人生をひらく東洋思想からの伝言

東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第96回「怨みに報ゆるに徳を以てす」(老子)

2023年07月24日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第96回 

「怨みに報ゆるに徳を以てす」(老子)


老子は、宇宙の根源である「道」とともに生きている人、

つまり「道」のあり様を自己の
あり様として生きている人を一番重んじています。

だからこそ、つい見栄を張ったり、よ
り自分を大きく見せようとしたり、

自分の手柄にしようとする人の態度に対して、かなり
厳しく諭しています。

目立つことなく「無為」に行い、特別に良い事も悪い事もない

「無
事」をよしとして、格別の味がない「無味」だからこそ、

すべての味が味わえる。このよ
うな事に対して、注意深く伝えています。

          むい を なし   ぶじをこと とし   むみ を あじわう
第86回 「無為を為し、無事を事とし、無味を味はふ」(老子) 

その後に続く文章として、

「小を大とし 少を多とし、怨(うら)みに報(むく)ゆるに徳を以てす。」

(小さなものを大きく捉え、少ないものを多く捉え、
 そのように捉えるから、もっともっとと欲することがない、
 うらみに対しても むしろ徳で接するから 争いにならない)

まさに、このような態度で接することで、

対立や争いをさけるような在り方になるのだと
伝えています。

本当に、深いですね。。。。

このような言葉に触れ、意味を味わい、このような在り方を意識することで、

少し
でも「道」に近づいていけるよう精進していきたいと思います。


参考文献
『老子道徳経講義』田口佳史著  致知出版社



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