ド・素人ゴルフ@大阪

100叩きのマン振ラー。その片手シングルへの軌跡

ゴルフ会員権の時効

2010年08月12日 12時23分06秒 | ゴルフと法律
「もう時効だから言っちゃうけどね」

たまに飲み屋で聞かれる言葉だ。

「○○事件の時効が成立しました」

最近,凶悪事件には時効がなくなった。

時効というのは権利とか犯罪とかが何にも動かずに一定期間が経つとなかったことになるというシステムだ。ちょっと違うような気もするが,まあ,そういうことにしよう。

ゴルフ会員権は施設を利用をする権利であると一般的に考えられている。では,メンバーさんがそのゴルフ場に一定期間行かなかったら,時効でゴルフ会員権はなくなってしまうのか。

この答えが最判平成7年9月5日(民集49巻8号2733頁)である。判決本体はややこしい表現なので,私なりに簡略化してみたい。

ゴルフ場に何十年と行かなくてもゴルフ会員権が時効になって,なくなってしまうということはない。

しかし,ゴルフ場が会員を除名などで資格停止にすれば,その後の一定期間の経過でプレー権が時効で消滅して,一緒に会員権も時効で消滅する。

ゴルフ場は個々のメンバーに対してプレーをさせる義務があって,日々個々のメンバーのために施設を管理している。つまり,毎日毎日,個々のメンバーが来ようが来るまいが,プレーさせる準備を個々のメンバーに対して行っている。

このような場合は権利が何にも動かない状態ではない。メンバーはゴルフ場から毎日毎日プレーする環境を提供されていて,それをメンバー側の都合で受けていないだけだ。

しかし,資格停止になれば,ゴルフ場はそのメンバーに対してはプレー環境の提供を行わない。仕事はやっているが,当該そのメンバーには環境提供をしない。この部分が若干テクニカルであるが,そういう風に理解する。

そして,そのメンバーはプレーしない。そうすると権利が何も動かない状態になって,いつか時効になる。

少し小難しい話になるが,本判決は以上のように考える根拠は民法291条の継続的地役権の消滅時効と同様に考えている。そうすると,メンバー側が年会費を納入しているか否かという点については考慮されないと思われる。


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