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コロナ禍で住まいを失う人が増え続けている。「公的な住宅支援が必要」相談現場から悲痛な訴

2020-12-10 16:20:01 | Weblog

          コロナ禍で住まいを失う人が増え続けている。

         「公的な住宅支援が必要」相談現場から悲痛な訴  

コロナ禍で住まいを失う人が増え続けている。「公的な住宅支援が必要」相談現場から悲痛な訴え
https://bigissue-online.jp/archives/1078260195.html

新型コロナウイルスの猛威が続き、11月に入って全国的に第三波が到来。解雇や休業要請など、深刻な経済被害を受け、住まいを失う
人が増え続けている。にもかかわらず、生活困窮者の住宅問題を支えている住民確保給付金の支給期間は最大9か月となっており、4月
に申請した人はその期間がまもなく終了してしまう。2020年11月19日、危機感を強めた団体らが参議院議員会館に集い、『コロナ禍に
おいて住宅問題はどう進行しているか』という集会を開催した。

【開催団体】
国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)
日本住宅会議・関東会議
住まいの貧困に取り組むネットワーク(住まいの貧困ネット)※
※NPO法人ビッグイシュー基金の共同代表、稲葉剛が世話人を務める。

コロナ禍の住宅問題とは

冒頭のあいさつは、国民の住まいを守る全国連絡会、代表幹事の坂庭国晴さんから。集会に先立ち「住居確保給付金の支給期間9か月
の延長」をはじめとした同制度の抜本改善と拡充を求める緊急要請書が、2,500名もの電子署名とともに厚生労働省と国土交通省の担
当者に手渡されたことが報告された。
住民確保給付金とは、新型コロナウイルス感染拡大で生活が困窮している人に対して、市区町村ごとに定める額を上限に実際の家賃額
を原則3か月、延長は2回までで最大9か月間、支給する制度だが、4月から申請をしていた人は、この12月で支給期間が終了してしま
う。
感染拡大が続く今、住民確保給付金の必要性が益々高まっていくことが予想されるため、支給期間の延長は緊急の課題。さらに現行の
制度にもさまざまな問題点があることが共有された。
まず給付金額の上限が53,700円(単身世帯の場合)となっているが、東京区部でこの家賃で住める賃貸住宅はほとんどない。家賃に見
合った支給額にしていくことが必要だ。
また、支給には収入、資産、求職と3つの条件が定められており、公営住宅入居層以下まで収入が減少し、預貯金が50.4万円以下、さ
らに熱心に求職活動をしていることが主な要件。 さらに延長の都度、書類を出さなければならないなど手続きも煩雑で、これが支給
の高いハードルになっている。
コロナ禍での住まいをめぐる課題は、住民確保給付金に関するものだけではない。
「生活困窮者の方も大変な状況が続いていると思いますが、支援を担う現場も困難を抱えています。今年6月に調査したところ、相談
件数が増え、現場崩壊が起きているとのことでしたが、それが現在も続いている。私たちは今回提出した要望書と同様の内容を9月25
日にも提出しており、そのときにも要望した公営住宅、セーフティネット住宅への転居の支援が、今日確認したところ17万5000戸とい
う目標数字に対して、5万戸程度とまだまだ不十分。また低所得者の方を受け入れることで国と地方公共団体がオーナーに対して月額4
万円を支払う『家賃低廉化補助制度』を実施しているのは、令和2年8月の調査によると全国で35団体、全体の2%しか実施をしていな
いことが判明しています」
住民確保給付金の延長については、与野党問わず要望があり、検討中であると厚生労働省担当者から回答を得ることができたが、抜本
改善と拡充については引き続き課題だ。
住居確保給付金の支給期間延長を求めたネット賛同者の方のコメントを1つ引用して、坂庭さんはコメントを締めくくった。
「『心が折れそうになりながら、必死に踏ん張っている方々が大勢おられます。政府が延長の意思を示すことが、大きな希望につなが
ります。更にこの制度を期間の定めのない恒久的な制度にしていきましょう!』ということです。実現のため、我々も力をあわせてい
きましょう」

