はじめての家出

「ななちゃんと、遊ぶの～」
雨の激しく降る中、リーちゃんがそうのたまった。
何を言っとるかね、この子は。
「雨が降っているから、この次ね！」
なんだか、納得していないようだった。

おばあちゃんの家に行くと、実母は留守だった。
買い物かな？お昼を食べようとおにぎりを買っていった。
食事の支度をしていると、「ばーば、居ないね～、どこ～？」
と、リーちゃんの声がしていたが、ふっと聞こえなくなった。
「りーちゃん？」
呼んでも返事がない。
２階にでも一人でいったのか？落ちたら大変だ。
２階へ駆け上がると、その姿はなかった。
さーっと、血の気が引いた。
おいおいおいおいおいーーーーーっ！！
どこへ行ったんだ！
玄関へいくと、お気に入りのしまじろうのサンダルがなかった。
外ーーー？？？？！
傘を差して表へ出ると、道を曲がろうとしている小さな影をみつけた。
そこからは、車の通りが多い道・・・
ちょっとまったー！！！
うしろから、名前を呼ぶと傘の代わりに被った麦わら帽子を掴み
ハイスピードで逃げ出した。
ぎゃーーーーーー？！
なんとか、無事に確保した。

「遊びに行くんだよー（怒）」
怒る娘をかついで家に戻った。
目が離せない。玄関のカギは自由自在に開けてしまう。。。
りーちゃん、２歳半。。。。
一人でお出かけは、まだまだ先です。