UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十一話Part2

2024-09-01 19:48:57 | 日記
「はっはっ」
 
 カシャカシャとペダルを漕ぐ。はっきり言ってかなりの重さになってる。なにせ今は急勾配上がってるからだ。舗装されて綺麗な道路だけど、まるで延々と続く山を登ってるような……そんな感覚に陥る。海側ではなく、ずっと山の中を走ってるからか、登っては下ってを繰り返してる。グニャグニャとしてて、下るときはとても気持ちいいが、登る時は大変すぎた。けど野々野足軽は幾代に置いてかれないように頑張ってる。
 どうやら幾代の自転車はなかなかにいい自転車みたいだ。ギアの数も足軽が漕いでる奴よりもおおい。だから結構幾代はするすると登って行ってる。それに対して野々野足軽の漕いでる自転車は節々から変な音がしてるし、ギアを変えることはできない。いや、三段階くらいのギアはある。でも、なんか手元のスイッチを回してもギアが変わらなかった。そこらへんはもう古いからしょうがないだろう。足軽もそこは諦めた。
 けどそれで一番軽いギアになってるならよかった。でもそうじゃない。一番重いギアになってた。ではなぜに、そんな状態……さらには自転車の状態だけではなく後ろには小頭も乗ってるのだ。それで足軽は幾代についていってるのか。どんなに急こう配な坂で自転車から降りるなんて事はしてない。普通は流石にこれだけの悪条件が重なってると、漕ぎ続けるなんて無理だろう。それこそ鍛えてる人でもないと、この条件で、この急こう配の坂を上り続けるなんて不可能だ。
 けど野々野足軽はのぼってる。実際そこそこ遅い。それにぜーはーぜーはーと言ってる。汗も沢山滴ってる。でも止まる事はない。それはやっぱり超能力のおかげだった。ただの筋力だけでこんな坂を人一人を後ろに乗せて昇るなんてギアがちゃんとしてたとしても無理だ。でもそんな無理を野々野足軽は力によって無理矢理にとおしてた。念動力によって漕ぐ力だけじゃなくもう一つの力で引っ張ってるのだ。だからこそ、進むことが出来てた。
 
 本当なら無理な事をやってるはずなのに、幾代も小頭もそこに突っ込むことはない。どうやら男の子だし、こんなものか……程度にしか思ってないみたいだ。実際、野々野足軽も楽々と登ってるようには見せてない。めっちゃ大変だけど、なんとか根性を見せて上ってる……風に装ってるのだ。
 
(こいつ……俺が普通の人間だったらこんなの無理だからな)
 
 とか内心は思ってた。幾代はその良い自転車で気持ちよくサイクリングを楽しんでるが、力がなかったら野々野足軽は地獄だった。それがわかってるから、文句だって内心では言いたくもなる。
 
「ちょっ、ゆっくり、ゆっくりだからね!」
 
 坂が終わったら下りが始まる。それに対して後ろの小頭がそんな風にいってくる。なにせかなり上ったのだ。なら今度はかなりの下り坂が待ってるのは当然だろう。眼の前の坂はちょっとしたジェットコースターのように見える。ちょっと余裕が出来た足軽はふと横を向く。すると山の間から遠くに街並みが見えた。そしてさらに向こうには太陽をキラキラと反射する海……大変な思いをして登ってきたわけだけど、なかなかの絶景にちょっと満悦する。それにこれからは下りだ。下りはとっても楽だろう。
 さらに大きく綺麗な道なのに車はほぼいない。田舎の山道なんて地元のやんちゃ者たちが、峠を攻めてる……的なイメージをしてたが、どうやらそういう輩はいないらしい。
 
「きゃ――きゃあああああああああああああああああああああああああ!!」
 
 下りでスピードを上げていくと、後ろの小頭がそんな悲鳴を上げて楽しんでた。楽しんで……?

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 58

2024-09-01 19:43:16 | 日記
 とんでもない事が判明してしまいました。まさか私の詠唱をポニ子ちゃんが引き継げるなんて……中断した詠唱もどうやらポニ子ちゃんが溜めといてくれてるみたい。
 どういう原理なのかはよくわかりません。けどこれは有用でしょう。私は早速、続きを詠唱をして魔法を発動して光がキラーンと走る。私の攻撃魔法ってこれくらいしか無いんですよね。
 私の純粋な魔力のみの攻撃……それは上手く目玉達にあたった。一本の光の線は横になぐように私の頭上から発射されました。その範囲は私の前方80度くらいでしょうか? 
 
 それでなんとか足を止めたのは数体の目玉です。足を止めただけで、別に傷なんてない。ちょっとだけ……本当にちょっとだけその動きが止まっただけです。
 
「そんな……」
 
 これほどとは……とちょっとがっくりです。この攻撃でも生身で受けたら穴ぐらいあくし、かすればその部分が灰になるくらいには酷い魔法だ。そのはずなんだけど……なぜか目玉には直撃してもちょっと動きを止める程度だった。
 
 けどちょっとでも時間を稼げたらあとはこのポニ子アーマーで!!
 
 「とりゃあああああああああああ!!」
 
 私は腕を伸ばして目玉たちを打ち払う。でもやっぱり決め手に欠けるのが私の欠点。そう思ってると、ポニ子アーマーの腕で吹き飛ばされてガクガクとしてる目玉達にバシュバシュと弾丸が打ち込まれていった。
 そして彼らは活動を停止する。私があれだけ苦労してるのに……この人は……
 
「大丈夫ですか?」
 
 そういう感情を読み取りづらい表情のアイさん。彼女がやってきてくれた。
 
「ありがとうございます。私は大丈夫です」
 
 まあほとんどポニちゃんのおかげだけど……私だけだと一体何回死んでるのかわかんないです。
 
「そうですか」
「えっと……アイさん? ひゃあ!?」
 
 なんかアイさんが私の体を触ってくる。おしりとか、脇とか二の腕とか……恥ずかしい。それになんか触られた所がちょっとあったかい。
 
「思ってましたけど、貴方は体の使い方が悪いですね。ちゃんとストレッチをしたほうが良いですよ」
「あ、あい」
「それとポニ子にデータを渡して置きました」
「データ? ですか?」
「はい。武術のデータです」
「はい?」
 
 なんか理解してない間に更に目玉がやってくる。すると……だ。するとなんかビシッと勝手に私の体が構えを取りました。
 
「え? え?」
「貴方は身体能力は高い。そういう訓練を受けてないだけです。だから強制的に学んでください」
 
 どうやらアイさんはスパルタ気質のようだ。