まるで収容所…無料低額宿泊所の問題点

次に労働問題などを数多く取材しているジャーナリストの藤田和恵さんから、住まいの貧困に関する講演が行われた。コロナ禍の支援
現場の取材のため、支援団体の活動に自らも参加している藤田さんは、コロナ禍の傾向についてこのように語る。
「お金や仕事を失っただけでなく、住まいを失った状態でSOSを出してくる人が多いのが現状です。連絡を受けて待ち合わせ場所に行
くと、リュックやショッピングバッグなどバッグひとつでやってくる人も。160cmで35キロになってしまった男性、経済的な理由から
降圧剤が飲めず、上の血圧が半月くらい170のままの男性など、苦しい状況の方々にたくさん会ってきました。」
寒さが厳しくなる季節を前に、雨露が防げる住宅とは、大げさではなく命を守るために必要な場所。今の日本ではその命を守る場所を
いとも簡単に失ってしまっている人がたくさんいると、藤田さんは言葉を強めた。
藤田さんと共に活動している団体では、このような生活が困窮している方に対して、ご自身の意思を尊重しつつ、生活保護を勧めてい
る。しかし住居を有していない場合は生活保護を申請できないという見解を示す自治体が多く(※実際には申請可能であり、住所がな
いことを理由に拒否するのは違法)、そのときに提案されるのが、無料低額宿泊所(無低)という施設に入居することだ。無低とは社
会福祉法に基づく入居施設で、無料もしくは低額で利用することができ、入居者の約9割が生活保護利用者となっている。しかしこの
無低のなかには劣悪な環境の施設もあり、さらに利用料として生活保護費を搾取する「貧困ビジネス」の温床になっていることもしば
しばあると藤田さんは指摘する。
「すべての無低とは言いませんが、薄いベニヤ板で仕切られただけの個室、粗末な食事、害虫が発生する不衛生な空間、コロナ禍でも
三密を避けられない大人数部屋なども多くあります。さらに外出先の行き先申告や、早朝のラジオ体操、近隣公園の清掃などの行動制
限も。無低に入れられるくらいなら、路上でも仕方がないという方も何人かいたほどです」
自治体によっては、生活保護を申請する際に、半ば強制的に施設に入ることを勧めるなど、まるで生活保護を受ける条件として施設入
居が当たり前のような対応をしている自治体もある。結果、生活保護申請をあきらめて帰ってしまう人も多いという。
生活保護には居宅保護の原則があり、アパートなどの居宅で保護をすることが基本。にもかかわらず、施設への入居を条件とすること
が1990年くらいから常態化している。そんな運用を是としている自治体の責任を問うべき、と藤田さんは指摘した。
一方で、支援者が同行した場合のみ、一時宿泊所として、安いビジネスホテルを紹介してくれる自治体もあるという。「本来は無低へ
の入居になりますが、そちらで安い宿泊先を探してくれるならいいですよ」と丸投げされることもあるそうで、そのときは1泊1800円
までの安い宿を当事者と支援者で探すという。
「先ほどお話した、血圧が170の状態が半年続いている当事者に対しても、自分で宿泊先を探すならいいですよ、と突き放され、『今
夜も寝る場所がないと思うと、死にたい』ともらしていた。どうして当事者がここまで不安にさせられて、住まい探しをしなければな
らないのか。これを自助、共助などと言われるのは違和感があります」と藤田さん。
藤田さんは今後への提言として、まずは実態把握が必要だと話す。具体的な管理運営、不適切で脱法的な実態がないかを調べるべき、
と。また東京都が年末年始に向け住まいを失った人にビジネスホテルを用意すると発表したことは、当面の措置としては有効で歓迎す
るとした一方で、今回限りの処置だけではなく、根本的、恒久的な解決のために家賃補助制度、低家賃で入れる公的住宅を整える必要
があると話した。
「住まいを失ったときくらいは、国や自治体が助けるべきというのがおかしいのか、無低か路上かの二択しかないのがおかしいか、こ
の機に真剣に考えるべきタイミングだと思う」と藤田さんは講演を締めくくった。

住まいという基本的人権を外国籍の人々にも

次に登壇したのは、上智大学教授で、移住者と連帯する全国ネットワーク運営委員、反貧困ネットワークの世話人を務める稲葉奈々子
さん。「外国籍の人々の居住問題」に関する特別発言が行われた。
冒頭、反貧困ネットワークが中心となって作られた、新型コロナ災害緊急アクションの「緊急ささえあい基金」に1億円近く、そして
移住者と連帯する全国ネットワークでも5,000万円の支援金が集まったとの報告が。
「こんなに金額が集まったのは、市民レベルでこの状況をまずいと感じているから。しかしこのリアリティが政府には伝わっていない
のではないでしょうか。私はとくに外国人の方の権利を保障してほしいと政府と交渉する機会がありますが、『制度としては保障され
ている』という回答です」
制度は保障されていると本当に言えるのだろうか。稲葉さんからは外国籍の人々を取り巻く困難が共有された。
とりわけ深刻なのが、在留資格がないままに、三密を避けるために入管収容所から一時解放された仮放免の方々。その方達は就労が許
可されていないので、生活の支援を稲葉さんの団体でもしているが、家賃未払いで立ち退きをせまられる状況が増えているという。ま
た在留資格があったとしても、外国籍の人々にとってセーフティネットはうまく機能していないことを稲葉さんは指摘する。
「住宅セーフティネット法では、公的住宅の入居対象者には外国籍の方も含まれていますし、公営住宅法が定める低所得者にも100%
あてはまる方が、入居の段階で国交省が示していない条件を突然出してきて、入居を断られるというパターンがよくあります。こうい
う方たちが民間の賃貸住宅を追い出されないように、緊急アクションで支えていますが、これが限界に近くなってきています。このま
までは外国籍の方が家族でホームレスになってしまう例が、数か月以内に出てくるでしょう。コロナが引き起こした生活困窮は、国籍
や在留資格によって明らかに異なっているのです」
今後、どのような対策が取られていけばいいか。稲葉さんはリーマンショックを振り返り、こう話した。
「リーマンショックのときの反貧困支援では、求職者支援や住宅手当など第二のセーフティネットが作られました。同時に第一のセー
フティネットである生活保護は、運動団体の声によって、それまで受給できなかった若年の失業者にも受給できるようになったので
す。コロナ禍ではこれを外国人にも広げていきたい。医療や教育と同じように住まいを基本的人権として、外国人を含むすべての人に
保障される取り組みをしていきたいのです」
市民社会の論理を封じて、国家の論理に変えている流れが今できつつあり、大変な状況が続いているが、ここに集まった人を見てもら
えれば分かる通り、市民社会の倫理に耳をかたむけて、制度を変えようと動いている人がたくさんいます。まだまだ日本も大丈夫だと
思う、と集まった団体の連帯を確かめる温かい言葉で、稲葉さんは特別発言を締めくくった。

