夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

読みたい方は

2005年06月18日 | profession

案の定、粘着されたので、削除しました。
大体読むべき人はもう読んでいることと思いますし。

歯が痛いので歯科医院に行ったら、「虫歯等は全くない。ストレスで夜中にひどい歯軋りをして神経過敏になっている」と診断されたが、これを書くことで少しはすっきりしました。

あとは粛々となすべきことを行うだけです。

いっておきますが、既に刑事事件になっているケースがあるので(つまり、今捜査中の事件と同じ犯人かもしれないので、全く新しい案件だったら「この程度では立件できないので照会できない」ようなグレーなことでも、同一犯かどうか調べるために照会してもらいやすい。単独では名誉毀損にも侮辱にも絶対ならないような講義の外観的なことへの批判でも「調べれば身元はわかるんだ」と授業で学生を威嚇した勘違い教員も広い世の中にはいるようだが。)、担当刑事さんに「捜査関係事項照会書」を追加で出してもらうだけですむことですから、さっそくやります。

いくら私が公人でも、私が提起している問題に対する意見でなく、よく調べもしないで私の人格等の提起した問題とは関係ない(提起した問題の是非は、個人的な問題でもないのに提起した人間の年齢や性別でかわってくるのか?)属性を揶揄したり否定したりするようなコメント(それって、子供同士のけんかで「お前の母ちゃんでべそ」って言うのとおんなじだ)が「公益目的」と認定されるはずがありません。それに侮辱罪には公益性の例外はないしね。
一応法律に関係ありそうな人たちなのに、ここまで説明しないとあかんのがまた…。

いい加減頭悪いなーと思うのは、私の人格を否定したら、処分された人たちの名誉が復活するのでしょうか?ちがうでしょ?それもわからないのかな、と残念に思います。

こちらは身元を明らかにしているのだから、いいたいことがあれば直接いえばいい。
身元を明らかにして意見を公開するということに伴うリスクやコストを私はきっちり払っている。
それなのに、相手の身元はさらして、自分は匿名の陰に隠れていいたい放題というのは、少しでも法律に関係ある人間なら卑怯だと思わないのか?
そういう輩には全く同情の余地はないので、法的手続をとるだけ。

訳知り顔に批判するのは自由だが、それほどいいたいことがあれば、こちらに直接言えばいい。普通の掲示板上の論争と違って連絡先はわかるのだから。本当に見識を問うならこちらからの反論もききたいでしょ。じゃなきゃ意味がないでしょ。本人からの反論を許さない批判などありえないでしょ。どんなにえらそうなことを書いても、匿名というだけで、やり方が卑怯なのであり、そんな卑怯な方法をとっているかぎり、便所の落書みたいなものなのだから、相手にする気はない(そんな馬鹿にあおるねたを与えないということはあるが)。こちらは手が汚れるから便所に落書きする気はない。もっともらしいことを書けば書くほど、その意見の表明方法の卑劣さと整合性が取れんことに気づけ、早く。それとも、身元を明かせない理由でもあるのか?

警察に照会してもらったら大学の関係者だった、なんてことがないよう、私も祈りたい。

書いた内容でなく、書いた人間をirrelevantな点で叩く、それによって意見の表明を萎縮させる、こういうメディアこそ、表現の自由に対する大敵だと思う。

しかし、処分されるようなことをやった連中(こいつらこそ、学生のことを一番蔑ろにしている人間じゃないのか)よりも、身内なのにそれをかばわない(じゃあ、調査委員会で偽証しろ、というんかい?!)人間の方を敵視し、それ自体も訴因になるような嫌がらせをするような人間が、法曹教育その他の社会科学の研究・教育が本当にできるのか?
内部告発を疑われ、また、偽証しなかったために人権侵害されている人間の立場にあんたたち、立ったことあるのか?
次は何をされるかと恐怖で眠れない人間の気持ち、わかるのか?

彼奴らの論理は、「いくら悪いことをしても、原稿が出てたかどうかという微妙なことなのだから、身内全員が口裏を合わせれば、証拠不十分くらいにはもっていけたはず、それをしない奴は裏切り者であり、そいつさえ協力すればこんな結果にならなかったのだから、そいつこそが今回の災難の元凶」ということなのだ。物事の是非よりも、身内をかばう、ということを至上命題とする、ということらしい。
でも、この2年全学で停職になった3人の教員が全て自分から退職しているのに、そうしないのは、まさか、自分は口裏を合わせないような人間を採用しちゃったという点で運が悪いだけだからそうする必要はない、と考えているのでではないでしょうね、まさか、行政法の研究者がそんなはずはないよね。

こういう体質が変わらない限り、いくら改善委員会とか形だけ作っても意味がないというのだ。
そしてそういう体質である限り、また学生に迷惑をかける事態になるだろう。

前学部長が前期の期末試験の採点を11月になってもしないとき、私が学長に直訴して直々に注意してもらった結果11月29日に(この日までにと約束させたとのこと)やっと採点結果が出たことだって、4単位分どうなっているかわからないから必要もない授業に就職活動等を犠牲にして保険のために出席している学生が気の毒だったからだ。

部局長に対してこういう行動取るのは、個人的には損にしかならないし、だからいろいろな嫌がらせを受けたり、「あいつ目障りだから何か理由をつけて懲戒しろ。今は理由はないけど人間だからいつかミスするだろうからそこをすかさずやれ」という命令が下されたり、内部告発を疑われたりもしているんだけど、それでも学生のことがどうでもいい教師だというのか?

