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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 33

2024-07-28 19:25:25 | 日記
「てかそもそも、メタリファーは何をやってるんだろう?」
 
 何を持って、ここにいざなってるのか……今回の船でも最後の最後、船の乗員が全て息絶えようとしてるその時……というか、今回は全ての人が息絶えた後にどうやらメタリファーは現れたみたいだ。
 
 そしてこの船をこの場所へといざなった。いざなったというか、無理矢理確保したのかもしれない。
 
「この船、そもそもが自動運転だったし、本当なら乗組員が死んだら戻ったんじゃ……」
 
 そういう風に設定してある痕跡も実は見つけてた。帰る予定は確かにこの船にはなかっただろう。けどそれは彼ら……極一級犯罪者たちが帰る予定はなかった……というだけだ。
 彼らが帰還することは万に一つもないが、この船だけが帰還するシステムは組んであった。なかなかにこの船を作った世界の人はエグいことをする。まあもちろんこの船を帰還できないことは想定に入ってただろう。
 とりあえず、そういうプログラムも入れ込んでおこう……的な感じだったと思われる。船だけでも帰ってきてくれたらめっけもん……みたいな。まあ結局はメタリファーに捕まって何も帰ってはこなかった訳だけど。
 でもここに来た後も、この船はわずかながらに稼働してた期間があったみたい。その間にもきっとデータをおくったりしてたかもしれない。それが届いてるかは残ってるデータから確かめる術はないけど。
 
「とりあえず、この船の世界の座標は手に入れた」
 
 最大の功績はこれではなかろうか? 私はそう思った。なにせこの船は自身の世界に向かってデータを送信してたわけで、そうなるともちろんだけど、世界の位置ってやつが重要になってくる。
 だからこの船のデータを得たG-01はこの船が作られたであろう世界の道筋を立てる事ができたということだ。この前の船では、帰ることを想定してなかったからか、元の世界の情報はあっても、やり取りはなかったから元の世界を特定することは出来なかったんだよね。
 でも今回はそれが出来た。まあけど、私たちはこれまでも自分たちで選んで世界を渡ってたわけじゃない。ランダムだったのか、それとももしかしたらG-01には「こういうルートで」――とあらかじめ設定してあるのかはわかんないけど、選択肢として、新たな世界が開拓されたのは純粋に嬉しい。
 
 まあ結局、メタリファーの目的とかは全く持ってわかんないけど。でも焦ることはない。なにせ数え切れない程にここには船がある。


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