各界からの課題共有と提言

会の最後には、参加した各団体からリレートークが行われ、それぞれの課題、提言を共有した。
住まいの貧困に取り組むネットワークの世話人であり、ビッグイシュー基金の共同代表である稲葉剛からは、10月以降、各団体が行っ
ている路上生活者向けの炊き出しに集まっている人が増えているという報告が。
「池袋のTENOHASIの炊き出しには、通常180人ほどのところが、270人と1.5倍に増えており、集まった人には若い世代も多い。他の地
域も同様です。我々も、全国の40団体とともに『新型コロナ災害緊急アクション』に参加しており、緊急アクションには連日届くSOS
のメールに対応をしています。その多くがすでに住まいを失い、路上、ネットカフェでのホームレス生活をしている方たちで、なかに
は所持金が数百円という方も。住民確保給付金などの拡充が行われなければ、12月以降、路頭に迷う人が増えることは必至です」
また先日、東京都が発表した、年末年始ホテル1000室の宿泊支援を歓迎しつつも、4月の二の舞にならないようにお願いしたいと、稲
葉さんは話す。4月に行われた宿泊支援では都内に6か月以上いる人しか受け付けないなどの選別が起きるなど、窓口に行っても使えな
い人も続出したというのだ。また緊急宿泊支援も大切だが、それだけでなく安定したハウジングファースト型の支援を取り組んでいき
たい、と稲葉は言う。
「2009年3月リーマンショックのとき、住まいの貧困ネットが立ち上がった。今が正念場。今こそ住まいは基本的人権であるというこ
とを実現すべく、具体的にひとつひとつ政策を進めていきたい」

**その他の情報提供・提言サマリ**

東京借地借家人組合連合会の細谷紫朗会長からは、家賃が払えなくなると、住居を損失してしまう住宅政策を変えなければならいない
という提言が。セーフティネット法で、保証会社の保険で家賃を滞納した部分を70%保証することになっているが、ほとんど機能して
いないとのこと。また、家賃補助制度創設等を求める請願書の署名も募っていることが共有された。
家賃補助創設等を求める請願署名/東借連 (zensyakuren.jp)
http://www.zensyakuren.jp/tosyakuren/minkan/minkan.html
東京都公営住宅協議会、小山謙一会長からは、都営住宅は親が亡くなったら家族が出ていかなればならず、高齢者の単身世帯が増えて
いて、孤独死と隣り合わせである状況が共有された。住宅のセーフティネットになるためには、都営住宅の制度を変えていく必要があ
るとの提言。
また神奈川公団住宅自治会協議会、和久晴雄理事からは、神奈川の公団の住民の実態把握の3年ごとのアンケート結果が共有され、生
活困窮者が増えている実態が報告された。
東京公社住宅自治会協議会、奥脇茂事務局長からは、生活困窮が増えているなかで3か月家賃滞納したら退去する制度の見直しへの提
言と、コロナ禍での減額制度が作られたが、申込みは44戸のみとの報告。高齢の世帯が多いので、コロナ禍以外でも家賃減額制度が必
要との提案がなされた。
都市機構労働組合、竹内清前書記長からは住宅ローンのボーナス払いができない人が増えていると報告があり、年功序列型賃金の破綻
している今、住宅ローンの期間延長、ボーナス併用払いの廃止、または縮小と、親身な返済計画をすべきとの提言があった。
東京都庁職員労働組合住宅支部、北村勝義元支部長から、感染者拡大のなか、年末にかけて倒産が増えてくることが予想されるので、
2回目の持続化給付金、住宅供給政策に踏み込むべきなど対策への提言。
NPO建築ネットワークセンター、長谷川博道理事からは6月に家賃減額、公共住宅の建設を求め声明を発表していること、10月には車上
生活者の実態の勉強会実施が報告された。
中小建設業制度改善協議会、星野輝夫会長からは、建設業についての共有が。仕事がなくなったり、現場でコロナが発生し、そのしわ
寄せが中小企業にきているとの報告があった。
反貧困ネットワークの事務局長、瀬戸大作さんからは、コロナ禍で仕事がなく、ひっ迫した状況が各地で起こっており、さらに外国人
に対して追い出しも起きているという事態の共有がされた。

