旅日記:「新疆ウイグル自治区を行く」 ⑩北京最新?事情 前編
★注:「旅程表・新疆ウイグル自治区地図」
北京へは私は七、八年前に最初に訪問してから、今度が四回目の事である。家内は十二年前がFirst visitで五回目の訪問となるようだ。
家内の話も総合すると「中国」とくに「北京」の変容ぶりは激しい。
中国にとって今年は建国五十周年であり、今年の十月一日の国慶節は、随分力を入れている。
しかし中国の建設・土木工事のラッシュは、ここ数年、訪問する度に度肝を抜かれる。
北京市の一番の繁華街である「王府鎮(ワンフウチン)」は、東京で言えば定めし「銀座」と言ったところだろうが、以前の訪問時に途轍もなくでかい工事をしていたので、何を作るのかと尋ねたところ、「ショッピング・センター」とのことだった。今度わざわざ見に行ったら(ツアーとは別行動)、景観が全く異なってしまい、暫し呆然とした次第である。そこが「王府鎮」の当該地点であると認識できるまで少し時間が必要であった。
もうひとつショック! 「ショッピング・センター」の中に入って驚いた。
かつての、中国の薄汚い百貨店とは大違い。そこに展開していた世界は、ナンと!「シャンガン!」(香港 ―― 広東語でホンコン)そのものであった。
そのうち何年も経たないうちに、中国の街は何の変哲もない近代都市になってしまう懸念が切迫している。今、中国の至るところで、やたら近代化のための工事が進められている。これで良いのか!?
ホンの一握りの人びとが、今やっと気がつき警鐘を鳴らして古い町並みや古い文物の保護・保存に立ち上がり始めたところである。
北京の名物「胡同(フートン)」(路地)は、近代化のためにドンドン取り壊され二千前後もあったものが、今や半分くらいまで減ってしまったそうだ。
思えば、中国の建国後五十年は破壊の歴史であった。
五十~六十年代は、北京市を囲む城壁を破壊し、文化大革命時には、古い文物をことごとく破壊し尽くした。これら運動家の活動によって、今やっと、北京市の幹部も気がつき始めたようである。
ユーラシア大陸の東に、へばりつくように点々とある某国の轍は踏まないことを祈るや切なるものがある。 (後編へ)
2005/06/14
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