旅日記:「新疆ウイグル自治区を行く」 ⑪北京最新?事情 後編
★注:「旅程表・新疆ウイグル自治区地図」
話は脱線するが……
久しぶりに北京を訪れ、ビックリしたことがもうひとつある。
佐川急便の宅配便トラックが日本と全く同じデザインで「佐川急便」と大書して街中を走り回っていたことである。驚くやら感心するやらしていたら、中国人のガイド・胡 衛新(フウ ウェイシン ―― 以前登場。「割礼」の項で再登場予定。乞うご期待)が言うには、「中国人は、あのトラックを見て最初驚きもし、感心しましたヨ。とうとう日本人はトイレまで移動式にして、新商売を考えついたんだあ! 日本人はエライ!!ってね。」
彼の説明によると、中国人は「便」という文字からは「トイレ」しか連想しないそうである。
「……急便」・・・・「急」ねえ。私はひとり笑いをかみ殺していた。
先刻の香港まがいのショッピング・センターで、買い物中の家内をひとりで待っていたら、中国人の若い男が寄ってきて「タイワンレン?(台湾人)」って言いやがんの。それも一人や二人じゃないんだ。
この旅行中、カシュガルで田舎から出てきた婆さんに中国語でペラペラまくし立てられたのにも参ったけれども。手を振って「リューベンレン(日本人)」と何度釈明しても勘弁してくれなかったことを思い出した。
ガイドに聴いてみると、この婆さんは俺を台湾人と信じ込み、台湾にいる自分の弟に手紙を出してくれと俺に頼んでいるんだそうだ。
婆さんは文盲だそうである。こんなところにも、国家分裂の悲劇を見ることができる。なんだか婆さんが急に可哀相になった。
――― そういえば、韓国ソウルのヨイドで、韓国人の田舎の婆さんから「ペチャクチャ」やられて、懸命に「イルボン! イルボン!」と手を振ったこともあったっけ。 ―――
中国人ガイドは、そんな俺をただゲラゲラ笑って見ていやがって!
俺は香港人には絶対間違えられないそうである。バッチリ、タイワンレンだそうである。やかましいやい!?
ひとつ、弁明・釈明をさせてくれ。新疆のトルファンで会った若くて美人のご婦人から「日本人ですか?」と綺麗な日本語で問いかけられたことがある。この美人は台湾・台北の人である。
どうです?! 台湾の人が見れば、「台湾の人」には見えないのだ。見る人が見れば判るのだ…
―――― 閑話休題 ――――
話を本筋に戻そう。
中国人も開放政策による社会主義市場経済のおかげで、経済力をつけ余裕を持ち始めるとともに、自信をつけつつある。その反面、中国共産党の絶対性が薄れ、人びとは精神的な支えを失った。今中国の人びとは、精神的な支柱を求めている。
法輪功騒動もその文脈の中で捉えることができる。
なにはともあれ、この国の文化が大事に扱われることを切望したい。
2005/06/14
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