**

11月末、こうした活動と各方面からの要請に応え、「支給期間の延長」の方針が決定となった。
「住居確保給付金の支給期間の延長について」(談話)
http://housingpoor.blog53.fc2.com/blog-entry-333.html
各団体の声明と連帯に心強さを感じつつも、住まいという最低限の人権が実現する社会であるよう、政府に任せきりにするのではな
く、声を上げていかなければならない。

新型コロナウイルス:緊急ささえあい基金

反貧困ネットワークでは「新型コロナウイルス災害:緊急連帯基金」を発足させ、各支援団体が取り組む緊急経済支援や一時居住支援
に役立ててもらうよう支援する事とします。
https://corona-kinkyu-action.com/sasaeai/

(Text:上野郁美)

監視カメラに鉄格子、所持金は取り上げられ… 引きこもり支援の「引き出し屋」を集団提訴

2020-10-31 15:36:56 | Weblog

       監視カメラに鉄格子、所持金は取り上げられ… 

        引きこもり支援の「引き出し屋」を集団提訴 

監視カメラに鉄格子、所持金は取り上げられ… 引きこもり支援の「引き出し屋」を集団提訴
https://www.tokyo-np.co.jp/article/64916

 ひきこもりの自立支援をうたう業者に自宅から無理やり連れ出されて施設に監禁されたとして、関東地方の20?40代の元入所者
7人が28日、運営法人と代表者らに計2800万円の損害賠償を求める訴えを横浜地裁に起こした。こうした業者は「引き出し屋」
と呼ばれ、各地で訴訟が相次いでいるが、弁護団によると、集団提訴は初めてという。

◆「おまえに拒否権はない」無理やり施設へ

 施設は、一般社団法人「若者教育支援センター」(東京都港区)が運営するワンステップスクール湘南校(神奈川県中井町)。共同
生活しながら、資格取得の学習やボランティア活動をし、自立を支援しているという。法人代表理事の広岡政幸氏は、大人のひきこも
りについての著書もある。 訴状によると、7人は2017?19年、突然自宅を訪れたスタッフに「おまえに拒否権はない」などと言われ、無理やり施設へ連
れて行かれ、約1カ月?約2年2カ月間入所させられた。建物には監視カメラ、一部の部屋の窓には鉄格子が設置。携帯電話や所持金
を取り上げられ「逃げ出すのは困難だった」と主張している。 原告代理人弁護士は提訴後の記者会見で「多数の被害相談を受けている。救済につなげていければ」と話した。

◆施設側は全面的に争う姿勢

 広岡氏は「本人の同意なく同行してもらうことはありませんので、全面的に争う予定です」とのコメントを発表した。
 引き出し屋を巡っては、東京地裁が昨年12月、別の業者に対し、無理やり連れ出したことなどを認め、元入所者の女性と母親に約
500万円の賠償を命じる判決を言い渡している。

◆元入所者「今も連れて行かれる夢を見る」

 「人生で一番の恐怖」「自由がなかった」。ワンステップスクール湘南校の運営法人などを28日に提訴した原告のうち2人が横浜
市内で記者会見を開き、連れ出された時の恐怖や今も続く苦しみを明かした。 精神科を受診していた30代男性は2018年3月、自宅に突然現れた施設スタッフに連れ出された。スタッフはかかりつけの精神
科医の指示があるように装い、着替えや入浴する間も与えなかったという。 男性は施設を逃げ出し、現在は就職活動中だが「恐怖が植え付けられ、今でも連れて行かれる夢を見る。働けないくらい精神を傷つ
けられた」と話す。「実態を司法で明らかにして、被害がなくなるよう、ひきこもりの支援ができる国を目指してほしい」と訴えた。 西日本から連れ出されたという20代男性は「遠隔地から連れ出されると、逃げ出すことも困難」と話す。入所直後は窓を開けるこ
とすらできない部屋に入れられたといい、「何が食べたいとか、どこへ行きたいとか、普通の人が持てる自由がなく苦しかった」と明
かした。(米田怜央)

コロナ困窮の若い世代支援 住居提供事業を開始

2020-09-28 12:08:25 | Weblog
                コロナ困窮の若い世代支援                                              住居提供事業を開始  コロナ困窮の若い世代支援 住居提供事業を開始
https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/200928/20200928026.html

 新型コロナウイルスの感染拡大で仕事と住まいを失った若い世代を支援しようと、NPO法人「釜ケ崎支援機構」(大阪市西成区)
は住居提供とともに社会とのつながりを回復していく「総合的居住支援」に取り組んでいる。実施期間は9月から来年3月までで、
ホームレス状態から生活を立て直す選択肢を増やすことが狙いだ。 具体的には、4カ月間の家賃補助・家財購入支援▽4カ月間の常用雇用定着支援(大阪府事業)▽交通費・食費などの支援?などを
実施。緊急宿泊や食事支援など、仕事と住まいを失った人の実情を踏まえて対応する、伴走型支援にも力を入れている。 若い世代への居住支援のポイントとして「ネットカフェにはギリギリ耐えられるが、大部屋や相部屋には耐えられない」という傾向
に配慮し、プライバシーが守られた環境を用意するため、個室をリストアップするとともに、クラウドファンディングで710万円の
資金を確保した。 社会的課題解決に取り組む非営利団体を支援する「村上財団」から333万円の寄付を受け、約1千万円の資金で20人の支援を目
指す。相談者1人への支援額の例としては、4カ月分の家賃18万円、敷金礼金など20万円、家具家電など7万円、食費・消耗品3
万円、就活支援や各種保護申請同伴など10万円という内訳になる。 同事業は、大阪府から社会的課題解決を図るモデル事業に選ばれており、大阪府、村上財団と28日、連携協定を締結する。 また、同法人は3月以降の新型コロナ感染拡大を受け、大阪府内の22支援団体と共同で、夜回りや相談会で宿泊や就業の支援につ
なげる「新型コロナ・住まいとくらし緊急サポートプロジェクトOSAKA」を継続している。 同法人の松本裕文事務局長は「もともと仕事や住まいが不安定な状態の人たちに経済危機の影響が深刻な形で現れる。ホームレス状
態から活用できる生活立て直しの選択肢を増やすことが、行政や支援団体の課題ではないか」と話す。

