夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

北京+10 報告会

2005年06月06日 | profession
国際女性の地位協会が主催する「北京+10」報告会に出席してきた。

北京+10とは、女子差別撤廃条約の署名式が行われた1980年から15年目の1995年に北京で第4回世界女性会議が開催され、「貧困」「女性への暴力」など12の重大関心領域について政府・NGOがとるべき行動を示した「北京行動綱領」が採択されたが、それから10年目の今年3月に、ニューヨークで「婦人の地位委員会」を閣僚級会合に格上げした「北京+10会議」が開催され、その報告会だった。

そこでは、「北京行動綱領」の再確認を採択しようとしていたが、米国が「中絶の権利が含まれないことの再確認」を挿入する修正案を入れようとするという反動的な動きがあった。
しかし、それに対して、EUや、米国から援助打ち切りをちらつかされていた南米さえ猛烈な抵抗を示して、結局米国の目論見を阻止することができたことを知った。

また、分科会では、メリル・ストリープが、「結婚年齢等について差別する日本の民法には問題がある」と発言したとのことだった。

また、この会議中に、日本の国会では山谷えり子議員の性教育やジェンダーについての発言があり、それを肯定するような首相の発言が、上記の北京行動綱領と矛盾するので、これを遵守するよう要望書を出したとの報告もあった。

さらに、女性差別撤廃条約選択議定書で導入された個人通報制度が、ハンガリーやメキシコで適用されているという実例が報告され、日本でも早く採択するよう運動したい、という動きがあった。
個人通報制度というのは、採択したら、implementationはどんな法律でするのだろう、と関心をもった。日本でも早く採択してほしい。

代表は、さつき会でご挨拶させていただいた赤松良子さん、報告者の一人は朝日新聞記者の竹信三恵子さんだったが、銀行員時代に女性の勉強会で知り合ってからずっと年賀状等をやりとりさせていただいているが、久しぶりにお会いした。相変わらず颯爽としていて素敵だった。

それにしても会場になった文京区の男女平等センター、オムツ換えシートは男子トイレになく、女子トイレにあるという状態で、全く幻滅である。オムツは女性が換えるものだとでもいうのだろうか、男女平等を標榜する施設がこんなことでいいのだろうか?


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