大好きだったおばあちゃんは今、
白い布を顔に被せられて眠っている。
胸に氷を抱いて。
キレイにお化粧された顔は、近くでみてもまるで普段通り眠っているみたいだ。
こんなに真近におばあちゃんの顔見るの何年振りだろう?
昔の記憶が次々に甦ってくる・・・・
よく一緒にクッキー作ったな、弟も一緒に。
台所中、粉まみれだった。みんな笑ってた。
あんな楽しい遊びを教えてくれたおばあちゃん。
なんで、寝てるんだろう。
バスに乗って海水浴にも行ったな。
乗り物に弱かった俺は途中で何度も吐いたっけ・・・
山歩きもいっぱいしたね。
スコップ持っていろんなもん持って帰ったっけ。
んで、家に帰ったら玄関先の水道ホースから水ブチまけて泥んこ遊び。
庭で一番でっかい木が、俺が持って帰った種から育てたんだって!?
知らんかったがな。ビックリしたわ。もう。
山遊び、セミ採りカブトムシ。
公園でブルーシート広げてスイカ割りしたんだっけ。
夜はいっつも花火してたな。
いっぱい遊んだよな。
土や木や水、自然との遊びを教えてくれたのは、
実は、おばあちゃんだったの?
今頃になって気が付いた・・・・
もう泣かないって、思ってたけど。
家の片付けしてたら、
思い出も涙も止まらない。
でも、そこにいるのは冷たくなったおばあちゃん。
夏に産まれて夏に死んだのに、冷たくなったおばあちゃん。
まだ、
お別れの準備ができません・・・・・