家賃保証サービス業者では初の新型コロナウイルス関連倒産 家賃滞納が増え、保証履行が増加

2020-07-19 12:57:20 | Weblog

        家賃保証サービス業者では初の新型コロナウイルス関連倒産 

            家賃滞納が増え、保証履行が増加 

家賃保証サービス業者では初の新型コロナウイルス関連倒産 家賃滞納が増え、保証履行が増加
https://news.yahoo.co.jp/articles/d1ee71c09f6186fb0aa9457b5c29f175f695dc6f

 (株)ジャパンレントアシストコーポレーション(TDB企業コード:876016909、資本金6000万円、大阪府大阪市中央区今橋2?2?11、
代表玉置克弘氏)は、7月15日に実質的な事業を停止し、事後処理を今井力弁護士(大阪府大阪市北区西天満2?8?1大江ビル4階、長
野総合法律事務所、電話06-6363-3705)ほかに一任した。 当社は、2015年(平成27年)10月に設立した賃貸住宅における家賃保証サービスや同回収代行事業を手掛ける家賃保証サービス業者。高齢者や年金生活者、生活保護受給者、外国人を含めた賃貸住宅への入居者について、賃貸契約時に必要となる連帯保証人を当社が引き受け、不動産オーナーへの賃料保証と入居者からの賃料回収代行、付帯する形で退去交渉、原状回復工事なども行っていた。関西を中心に、2016年には東京に営業所を開設して営業エリアを広げ、設立は浅いながら大手不動産業者と代理店契約を締結することで
契約件数を伸長。1万件以上の物件契約を確保していた2019年3月期には年収入高約4億3100万円を計上していた。その後も、首都圏な
ど営業エリアの拡大による新規取引の獲得を進めるとともに、事業用物件の家賃保証契約を伸長させていた。 しかし、代理店手数料やシステム投資などによる経費負担が重く、収益面は低調だったことに加え、今年に入り新型コロナウイルス
の感染拡大に伴い入居者からの家賃滞納が多数発生。さらに外出自粛や緊急事態宣言の影響で、事業用物件でも家賃の減額要請や回収
の遅れが発生したことに伴う保証履行請求が増加し、資金繰りは急速に悪化していた。この間、経費削減などでしのいでいたものの資
金繰りは改善せず、ここへ来て今回の事態となった。 負債は2019年3月期末時点で約4億6100万円だが今後変動する可能性がある。

コロナ不況最前線 アパート家賃滞納「じわり」発生

2020-06-23 06:52:59 | Weblog

                 コロナ不況最前線  

             アパート家賃滞納「じわり」発生  

コロナ不況最前線 アパート家賃滞納「じわり」発生
https://www.zenchin.com/news/post-5178.php

 コロナ不況の波が、賃貸住宅の「家賃支払い」の領域にも押し寄せてきている。入居者の収入減が響き、5月下旬に振り込まれる家
賃回収状況が「4月よりも悪化」と答える賃貸管理会社が一定数あった。滞納率は大半が「ほぼ横ばい」「微増」にとどまることか
ら、管理会社の経営的ダメージはさして大きくない。だが、滞納問題の解消は重要課題であり、その特効薬は簡単に見つからない。各
社の状況を1?3面にわたりリポートする。

「事前相談少ない」

 「今まで滞納したことのなかった世帯が、少しずつ滞納し始めている」
 こう語るのは、石川県の地場大手管理会社、アーバンホーム(石川県金沢市)の家賃精算部門で働く梶純係長だ。賃貸住宅の管理戸数
は1万8000戸ほど。5月回収分の家賃滞納件数は98件。4月分の68件から30件増えた。そのうち3件が飲食店や理容室などの店舗テナン
ト。残り大部分の27件が居住用世帯の滞納だ。
 支払い督促を担当する梶係長は「新たに増えた27件のうち、事前に滞納の連絡をしてくれた世帯はほとんどなかった」と振り返る。
未入金に気付いて連絡をとってみると、電話口から聞こえてきたのは「新型コロナの影響で収入が減ったので支払いが厳しい」という
苦しい声だった。「6月の滞納件数は、さらに増えるかもしれない」と先を案じる。
 同社では、減額や延滞を認める家主は少数派だ。しかし、家賃支払いをめぐっては、焦りを隠さず交渉に粘り強く臨む入居者もい
た。
 金沢市内で3LDKの戸建て賃貸に家賃月9万円支払っている個人事業主の50代男性は、2度にわたり、梶係長に減額を要請した。梶係長
は「決められた家賃ですし、契約期間中は変更できない旨を伝え、丁重にお断りした」と振り返る。
 ところが、同男性は、営業部門の別の社員に頼み込み、その社員を介して家主に減額を直接要請。その結果、6?8月までの3カ月間
に限り、家賃を9万円から6万円前後に下げてもらえることになった。家賃変更の覚書を取り交わし、例外的に減額を認めたという。
 家主からすれば、退去されるよりも、一定期間減額して残ってくれた方が、収支面で好都合なこともある。決して珍しい例ではない
だろう。