どうも便所の落書きを見ていていると、そういう連中と同じ思考回路を感じ、ますます許せないと感じる。

森嶋通夫の「智にはたらけば角が立つ」を読んだら、筋の通らないことを筋が通らないと発言しただけで教授会で「懲戒する」と脅されたというエピソードが出てきたので、「どこの大学でも似たようなことがあるんだなあ」と思った。
私も、今は到底発表できないような洗いざらい(件のエントリーはその深刻度においても量においても実態の10%くらいしか書けなかった)を、いつか世に問いたいものだ。(匿名でしか発言できない人には意見を求めるつもりはない)
それを全部読めば私の危機感もわかってもらえるだろうに。

でも森嶋氏のように業績のある立派な学者でないとそういう機会はないか。ならまず業績を積むことだろう。

私の知り合いで、未読の方、ご希望があればメールをください。
とくに、学生や本学の他学部の先生など、歓迎します。
お送りいたします。


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ALB In-House Legal Summit

2005年06月18日 | profession
に、参加してきた。

1. What is the most important aspect of the role of in-house counsel
UBS Securities
MOrgan Stanley
GE Japan
NTT DoCoMo
IBM Japan
の法務部長によるシンポジウム。
とくに、Morgan Stanley のVicki Beyerさんは、法制審議会国際化部会の外国人委員ということで、有用な話が聞けた。

2.Workshop "Japanese FDI into China"
Structuring Vehicles to Conduct Manufakture and REtail

私の研究分野である中国への持ち株会社方式での進出方法についての法律規制や無体財産権の保護の最新情報が得られた。
ところで、このWorkshopを主催したのは、香港の中国大陸ビジネスの草分け的なVivien Chan法律事務所だった。実は、香港に住んでいるとき、仲の良い日本人の友達が、ここでパラリーガルをやりながら香港で弁護士資格を取得することを目指していた。
彼女は香港人の医師と結婚しているのに、それで満足せず、働きながら夜学に行く姿勢がすばらしいと思い、尊敬していた。彼女から、ビビアンさんのことはよくきいていたので、今回初めて会えて感激だった。こういう大事務所のトップが女性でも全然違和感がないのが香港のいいところだ。
また、NO2のRibeiro氏に、「香港大学で、LLMをやっていました」といったら、自身も学部は香港大出身とのこと、よくきくと、私の在学中からDeanで、在学中も、昨年の国際交流委員会の出張の際もお世話になったJohannes CHan教授や、LLMの同級生で香港立法府に勤めるAngel(LLMは夜間開講だったので、学生のほとんどは彼女のような現役の弁護士だった。香港人の勉強熱心さには本当に頭が下がる。同級生がDeanというのはやりにくいけど、と話していた)と同級生だったそうだ。

3.Luncheon Speach
クリントン大統領のホワイトハウス大統領特別顧問だったLanny Davis氏による講演。
エール大のロースクールで、ヒラリー氏の2級上で、3年になるときのregisterの際、すぐ後ろに並んでいたのが彼女だったそうだ。

モニカ事件の際のこととか、いろいろ面白い話が聞けたが、もっとも印象深かったのは、クリントンが民主党の支持者から寄付を集める方法についての危機管理の方法だった。
Davis氏は、ホワイトハウスのリンカーンルーム(奴隷解放宣言に署名した場所)に民主党の支持者を泊めて、その人たちから寄付を募っていたという事実を発見し、それを隠蔽するかわりに、父ブッシュやレーガン時代にも共和党の支持者に同じようなことをしていたというデータを発見して、それらを同時に自分から開示したというのだ。
「隠蔽というのが一番良くない」という言葉を、誰かさんに聞かせたい。

4. Workshop Banking
M&A FInancing; Ssset based financing; Japanese REIT

実務家から見た動産譲渡登記制度についてのコメント等がとても参考になった。
法律が現実の世界でどう使われているかということが、大学教師になってからなかなかわからなくなって危機感をもっていたから。

そして、REIT=不動産投資信託は、投信法上は、信託方式も投資法人方式も両方可能なのに、法人方式しか使われていないそうだ。これも、法律と実務の乖離現象のひとつである。
投資家への課税のことで不明確な点があったのと、法人方式の方がgovenenceのことがわかりやすい、という理由らしいが、信託方式の不動産投資をこれからやっていくのはビジネスチャンスじゃないのか?と思った。

