ド・素人ゴルフ@大阪

100叩きのマン振ラー。その片手シングルへの軌跡

ロストボールと窃盗罪

2010年04月20日 20時26分05秒 | ゴルフと法律
ゴルフ場のOBゾーンや深いラフに落ちているロストボール。

ラッキーと思ってパクったら犯罪である。

最判昭和62年4月10日(刑集41・3・221)である。

「被告人らが本件各ゴルフ場内にある人工池の底から領得したゴルフボールは、いずれも、ゴルフアーが誤つて同所に打ち込み放置したいわゆるロストボールであるが、ゴルフ場側においては、早晩その回収、再利用を予定していたというのである。右事実関係のもとにおいては、本件ゴルフボールは、無主物先占によるか権利の承継的な取得によるかは別として、いずれにせよゴルフ場側の所有に帰していたのであつて無主物ではなく、かつ、ゴルフ場の管理者においてこれを占有していたものというべきであるから、これが窃盗罪の客体になるとした原判断は、正当である。」

第一審及び控訴審はロストボールになった時点で,無主物先占としてゴルフ場のものになるとしている。無主物先占(むしゅぶつせんせん)というのは,所有権がないものは一番最初に取った人のもの,というやつで,代表例は釣った魚である。

しかし,最高裁は無主物先占であるとはしていない。権利の承継取得ともしていない。その部分について判断していない。

単に,ロストボールを回収する予定のゴルフ場のロストをパクったら窃盗,としているに過ぎない。

つまり,土曜に私が私の名前入りのボールを打って,ロストしたけど,日曜に偶然見つけたので回収した場合,窃盗罪となる。少なくとも構成要件には該当するということになろう。

いかにもおかしい結論だ。私のボールだろ。

やはりロストボールを実際にゴルフ場が回収するまでは,打ち込んだ人に所有権があり,落ちているロストをパクったら窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪が成立すると考える方が素直じゃないでしょうか。

と思ったけど,これだとゴルフ場が回収する時にも占有離脱物横領になるのか。

ロストになった瞬間に何らかの方法論でゴルフ場のものにならないと色々困ったことになるわけですね。

難しい問題だ。


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