「若年層目立つ」

 家賃滞納者が微増していることに関しては、熊本県の地場大手会社、管理戸数1万6700戸のコスギ不動産(熊本市)からも同様の声が
聞こえてくる。
 5月の滞納率はわずか1%だが、3月の0.8%、4月の0.9%と比べると少しずつ悪化していることがわかる。資産活用部の元村大士次長は
「悪化の一番の理由はコロナ」と話す。
 5月の滞納者は20人ほど増えたという。多くは20?30代の単身者で、飲食店勤務者が目立つ。事前に滞納を予告してくれる世帯は「1
?2割くらい」(元村次長)と振り返る。
 滞納問題に、どう対応すればよいのか。定番は、行政支援の活用だ。
 先のアーバンホームでは、行政の家賃補助制度である「住居確保給付金」を滞納者に都度案内している。しかしすべての申請が認可
される保証がない上に、支払い期間が3カ月間で、上限額も決まっている。どの程度、滞納分をカバーしてくれるか見えないことか
ら、「過度な期待はできない」(梶係長)と語っている。

「翌月に2カ月分支払う」

 「家賃保証未加入の物件で、滞納がやや増えた」。こう語るのは、鹿児島県で7417戸の居住用賃貸物件を管理するMBC開発(鹿児島
市)、不動産事業本部賃貸部の高橋慎一郎次長だ。

家賃保証未加入の物件で要望

 5月の滞納率は0.98%。1%に満たない低水準だが、3月の0.48%、4月の0.67%と確実に悪化している。同社の管理物件における家賃保証
加入率は大部分を占めており、代位弁済分も「支払い済み」にカウントして計算しているため滞納率が低い。しかし家賃保証加入前の
物件に、7?8年前から住んでいる世帯の中から、滞納が確認できた。
 5月の滞納件数は64件。飲食業の従事者に多く、正規・非正規雇用ともに存在する。また学生で、生計を支える親の収入減による滞
納もあった。「今月末は厳しいから翌月に2カ月分を一度に振り込みたい」。こうした事情で初回滞納が目立ち始めてきた。
 このような相談を入居者から受けた際、同社は家主に報告する。家主側にもローンの返済があるため、うかつに減額・遅延を容認で
きない。
 家賃保証加入済みの物件でも課題が残る。通常は滞納が起きれば保証会社へ代位弁済請求を行う。しかし高橋次長は「5月分の滞納
は、事情が事情。安易に申請してよいものか、一度立ち止まってしまう」と心理的なハードルを指摘する。未入金者の相談に対しては
「住居確保給付金」の申請を案内し、できる対策を講じている。

滞納者は「家賃帯3万円」に多い

 管理戸数1544戸のジェイ・エッチ・ティー(北海道札幌市)でも、コロナ不況で居住用賃貸の家賃回収状況が徐々に悪化している。
居酒屋勤務で収入減などが理由
 3?5月にかけての滞納率は4.1%、4.4%、4.8%と上昇。保証会社と契約している約500戸分の管理物件を除いた、残り1000戸の管理物
件内の滞納率を算出した。管理物件の多くは、ワンルームや1DKなどの単身者物件となっている。
 総務部の関昌平部長によれば、滞納常習者以外からの滞納が少しずつ出てきているという。新たな滞納者とは、居酒屋などの飲食店
で働き、家賃帯3万円前後の物件に住む単身世帯が中心だ。
 4月に始まった緊急事態宣言に端を発した営業自粛によって、居酒屋でのシフトが減少。5月の給料に響いた。
 同社では、新規の滞納者に対して「住居確保給付金」の申請を案内しているが、「本当に申請してくれているかは分からない」(関
部長)と不安を口にしている。
 一方、自ら家賃減額を申し出る家主もいた。2LDK+駐車場の住戸が二つ入っている物件で、半年間1万円の値下げを認めた。「住み続
けてもらった方が得策という判断」(関部長)。しかし、能動的に手を挙げてくれるケースは少数派だろう。
 同社は滞納率を改善するために、保証会社との契約数を増やして未入金リスクを軽減したい考えを示している。管理戸数1544戸のう
ち、保証会社がかかわっている割合は現在4割。これを7?8割まで増やしたい。「もともと民法改正に備えて実施しようと考えてい
た。これを加速させる」(関部長)という。

