武富士債権者９１万人
更生計画案
過去最多、同意難航も
会社更生手続き中の消費者金融、武富士の管財人は１５日、韓国の消費者金融Ａ＆Ｐファイナンシャルへの事業の継承を柱とする更生計画案を東京地裁に提出した。（宮崎誠）
今後は、更生計画案に対して多くの債権者が同意し、裁判所が計画案を認めるかどうかが焦点となる。
消費者金融 韓国系に譲渡
更生計画案によると、武富士を会社分割し、Ａ＆Ｐに消費者金融事業を継承する会社と、債務の返済を行う弁済業務に専念する会社に分ける。今後の手続きは、まず計画案について債権者の書面投票を３か月かけて行う。債権者の同意が得られれば、１０月末から１１月上旬に裁判所が認可する見通しだ。
ただ、「債権者の賛成が（計画案の認可の前提となる）債権額の２分の１超に達するかどうか不安が残る」（倒産業務に詳しい弁護士）との見方が出ている。
更生計画案では、顧客が過去に払い過ぎた利息の返還を求めた額に対し、武富士が返せる割合を示す弁済率が現時点では３・３％にとどまることが示された。
返還を請求した顧客は約９１万人に上り、社債などを含めると負債総額は約１兆５０００億円に達する。債権者が９１万人以上となる更生計画案は初めてだ。これに対し、武富士の債務返済の原資となる資産はＡ＆Ｐの買収代金を加えても約５００億円に過ぎない。例えば１００万円の過払い利息を返還請求した顧客は３万３０００円しか受け取れないことになる。
ただ、会社分割後の「弁済会社」は本社ビルの売却などを行い、収入があれば顧客らに返済する。弁済率は４％台後半から２０％超に高まる可能性もあるという。
更生計画案が多くの債権者の同意を得られず否決されれば白紙に戻り、武富士は清算される見通しだ。管財人は、清算した場合の弁済率は２％に満たないことを説明し、債権者の理解を得たい考えだ。
一方、Ａ＆Ｐの山本潤社長は１５日の記者会見で、「武富士にはこの４０年間蓄えてきた膨大な顧客のデータベースがあり、大きな需要がある」と期待を示した。Ａ＆Ｐの貸付金残高は昨年９月末時点で約１兆６０００億ウォン（約１２００億円）と韓国の消費者金融でトップだ。日本でも「武富士」のブランドを残し、自ら日本法人の社長に就いて陣頭指揮を執る方針だ。
だが、規制強化などで日本の消費者金融の貸付金残高は約６・５兆円と、１年前から３割近くも減った。「武富士」ブランドの信用低下もある。更生計画案が認可されても、再建を果たせるか予断を許さない。
（2011年7月16日 読売新聞）
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110716ddm008020201000c.html
武富士：過払い弁済３．３％ 「迅速な返還優先」－－更生計画案
会社更生手続き中の消費者金融大手、武富士の管財人は１５日、東京地方裁判所に更
生計画案を提出した。過去に払いすぎた利息の返還を求める顧客への弁済率は３・３％
にとどまった。国税当局に求めている過払い利息による利益に課された法人税の還付請
求などが実現すれば、２回目の弁済を行う。秋の計画認可と１２月の弁済開始を目指す
。【井出晋平】
会見した管財人の小畑英一弁護士によると過払い利息返還請求は９１万３０００人か
ら約１兆３８６０億円に上った。他の債権を含めた弁済は、武富士の再建支援のスポン
サー企業に決まった韓国の消費者金融大手、Ａ＆Ｐファイナンシャルから支払われる買
収費用など計約５００億円を原資に行う。小畑弁護士は会見で「手元にある資金で一刻
も早い返還を優先した」と弁済率が３・３％にとどまった理由を説明した。０９年１１
月に経営破綻した商工ローン大手、ロプロ（旧・日栄）の弁済率は約３％だった。
今後、国税当局に求めている法人税の還付請求（約２０００億円）や、創業家ら旧経
営陣に対する損害賠償請求が実現すれば、上乗せして２回目の弁済を行う予定。ただ、
還付請求や損害賠償は訴訟に発展する可能性が高いため、どこまで上乗せできるかは不
透明な情勢。更生計画案は、１０月下旬までに債権者に書面での賛否を問い、過半数の
賛成を得れば認可される見通し。
武富士は会社分割し、債権者への支払い業務を除く本業はスポンサーに決まったＡ＆
Ｐが引き継ぐ。同社の山本潤社長は「武富士にはブランドや顧客データの蓄積があるが
、運営を低コスト化する必要がある」と述べ、武富士ブランドを継続しながらリストラ
に取り組む意向を示した。
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◆武富士更生計画案のポイント◆
・会社分割し、事業はＡ＆Ｐファイナンシャルが承継、弁済業務は分割会社が行う
・債権の３・３％を更生計画認可決定日から１年以内に弁済
・会社保有の全資産の回収が完了し、弁済費用が確保できた場合は第２回弁済を実施
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90970900&sid=aRgabuLK5iDM
武富士弁済率3.3％に、会社分割で事業継続、会社側案－利用者も別案(3)
記事を印刷する ７月15日（ブルームバーグ）：会社更生手続き中の消費者金融武
富士の債務者に対する弁済率は3.3％となる見込みだ。会社側が15日、東京地裁に提出
した更生計画案で明らかになった。会社分割に伴う事業継続も盛り込んだ。ただ、別に
「過払い金」請求権者も独自案を出しており、承認には裁判所と全債権額の約半分の債
権者の同意が必要となる。
会見した管財人の小畑英一氏は弁済率について「3.3％は現在用意できる最低額」
で、100億円超を見込む不動産売却で４％強、国を相手取った2000億円超の法人税還付
請求の結果次第では23－24％に引き上げられると見通した。武富士の債権者は金融機関
や過払い債権者で、約92万件、約１兆5100億円に上る。
会社分割では弁済や清算を担当する旧会社と韓国大手消費者金融のＡ＆Ｐファイナンシ
ャルの支援で営業を再開する新会社に分ける。Ａ＆Ｐの山本潤社長は「将来的に中国を
含むアジアに事業を広げたい。武富士の低コスト経営に魅力を感じた」と抱負などを述
べた。武富士ブランドは維持し、当面自身が新会社の社長を務めるという。
一方、過払い債権者側も同日会見を開き「会社更生での弁済率は20－30％程度ある
のが通例で、あまりに少なすぎる」（瀧康暢弁護士）と会社側の案に不満を表明。１週
間をめどに創業者一族らの私財を弁済に充てることを要求するなどの独自案を拡充して
、弁済率引き上げを目指す考えを強調した。
武富士の管財人は債権者らによる書面同意を経て11月をめどに営業を再開したい意向。
裁判所は今後、過払い債権者らが同地裁に提出した案も含め、実現可能性などを検討し
て債権者に提案する案を決める。
記事についての記者への問い合わせ先：東京 谷口 崇子 Takako
Taniguchittaniguchi
4@bloomberg.net
http://in.reuters.com/article/2011/07/15/takefuji-idINL3E7IF10Q20110715
