UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十五話part4

2024-09-28 19:31:02 | 日記
「なんのつもりだ? どうして襲ってくる?」
 
 とりあえず動き回って攻撃をしてくるサルに向かって野々野足軽はそんな風に言葉を向ける。このサルが言葉を理解できるのか……はわからない。いや、寧ろサルが人語を理解するわけはない。だから足軽も別に返答を期待してるわけじゃないのかもしれない。ただ、言葉と共に足軽はサルに向かって圧力を発してた。別に攻撃ではない。ただ押し付けられる圧だ。
 
 けどサルは一気に足軽から距離を取った。そのせいで空中にいられなくなったサルは地上へと落ちていく。サルは丈夫な木へと着地した。デカいサルがいきなり乗ってきたから、木もグワングワンと大きく揺れる。でもそこはサル。そんな揺れはものともせずに安定感を見せて木にしがみついてる。
 
「ガァァァァグガアアア」
 
 そんな風にサルは毛を逆立てて足軽を威嚇してる。けどよく見るとその体が震えてるのがわかる。なにせ足軽はあれだけ攻撃をされてたにも関わらずに、傷一つない。それに対して、サルの爪からは血が滴ってるし、何本かの爪は欠けてしまってる。通用してない……それをサルは感じてる。けど矜持でもあるのか、サルは逃げ出す事はしてない。ただの動物なら、勝てない存在にはさっさと逃げるか定石だろう。
 本能と言ってもいい。勝てないんだから、さっさと逃げて安全を確保する……それが野生なら普通だろう。なにせ医者も薬もないんだ。そこらにいる動物たちはちょっとはした怪我でも命に係わるんだから、無理やら無茶やらしてはならない。
 でも……このサルはまだやる気だ。やっぱりだけど、ただのサル……なわけはない。
 
「まあちょっと遊んでやるよ」
 
 だいたいサルの攻撃力的な所はわかったと足軽は思ってる。サルの力は足軽の脅威にはなりえない。だから余裕を持てる。どんな存在なのかわからないし、多分こいつは言葉だって話せない。けどそれは問題視してなかった。
 
(べっこべこにした後にサイコメトリーをしたらいいだろ)
 
 とね。そんな風におもってた。他人の残滓……思いを覗き込むその力があるから、足軽は別に言葉にこだわってなんてない。いや、寧ろいくらでも偽れる言葉なんかよりも、直接触れてサイコメトリをした方が真実を観れる――と思ってるんだ。絶妙な距離を開けて、さらに足軽の背後には無数の岩やら木々が追従してる。足軽よりも後ろにあるせいで、それを利用なんてもうサルにはできない。
 いや、足軽は絶対にそれをさせない腹積もりだ。
 
「返してやる」
 
 そんな言葉と共に、まずは挨拶のように、一本の木を力を使ってサルに向かって撃ちだした。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 77

2024-09-28 19:23:14 | 日記
 目を閉じて、私は自身の頭を中をさぐる。この感覚は実はとても新鮮だった。だってだよ? だって普通……というか普通の人は記憶を引き出しているとき、どうしてるだろうか? うーんうーんと悩んでこれだ! って感じじゃないだろうか?
 それか直近なら簡単にするっと記憶が出てくると思う。けどそれって自然な感じだよね? きっとそうだったと思う。けど今の私は全ての記憶に自由にアクセスできる状態といったらいいのかな? 私はどうやら一度覚えたものは絶対に忘れないみたいだ。
 
 完全記憶能力とでもいうのか……それが私にもある。実際G-01が膨大なデータを記録してるんだから、私にどれだけその能力があって意味があるのか……というきはする。
 別段いらんだろってね。でもまあ、あって困るものじゃない。確実にね。かさばることもないし? それにG-01のマニュアルは膨大だ。そして実はG-01のマニュアルはどんどんと積み重なってるといっていい。
 
 どういうことだ? 
 
 ――と思うだろう。だってマニュアルが増えるって普通の感覚ではない。だってそういうマニュアルは買った時点の箱についてるものだろう。勿論紙とかでさ。
 だからその紙が自然と増える? なんて事はない。オカルトじゃないんだからね。でも今やマニュアルも紙の時代ではなくなったのだ。忘れてはないだろうか? 
 私は自身の脳の拡張と共にG-01のアップデートを繰り返してきた。そしてそのたびにG-01は新たな力を獲得してきた。細かなところも欠かさずに私はアップデートを繰り返してる。
 
 つまりは色々と内部も外部もかわってる。新しい武器を手にしたら、もちろんだけど新しい取扱説明書が必要だろう。そういう事だ。部品やパーツが変わると、もちろんだけど熱に対して弱くなったのか強くなったのか? とかだってかわる。出せる出力の変化だってある。 
 こういう組み合わせは相性がよくないとか……そんな諸々があるのだ。そのたびにマニュアルを引っ張っててはとても大変。そんな時にはこの完全記憶能力は役に立つ。
 
 私の記憶の引き出し方は完全にマニュアルといっていい。私の目の前には無数の引き出しが……いや、引き出しではないね。もうそんな古いのはない。
 ただ枠が一つある。そこにキーワードを入れるのだ。すると関連した記憶がまるで滝のように降りてくる。頭に湧いてくるような記憶。これはなかなかに私に万能感を与えてくれる。
 でも気づく。
 
「あれ? 不明なものはどうやって調べるんだ?」
 
 そもそもがどういうアップデートが頭になったのかわかんないからね。とりあえず、色々と考えて私は枠に『最新』と入れてみた。