滞納微増、対処法は手探り

 1面に続き、コロナ不況が家賃支払いにどう影響を及ぼしているのか、各社の状況を紹介する。滞納件数は同じ「微増」でも、当然
ながら会社によって程度や現場で起きていることが異なってくる。

「無い袖は振れない」

 首都圏で2500戸の賃貸住宅を管理するホーミングライフ(東京都新宿区)では、5月に振り込まれる分の家賃滞納率が3.3%、件数にし
て約240件に及んでいる。4月の1.1%から3倍になった。

5月 家賃滞納件数 240件

 滞納者の特徴について、経理課の平原聡氏は「飲食店勤務者や非正規雇用の単身者が目立つ」と述べる。コロナ不況が直撃しやすい
業種・雇用形態であることから、その悪影響を受けて収入が減った世帯が増えたと同氏は見ている。本社を置く新宿区以外の地方都市
の管理物件でも、同様の傾向がうかがえるという。
 このような滞納者への対応は簡単ではない。入金の督促をしようと、電話で「お支払いください」と伝えると、「こっちだって払い
たいが、仕事がない以上、払いようがない」と語気を強めて反発されてしまう場面もあった。
 こうした入居者に対しては、「慎重な対応が必要」と平原氏は説く。どうにもならない状況に立たされている入居者の不安を、とき
にはくみ取った上でコミュニケーションを図る姿勢も欠かせないだろう。
 同社の管理物件では基本的に家賃保証会社がかかわっているが、集金や滞納の初期対応に限っては、自社で滞納者本人と直接やりと
りしている。事情をヒアリングした上でしかるべき処置を講じている。
 滞納の理由がコロナ不況にかかわる内容の場合、同社は入居者に「住居確保給付金」の申請を案内している。その結果、5月は25件
の申請の意思を確認できたという。申請が通った分だけ、滞納状況は改善するだろう。

給付金申請でカバー

 管理戸数4471戸のハウスプロメイン(兵庫県神戸市)では、5月分の滞納者は、管理する一部のエリアで35人ほど。20?30代の単身者
が中心で、いつもより1割増えたという。

振り込み、約15件確認 

 管理物件の平均家賃単価は約7万円だが、滞納者の多くは5?6万円と低価格の物件に住んでいるという。
 5月の大型連休明けから「住居確保給付金」の申請に必要な書類の記入作業が増えた。居住者に申請書を郵送してもらい、営業ス
タッフ3人で、これまでに約30件対応してきた。
 5月25日に集金した6月分家賃では、「住居確保給付金」による振り込みが約30件のうち半数確認できた。
 営業担当の豊岡和樹氏は、「大半が滞納になる前に『住居確保給付金』の申請を行っていたため、滞納は最小限に抑えられている」
とポイントも説明した。

製造業不況が賃貸に直撃

 管理戸数7076戸の冨士物産(静岡県浜松市)では、5月中に振り込まれるべき家賃の滞納件数が200件弱に上った。前月から50件近く増
えた。中でも、飲食業や製造業の従事者の滞納が目立ったという。
 管理戸数の大部分が、製造業が盛んな浜松市内にある。自動車製造関連企業がコロナ不況でダメージを負い、収入が減った人が増
え、休業要請の後遺症が残る飲食店や小売店の経営に追いうちをかけた。そう推測する不動産統括本部の西田行宏氏は「滞納は今後も
増えるかもしれない」と先行きを心配している。
 同社では「住居確保給付金」の申請のための手続きが5月上旬から増え始めた。浜松店だけでこれまで10件ほど対応。その他、家賃
滞納にかかわる問い合わせも1日2件ほど寄せられている。

入居審査厳格化で滞納1件

 入居審査を厳しくすることで、コロナ禍から生じる滞納件数を最小限に抑えている会社もある。その一社が、管理戸数882戸の青木
ハウジング(神奈川県横浜市)だ。収入減による滞納相談は、現状1件のみ。新型コロナの煽りを受けた飲食業に従事する入居者だ。
 青木博昭社長は「入居時の審査を厳しくしているため、普段から家賃滞納のリスクを軽減できている」と語る。
 客付けの際、家賃保証会社の入居審査を通った後でも、独自審査を実施する。
 審査は細かい。入居希望者の書類一枚一枚に目を通し、ときには勤め先の会社名を検索する。企業サイトを開き、またサイトそのも
のが存在しなければグーグルのストリートビューで社屋を確認するという徹底ぶりだ。
 審査項目をみるときに、基準は設けていないが、ささいな違和感を見逃さないように努めている。
 「年収1500万と書かれているのに、家賃帯の低い部屋を探している場合などは注意が必要」(青木社長)。保証会社の審査を通って
も、2割程度は青木社長の判断で入居を断る。審査に慎重になることが滞納回避の一歩になると考えている。

