「タイガー&ドラゴン」
が一番面白い。
クドカンは天才だと思う。
彼を知ったのは、「僕の魔法使い」。
伊藤英明と篠原涼子のバカップルで、夫に依存しきっている篠原が人権活動家になってはきはきものをいったとたん魅力を失う、なんていうジェンダー的には全く感心できないエピソードもつい許してしまうような面白さだった。
「マンハッタン・ラブストーリー」
小泉今日子演じるタクシー運転手の過去を再現ドラマ風に猫背椿が演じるという発想や、登場人物の人間関係がアルファベットで連環していくという記号論もどきみたいな展開が非常に新鮮だった。
「タイガー&ドラゴン」も、落語と現実の話が交錯するドラマ展開が、面白い。
落語のネタにストーリーが制約されてしまうのだが、それが却って面白い作品を生んでいるというのは、三島由紀夫みたいに、形式美を追求するタイプなのか、と深読みしてしまう。
堂本正樹氏は、「美は形式にしかない。三島にはそれがあったが、大江健三郎にはなかった。彼がやっと見つけた形式が光くんなんだ」といっていた。
細かいことを言えば、虎児の属するやくざの組が薬にも拳銃にも手を出さない、というのが、ただきれいごとだというだけでなく、明らかに貸金業法違反の取立てはしているのに、そちらの違法性は低い、という考え方がいかにもステレオタイプ、とつい専門家の立場からつっこみたくなるが、それも気にならんほど、面白い。
ところで、岡田准一は「コタツ」という名で高座に出ていたという設定だ。
それで思い出したのは、先日再放送していた「晴れのちカミナリ」という1989年のドラマだ。
これは、先日こぶ平が襲名した正蔵の先代(三平に行かずに、一時別の家に行っていたという)を描いた「正蔵師匠と私」というのが原作のドラマだ。弟弟子の「小辰」(石橋保)の目から描いた、という設定。
渡辺謙演ずる主人公の落語家は、軍隊時代に世話になった上官の未亡人(黒木瞳)を陰になり日向になり助けるが、未亡人は、主人公の真打昇進の妨げになる、と身を引く、という、今時珍しいような人情話で、つい、泣かされた。
が一番面白い。
クドカンは天才だと思う。
彼を知ったのは、「僕の魔法使い」。
伊藤英明と篠原涼子のバカップルで、夫に依存しきっている篠原が人権活動家になってはきはきものをいったとたん魅力を失う、なんていうジェンダー的には全く感心できないエピソードもつい許してしまうような面白さだった。
「マンハッタン・ラブストーリー」
小泉今日子演じるタクシー運転手の過去を再現ドラマ風に猫背椿が演じるという発想や、登場人物の人間関係がアルファベットで連環していくという記号論もどきみたいな展開が非常に新鮮だった。
「タイガー&ドラゴン」も、落語と現実の話が交錯するドラマ展開が、面白い。
落語のネタにストーリーが制約されてしまうのだが、それが却って面白い作品を生んでいるというのは、三島由紀夫みたいに、形式美を追求するタイプなのか、と深読みしてしまう。
堂本正樹氏は、「美は形式にしかない。三島にはそれがあったが、大江健三郎にはなかった。彼がやっと見つけた形式が光くんなんだ」といっていた。
細かいことを言えば、虎児の属するやくざの組が薬にも拳銃にも手を出さない、というのが、ただきれいごとだというだけでなく、明らかに貸金業法違反の取立てはしているのに、そちらの違法性は低い、という考え方がいかにもステレオタイプ、とつい専門家の立場からつっこみたくなるが、それも気にならんほど、面白い。
ところで、岡田准一は「コタツ」という名で高座に出ていたという設定だ。
それで思い出したのは、先日再放送していた「晴れのちカミナリ」という1989年のドラマだ。
これは、先日こぶ平が襲名した正蔵の先代(三平に行かずに、一時別の家に行っていたという)を描いた「正蔵師匠と私」というのが原作のドラマだ。弟弟子の「小辰」(石橋保)の目から描いた、という設定。
渡辺謙演ずる主人公の落語家は、軍隊時代に世話になった上官の未亡人(黒木瞳)を陰になり日向になり助けるが、未亡人は、主人公の真打昇進の妨げになる、と身を引く、という、今時珍しいような人情話で、つい、泣かされた。