【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第32回
「利は義の和なり」(山田方谷)
これは、今から約200年以上前に
山田 方谷(やまだ ほうこく)という方が、自著「理財論」の中で唱えていた言葉です。
1805年、備中松山藩西方村(現在の岡山県高梁(たかはし)市)に生まれ、
29歳で江戸に遊学し、佐藤一斎(いっさい)の門下に入り、32歳で故郷に戻ると、
藩校「有終館」の学頭に就任。その後、藩の財政改革を手掛け、
それまで10万両あった借金を、わずか8年で10万両の蓄財に替えた人物です。
(*今のお金に換算すると10万両は、約100億円とも言われています)
ここでいう「義」とは、国の事を考え、政令を整備し、人々を正しく導くことを指しています。
その結果、得られる利益をどのように人や社会の問題解決や幸せのために活かしていくのかを考えるのが、
リーダーだということを唱えています。まさに、山田方谷のような政治家がいれば、
日本の財政再建や産業の振興、も同時に得られるようにも感じます。
山田方谷の自著「理財論」には、その本質が書かれています。
何のための利益なのか、その利益をどのように活かしていけばいいかを
再度考えるきっかけにしていければと思い、ご紹介させていただきました。
参考 (『リーダーの指針 東洋思考』田口佳史著 かんき出版より)