松下啓一 自治・政策・まちづくり

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反対論に出会う②

2005-08-23 | 4.政策現場の舞台裏
 もっとも議論の精度が上がる反対論の相手方は、むろん市民団体である。
 労働組合の場合は、なんだかんだいっても同じ職員であり、結局は「同じ土俵」のなかでの交渉になるが、市民団体の場合は、「同じ地平」に立つまでが難しいが、いったん、同じ地平に立てば、急速に、頼りになる仲間に変わる点が特徴である。
 
 新たな政策づくりが始まると、まっさきにはじめるのが、市民団体の集会への参加である。横浜のような大都市では、必ず、テーマごとの市民グループがある。その集りへ顔を出すのである。
 顔を出せば、どう見ても「役所カットでまじめそう」と異質であるから、注目を引く。たいていは、その場で自己紹介を頼まれるから、そこでプロジェクトの趣旨と議論したい旨を告げるのである。
 市民団体側とすると、警戒半分、飛んで火にいる夏の虫半分であるから、最初はぎこちないが、集まりが終わることには、すっかり打ち解ける。
 
 市民団体との付き合いで得る効用は山ほどあるが、なんといっても市民の集まりであるという点が強みである。自治体の弱点は市民であるから、自治体は、その市民の議論には、本質的に弱いのである。か弱い一政策マンは、こうした内外の応援団がいて初めて、「そんな政策は必要ない」という庁内多数派に伍することができるのである。
 その後、市民団体とは、長い付き合いになり、仕事が変わっても交流が続くことになるが、また、別の仕事で、思いもよらず助けられることになる。自治の仕事はテーマは違っても底流でつながっている。
 
 横浜ごみを考える連絡会の渡辺さんはそんな一人であるが、先月、あるシンポジュームに出てみたら、パネラーとして、前席に座っていた。肩書きは宮城県環境生活部次長で、浅野知事のヘッドハンティングに応じたとのことであった(昨日の新聞では鎌倉市長選挙の候補者に当てられていた)。
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