相談者が微増

 管理戸数2636戸の大和財託(大阪市)の家賃滞納率が微増している。3月は0・61%、4月0・72%、5月は1・02%と上昇。この数字は、毎
月12日時点で、未納金額の合計を当月の請求額の合計で割ったものだ。入居者全体の構成はおおよそファミリー5割、社会人4割、学生
1割となっている。
経営への影響は「なし」
 事業部運用グループ・佐藤秀孝マネージャーは「収入が減った方からの支払い遅延の相談はあるものの、滞納そのものは多くありま
せん」とコメントする。
 同社は自社で家賃保証業務を手掛けている。滞納がわかった時点で迅速に電話連絡を行っている。どうしても支払いが困難な人に
は、「住居確保給付金」などの公的サポートを案内している。  
「給付金支給まで待ってほしい」

 管理戸数1237戸の佐藤商業(千葉県市原市)は、5月に振り込まれる家賃の滞納相談件数が約90件まで増加したという。例年は50?60
件程度。今年は昨年と比べて29件の問い合わせ増加があった。
5月相談、29件増加
 29件のうち20件が支払い猶予にかかわる相談だ。「(本業の休業による)収入減により、給付金の支給まで支払いを猶予してほしい」
という相談の他、失業による支払い猶予の相談も3件あった。
 管理部の柴田慎之介部長は、「保証会社を通していることもあり3?4月の滞納率・相談件数は例年と変わらなかったが、5月から格
段に増えた。普段滞納していない入居者からも相談があったことが意外だった」と驚きの声をあげた。初めて相談があった入居者に
は、ホワイトカラーの会社員や派遣社員が多いように感じたという。
 滞納相談の中には個人契約の入居者だけではなく、店舗テナントとして貸している飲食事業者が4件、整骨院が1件あった。これらは
支払い猶予ではなく補助金活用の相談だった。千葉市のテナント賃料補助の制度をオーナーに活用してもらいたいという内容だった。
 千葉市の補助制度とは、最大50万円をオーナーへ補償する「テナント支援協力制度」というものだ。オーナーが申請して、一定条件
をクリアすれば、オーナーに直接振り込まれる家賃が入る。
 だが同補助制度は原則オンライン申請。ITに抵抗感のある高齢のオーナーにとって、オンライン申請はハードルが高い。これが壁と
なり、相談を受けた物件オーナーは同制度を利用しなかった。テナント賃料の支払い問題の解決に向け、話が前に進みづらい原因のひ
とつになっている。

給付金活用は10人弱

 3391戸の賃貸住宅を管理している郡中本店(福島県郡山市)でも、3?5月の家賃滞納率は横ばいだった。保証会社の肩代わり分を除い
た滞納率は、金額ベースで3月0.67%、4月0.48%、5月0.76%だった。

減額対応は2件

 滞納者の多くは常習者。勤続年数が浅い若年層の男性と、加齢とともに収入が減少した高齢者が中心。特に、敷金や礼金などの初期
費用が低い物件での滞納者が発生する傾向が強いという。
 もっとも、コロナ禍による滞納も3月から徐々に増えてきている。
 5月までの3カ月間で20件ほど。その多くが飲食店や建設現場などで、勤務時間に応じて収入が変動する働き方をしている人たちだ。
コロナ禍の影響で出勤日数が減り減収となる、もしくは失業したことで家賃を支払えなくなるといった流れだ。このような入居者の家
賃は平均3万円前後だという。
 解決策として、同社は「住居確保給付金」の申請を案内する。同給付金によって滞納を解消した賃借人もすでに出始めてきている。
実際に申請した滞納者は10人弱程度という。
 もう一つの解決策としては、オーナーへの減額交渉だ。一定期間の減額に応じてくれた数は現在2件程度ある。
 不動産事業部の古和田泰彦氏は「幸い、新型コロナウイルスの悪影響はあまり感じられない。しかしスタッフによる案内状のポス
ティングや訪問など、滞納解消に向けた取り組みは強化していきたい」と語る。

家賃減額「覚書」必須

 コロナ不況で収入が減った入居者から家賃減額の交渉を受けたとき、「このまま退去されるくらいなら、一定期間減額して住み続け
てもらうほうが得策」と考える賃貸管理会社、オーナーは一定数いるだろう。そこで減額を受け入れる際、手続き面で何に気を付ける
べきなのか。不動産法務に詳しい神田元経営法律事務所の神田元弁護士は「必ず覚書を交わしておくこと」とアドバイスする。

「金額変更は避けるべき」

 例えば月10万円の家賃を7万円まで減額したとする。もし口頭で認めてしまうと、この物件の相当賃料が7万円である既成事実をつ
くってしまうことになる。万が一、悪意ある入居者から「賃料減額裁判」を起こされたときに、7万円という金額が「特例的に一定期
間下げた家賃」である証明ができなくなり、不利になる。賃貸借契約の変更も同様だ。
 先々のこうしたリスクを抑えるために、オーナーや管理会社ができることが、きちんと「覚書」を交わすことだ。書面で残せば、コ
ロナ不況で一時的に減額・猶予した事実を裁判所に示せるようになる。また書くときは「月額賃料○円のうちいつまでに×円の支払い
を免除する」と期限をつけるべきという。免除についての問題の有無があるかは税理士に相談した方がよい。
 神田弁護士は、賃貸経営するオーナーを顧客に抱えており、コロナ不況の中で、アパート関係ではこのような相談をよく受けるとい
う。