UPDATE 2-Takefuji aims to repay more than 20 pct of its debt
Fri Jul 15, 2011 3:37pm IST
* Takefuji to make initial debt repayment of Y50 bln
* Takefuji to seek more than Y200 bln tax refund
* Takefuji to ask founding family to repay dividends (Adds details)
By Junko Fujita
TOKYO, July 15 (Reuters) - Failed Japanese consumer lender Takefuji, whose
cou
rt-led rehabilitation is being contested by creditors, is aiming to repay
more
than 20 percent of its debt, its court-appointed administrator said on
Friday
.
It will make an initial debt repayment of 50 billion yen ($630 million),
equiv
alent to 3.3 percent of what it owes and including funds from its sponsor
Sout
h Korea's A&P Financial.
It will also seek a 200 billion yen refund for overpaid corporate tax as
well
as ask its founding family to return excessive dividend payments worth 13
bill
ion yen.
"The biggest key to our plan is whether we can get the refund for corporate
ta
x," the administrator Eiichi Obata told a news conference.
"But we have no idea how long it will take to get the money back."
Creditors have argued that the rehabilitation process has not been fair or
tra
nsparent, with two separate groups filing motions with a Japanese court. One
m
otion, brought by foreign bondholders and which asked for Takefuji to be
liqui
dated, has been rejected by the court, sources have said.
The other motion was brought by Takefuji customers who are seeking the
repayme
nt of overcharged interest. They are going to revise their motion now that
Tak
efuji disclosed details of its plan on Friday, said one of the lawyers
represe
nting the group.
The customers are seeking to recover a 200 billion yen tax refund granted by
J
apan's Supreme Court to Toshiki Takei, the son of Takefuji's founder. If
that
money is recovered, Takefuji will be able to pay about 14 percent of what it
o
wes, the creditors argue.
The customers group also filed a request to the court to allow them to set
up
a committee that could be involved in making the rehabilitation plans and
moni
toring the debt repayment process, the lawyer said.
Takefuji has about 1.5 trillion yen in debt, of which 1.4 trillion yen is
over
charged interest the company is obliged to repay to its customers.
The court is expected to make a decision on the competing plans from
Takefuji
and its customers later this month. It could choose one plan or has the
option
of approving both. After the court makes its decision, then the plan will
go
to bondholders for approval.
If bondholders who account for more than half of the bonds held do not sign
of
f on the plan, then Takefuji could be liquidated.
Takefuji failed in September, crippled by a 2006 legal ruling forcing it and
o
ther consumer lenders to repay past interest and setting a new cap on
lending
rates.
A&P Financial was chosen out of field of bidders, that sources said included
C
erberus Capital Management , TPG and Japan's J Trust . ($1 = 79.205 Japanese
Y
en) (Editing by Edwina Gibbs and Chris Gallagher)
和田聖仁
