「演劇は衣食住に比べたら一番生活の中で不要なものかもしれませんが、今もし生きることが辛いとか悩みがある人はもしかしたら演劇が解決してくれるかもしれない。いろんな方に作用する薬のような有用なものです」と話していました。
主催した大阪芸大学生企画委員会の松本龍門さん(舞台芸術学科3年生)は、「やってみたいな、でもやり方がわからないなという、初めての方向けの企画をやってみた感じです。今後演劇に限らずいろんな分野に特化した何かが出来ればなと思います」と話していました。
了