
旅日記:「新疆ウイグル自治区を行く」 ⑧名物・特産品「シシカバブー」
今度は『シシカバブー』のお咄
『シシカバブー』といえば、ご案内の通り羊の肉を金串に刺して焼いたもので、香料がしっかり利いた食べ物である。
日本では羊の肉を食べる習慣があまり一般的でなく、日常、お目に掛かることが少なく、当然食べる機会も滅多にない。それでも最近は百貨店・スーパーなどで少しは羊の肉を置いているようである。
日本でも札幌他、地域によっては日常に食する習慣が存在するようである。たまには口にすることがあっても臭いが鼻に付き、好きになれない人が多いのではないだろうか。
私もそのような思いがあって、最初当地で口にするときは「オソル恐る」というのが本当のところであった。

最初に食べたのは、ウルムチの第一日目であった。ホテルの夕食後、近くの屋台で味わうことになった。正直いってあまり気が進まなかった。衛生状態は最悪であり、なお且つ暑い。旅も始まったばかりである。ここで体調を崩したらと思ったら、足が重くなるのもご理解いただけると思う。

しかし好奇心が勝った。逆にいうと、克己心が負けた。
ええい! ままよっ、チャレンジ精神だ! 何事も当たって砕けろ! の精神が大切…てんで、「後は野となれ、山となれ」。恐る恐る一口ガブリ…
旨い、美味、結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻の周りはクソだらけ、最高! 後は朧、あとはオボロ~♪ 臭みは全くない―――香辛料で消されていると思ったが、それはトンだ間違い、トンでもハップン、歩いて十分、水道完備ガス見込み…はじめから全く臭いなんかしないのだ。
『シシカバブー』は店によって香辛料の使い方が異なり、それぞれの店が微妙に異なる独自の味を出している。一般的にホテルで出すのは、おとなしくマイルドで、味も比較的上品である。だが、どこかチマチマとしていておとなしく、少々食い足りない気がする。
屋台の方がワイルドで個性的で、断然旨い。
当地のウィグル族をはじめとする少数民族は「イスラム教徒」であるから、豚肉は食べない。牛肉は食べるが、とてもマズイ。中国の牛肉はどこへ行ってもマズイ。肉質が悪いのと、調理方法が貧困なうえ、下手くそである。
旨い肉を上手に調理して食べつけている日本人は、中国の牛は避けた方が賢明である。もっとも漢民族は何でも食べるくせに、「牛」はほとんど食べない。第一買いたくても、そう簡単には手に入らない。売っていないのだ。
新疆では、いま言ったように少しは食べるようであるが、お勧めしかねる。
(中略)
牛もマズイが、魚はもっと不味い。そりゃあそうだろう。大陸の真ん中に旨い魚がいるわけがない。調理法も日本人から見ると最悪。「せめて箸だけでもつけてくれ」と言われ、仕方なく一箸つけるが、とても食えたものじゃない。マズイ!!! これが性懲りもなく毎度出てくるのには閉口した。
中国の他の地方、とくに沿海部では、こんない酷くはない。南の方は海老が旨いし、こんなに不味いということはない。おいしい海鮮料理などもあるくらいだから。
新疆はユーラシア大陸の内奥部であり、仕方ないことだろう。
総じて魚の料理の仕方はどうも日本が二枚も三枚も上のような気がする。そのかわりと言ってはナンダが、羊に関してはウィグルが三枚くらい上手。
実は『シシカバブー』も旨いが、もっと旨いものがある。次回は、その咄。
平成17年5月26日
面白ブログが盛りだくさん「BLOG! TOWON」
今度は『シシカバブー』のお咄

『シシカバブー』といえば、ご案内の通り羊の肉を金串に刺して焼いたもので、香料がしっかり利いた食べ物である。
日本では羊の肉を食べる習慣があまり一般的でなく、日常、お目に掛かることが少なく、当然食べる機会も滅多にない。それでも最近は百貨店・スーパーなどで少しは羊の肉を置いているようである。
日本でも札幌他、地域によっては日常に食する習慣が存在するようである。たまには口にすることがあっても臭いが鼻に付き、好きになれない人が多いのではないだろうか。
私もそのような思いがあって、最初当地で口にするときは「オソル恐る」というのが本当のところであった。

最初に食べたのは、ウルムチの第一日目であった。ホテルの夕食後、近くの屋台で味わうことになった。正直いってあまり気が進まなかった。衛生状態は最悪であり、なお且つ暑い。旅も始まったばかりである。ここで体調を崩したらと思ったら、足が重くなるのもご理解いただけると思う。

しかし好奇心が勝った。逆にいうと、克己心が負けた。
ええい! ままよっ、チャレンジ精神だ! 何事も当たって砕けろ! の精神が大切…てんで、「後は野となれ、山となれ」。恐る恐る一口ガブリ…
旨い、美味、結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻の周りはクソだらけ、最高! 後は朧、あとはオボロ~♪ 臭みは全くない―――香辛料で消されていると思ったが、それはトンだ間違い、トンでもハップン、歩いて十分、水道完備ガス見込み…はじめから全く臭いなんかしないのだ。
『シシカバブー』は店によって香辛料の使い方が異なり、それぞれの店が微妙に異なる独自の味を出している。一般的にホテルで出すのは、おとなしくマイルドで、味も比較的上品である。だが、どこかチマチマとしていておとなしく、少々食い足りない気がする。
屋台の方がワイルドで個性的で、断然旨い。
当地のウィグル族をはじめとする少数民族は「イスラム教徒」であるから、豚肉は食べない。牛肉は食べるが、とてもマズイ。中国の牛肉はどこへ行ってもマズイ。肉質が悪いのと、調理方法が貧困なうえ、下手くそである。
旨い肉を上手に調理して食べつけている日本人は、中国の牛は避けた方が賢明である。もっとも漢民族は何でも食べるくせに、「牛」はほとんど食べない。第一買いたくても、そう簡単には手に入らない。売っていないのだ。
新疆では、いま言ったように少しは食べるようであるが、お勧めしかねる。
(中略)
牛もマズイが、魚はもっと不味い。そりゃあそうだろう。大陸の真ん中に旨い魚がいるわけがない。調理法も日本人から見ると最悪。「せめて箸だけでもつけてくれ」と言われ、仕方なく一箸つけるが、とても食えたものじゃない。マズイ!!! これが性懲りもなく毎度出てくるのには閉口した。
中国の他の地方、とくに沿海部では、こんない酷くはない。南の方は海老が旨いし、こんなに不味いということはない。おいしい海鮮料理などもあるくらいだから。
新疆はユーラシア大陸の内奥部であり、仕方ないことだろう。
総じて魚の料理の仕方はどうも日本が二枚も三枚も上のような気がする。そのかわりと言ってはナンダが、羊に関してはウィグルが三枚くらい上手。
実は『シシカバブー』も旨いが、もっと旨いものがある。次回は、その咄。
平成17年5月26日
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