【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第68回
「苟日新、日日新、又日新」(大学)
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、本年 最初の言葉は下記になります。
「苟に日に新たに、 日日に新たに、 また日に新たなり」
「まことにひにあらたに、ひびにあらたに、またひにあらたなり」
この言葉は、大学という書物からの言葉になります。
(注:大学は、四書五経の中にあるもので、全文わずかに1753文字の小冊子であるが、
その内容は、「正心、誠意、致知、格物、修身、斉家、治国、平天下」のエッセンスを説いたもので、
冒頭の言葉は、その中に出てくる言葉であります。)
新たに 新たに 新たなり・・・と3度も”新た“という言葉が繰り返されています。
日々ついついマンネリな気持ちで過ぎてしまうこともあると思いますが
自分自身をしっかり修めるために、日々覚悟を新たに取り組むことが大切であり、
その心構えを説いたのが これらの言葉でもあります。
以前、日本を代表する経営者で東芝の再建などに関わって、行政改革などにも関わった土光敏夫さんも、
この言葉をモットーにして、リーダーとしての徳を磨いていたそうです。
この言葉を通じて、日々自分自身と対話しながら、
新たな新鮮な気持ちで毎日を過ごしていきたいと思います。
参考文献
『中国古典一日一言』守屋洋著 PHP研究所