5. Workshop: THe modernization of corporation law in relation to M&A
アンダーソン毛利の弁護士による、M&Aの観点からの新会社法の説明。

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信託法学会

2005年06月18日 | profession
6月11日に東大で開催された信託法学会に出席した。

休み時間にD先生(信託関係の研究会でよくご一緒し、共著で著書も一緒に出させていただいている)が今回のことを聞いてきたので、「私は助教授なんで、潔白ですから。ホント、昇格してなくてよかったです」といっておいた。

読売新聞の見出しに
「論文の虚偽申請で5教授処分」とあるように、今回処分を受けたのは全員教授(助教授から教授に昇格する手続に問題ある者も含めて)であり、助教授である私には無関係であることは客観的に証明できるだろう。

しかし、講演とかよく頼まれるのだけれど、聴衆は疑うかもしれないし、友人・知人も心配しているかもしれない。
読売新聞のコピーを持ち歩くしかないか…。
非常に迷惑な話である。


学会のテーマは「信託法改正の論点」で、現在法制審議会信託法部会資料で検討されている信託法改正案について、それぞれの発表者が報告された。

1.能見善久教授「総論」
信託法改正の基本理念等について

2.神田秀樹教授「商事信託と信託法改正」
信託法と業法の関係等

3.中央三井信託銀行 田中和明氏「信託法改正と信託実務」
改正案の実務上の問題点

4.井上聡弁護士「金融取引実務が信託に期待するもの」
Structured Finance等における信託の倒産隔離機能等について等

5.雨宮孝子教授「信託法の見直しと公益信託」
公益法人制度改革と公益信託等

今回は、学会メンバー以外にも広く呼びかけられていたので、元の職場の同僚にもたくさん久しぶりに再会できてなつかしかった。

信託銀行から都市銀行の法務部に転職した私は、信託に詳しいだろう、ということで、転職したばかりなのに1998年に銀行窓口販売の開始された投資信託で約款作成等法務周りの責任者にしてもらったし、セキュリタイゼーションや信託を使った案件もたくさん担当した。
取引先の債権の流動化のスキームを考えたり、今味の素スタジアムになっている競技場の建設や神保町の再開発等。

午後の質疑応答で二件質問をしたが、ひとつは以下の点。

民事信託と商事信託の関係は、通常の取引における民法対商行為・商法総則の関係に擬せられるべきだ(アメリカの場合は、UCC第2章「動産売買」の中のいくつかの条文が、merchant special ruleといって、商人間だけに適用されるようになっている)が、信託の場合は、それとかなり違う。
というのも、通常の取引を規制する法制は、一般人間の取引が基本にあり、商人間の場合にその特則を設ける、という構造である。
日本の信託法も、基本的には、一般人間で行われる民事信託を念頭に置いている。

しかし、日本における信託取引は、一般人間ではほとんど行われず、専ら信託銀行が当事者になる、商事信託がむしろ基本であり、民事信託は例外という実態があったのだ。

そのような、法と取引実態の齟齬をどう調整してきたかというと、業法(兼営法とそれが準用する信託業法)の中に、私法的条項を設けることによって行ってきたのだ。
通常、業法というものは、所管官庁からの規制など、公法的な条項を規定するものだが、信託業法には、信託取引を規制する私法的な条項を多数含んでいる。そして、それらが、事実上商事信託法の機能を果たしてきたのだ。

しかし、そのやり方には問題がある。
たとえば、信託法40条に規定されている受益者による帳簿閲覧請求権についてだが、投資信託のように、実際に運用するのは運用委託業者等であり、信託銀行は事務手続をするだけのことが多い取引についてまで、これを認めるべきか、が問題となる。

実は、業法も、さらに、投信法や貸付信託法などの特別法があり、投信法等→信託業法→信託法という関係で、特別法から一般法になっているという事実上の法構造がある。

貸付信託法では、この帳簿閲覧請求権の行使方法を限定しているが、そのような条項が投信法になり投資信託では、一般法である信託法が適用されて、帳簿閲覧請求権をもつことになってしまう。

今回信託業法が大改正され、受託者が運用までする運用型と管理しかしない管理型で信託会社の設立方法を分けたが、運用型と管理型では、受託者の義務も違うだろうということで、情報開示義務について、信託業法27条に規定されているが、同施行規則38条で委託業者等が情報開示している場合は、免除されることになっている。

しかし、こういう個別法が存在しない場合は、信託業法上の開示義務を負ってしまうことになる。

忠実義務についても同様である。
投資信託では、事務手続のみを行う信託銀行より、投資委託業者等の忠実義務の方が実質的に重要なので、投信法令、証券業協会規則でそれはそれは細かい規制がされている。
こういう場合、忠実義務は委託業者と信託銀行に分属しているのに、受託者の忠実義務の内容が、受託者自身が運用する、単独で忠実義務を負う場合と、実体法的に義務の内容が全く同じだろうか?

個別の業法で規制されない信託取引もありうるのだから、信託法を、業法で調整するという発想には限界がある。信託法自体に、受託者の義務の類型化(少なくとも運用型と管理型)がある程度必要なのではないか。

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