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大塚勝利ブログ

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6月定例会 一般質問

2024-06-15 22:27:05 | 議会通信

昨日、調査をもとに一般質問を行ないました。
1. 強度行動障がいのある方の支援について
2. 医療的ケア児者の支援について
3. 学校管理下で発生した子どもの事故について

公明党の大塚勝利です。通告に従い、はじめに、強度行動障がいのある方の支援について質問します。
自閉症や重度の知的障がいによって自傷他害行為等が高い頻度で起こる強度行動障がいのある方の支援について、令和4年12月議会代表質問で質しましたが、その後多くのご家族からご相談があり、支援の必要性の高さがうかがえます。
知事の答弁の中で「国において強度行動障がいのある方の支援に関する検討会を立ち上げ、全国的に把握するためのルールに関する検討が始まっているところ」とし「強度行動障がいのある方への支援には、支援者の高い専門性と、落ち着ける空間の確保などの環境面での配慮が必要」と答弁されました。

その後、国においても強度行動障がいにおいて、環境調整が状態の改善に有効であるとし、令和6年度報酬改定で施設入所や生活介護に加え、グループホームについても環境調整を取り入れた初期のアセスメントへの報酬上の評価が盛り込まれたところです。
こうした国の動きを受けて、支援者の高い専門性、環境面での配慮など、強度行動障がいの方への支援体制を充実させる必要があると考えます。

先般、私は、強度行動障がいの入所型施設「志摩学園」を視察しました。同施設には強度行動障がいの方が50名、障害区分は平均5.9と重い方を受け入れ、専門病院が満室で入院できない方や他の施設を断られた方を受け入れており、県内には同様の施設はありません。
個室の壁はけ破られ、二人で抱えていないとトイレの水を飲んだり、異物誤えんの恐れがある等、特別な対応をとらねばならず、入所者の生活介護を行う生活支援員は不足し、また医療機関との連携など多くの課題を伺いました。定員は常に満員で、待機者は約50名、問い合わせを入れればそれ以上で、どこにも行き場がない方が潜在しており、ご本人、ご家族、施設事業者への適切な支援が必要であることを痛感したところです。
他にも、支援員のノウハウが不足しているため、重度の強度行動障がいのある方が入所を断られるケースがあると聞いています。

そこで質問です。県内の強度行動障害のある方の人数や、施設の受入状況を把握されているのか。県は今後、強度行動障がいの方の受け入れが進むよう、どのように取り組まれるのか、知事の所見を求めます。

次に、医療的ケア児者の支援について質問します。
先日、福岡市博多区にある社会福祉法人あきの会「虹の家」を親の会の代表と視察しました。同法人は重症心身障がい者の親たちから短期入所の受け入れ先がないとの悲痛の訴えに応えるため、平成26年に療養介護事業所を開設。乳幼児から成人まで医療と福祉の一体的な提供により多くの重度者の地域生活を支えています。現在68床で、56床を長期入所、12床を医療型短期入所の単独病床とし、長期入所に空きがあれば短期で受け入れ、ショートだけで一日14~15床、ショート受入れは日本一です。
それでも昨今入所希望が多く、断らざるを得ない状況とお聞きしました。
福岡市だけでなく近郊からの利用者も多く、重症者の割合が3割、生活介護も区分5,6が中心と近年重症者が多くなっています。

本県ではこれまで、重症心身障がい児者の実態調査を実施し、その結果、母親の負担が大きく、ご家族が短期入所を希望しても受け入れ先がなかったことから、圏域ごとに医療機関に加え、老健施設を活用するなど受け入れ先を拡充してきたところです。
令和5年度医療資源調査結果によると、県内の医療機関で診療を受ける20歳未満の医療的ケア児数は1,307人と推測され、令和2年度の調査773人と比較し、算出方法が異なる為留意が必要ですが、医療的ケア児は増加傾向にある中、医療資源の整備が急がれます。
以下現場の声から3点質問します。

問1.昨今、施設、圏域によって短期入所を希望しても受け入れ先がない状況をお聞きしました。理由として、施設によってそもそも短期用のベッドが少ないこと、新規の受入れはリスクを伴うこと等が考えられますが、県として現状をどのように認識されているのか、受け入れが進むようどのように対応されるのか知事の見解を求めます。

問2.親の会から、NICUから在宅に移行後、病状が悪化した時の相談先や乳幼児の医ケア児を受け入れるところがないとの不安の声や、施設からも乳幼児受け入れの問い合わせが多いと伺いました。在宅移行後に受入や相談を受ける医療機関が不可欠です。
また、介護する家族の負担軽減レスパイトも必要です。本県では在宅移行後に受け入れる医療機関を確保するため、どのような取り組みがなされているのか伺います。また、一時的に預けることができる医療機関を確保するため、これまで取り組んできた医療型短期入所や小児慢性特定疾患児等レスパイト支援事業に加え、どのように取り組まれているのかお伺いします。

問3.次に、障がい者施設の一番の課題は、受入れを増やしたくても人手が足りないこと、福祉人材の確保です。昨今、社会福祉士など福祉系の分野で学んだ学生が他業種へ流出していることが課題となっており、それらの学生を福祉へ呼び込む取り組みが重要です。
福祉分野で学んだ学生の確保に向けて知事の見解を求めます。 

問4,この項の最後に、医療的ケア児の学校への送迎について教育長に伺います。令和3年9月医療的ケア児支援法の施行を踏まえ、北九州市では肢体不自由特別支援学校に通う医療的ケア児のうち、スクールバスの利用が困難な児童生徒を対象に希望された方へ、令和5年7月から看護師が同乗する福祉タクシーによる通学支援を週に数回実施し、家族の負担軽減にもつながっています。本県では、令和3年9月議会で教育長から、「適切な通学支援の在り方について研究を進めてまいりたい」との答弁がありました。
そこで質問です。研究の結果を踏まえ、通学バスの利用が困難な医療的ケア児の通学支援について教育長の見解を求めます。

次に、学校管理下で発生した子どもの事故について教育長に伺います。
学校管理下での事故に見舞金などを支払う日本スポーツ振興センターのデータベースでは、2013年から2022年の10年間に学校での重大事故で亡くなった子供は全国で538人、何らかの障害が残った子どもは3,745人に上っています。

NHKがデータをAIで解析したところ、①中学、高校での体育の授業での心臓系突然死、②窓からの転落事故、③ゴールポスト等の下敷きになっての事故、④低学年に見られるミニトマトや白玉だんごなど詰まらせた給食中の窒息死など、ある地域では数年に一度でも、全国で見れば毎年のように同じような事故が繰り返されており、教訓が十分に生かされていない実態が明らかになりました。

また、名古屋大学の内田良教授や子どもの安全研究グループの専門家の方は学校で起きている事故はコピペ事故のようなものとし、子供の事故は新しいものはなく、どこかで起きた事故の繰り返しであるとしています。同じような事故が繰り返し起きる理由は、一つは、学校の安全管理が専門家でなく教職員に委ねられており、再発防止には欠かせないはずの調査が十分に行われていないこと、もう一つは、自治体間の情報共有の難しさであると指摘しています。

こうした学校での重大事故をなくそうと文部科学省は2016年に「学校事故対応に関する指針」を策定し、重大な事故の際には学校が調査を実施し、必要に応じて調査委員会を立ち上げて詳細な調査を行い、国に結果を報告するよう求めていました。

しかしながら、新聞報道によると、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度により見舞金などが支払われた小中高校などでの死亡事故は、2016~2022年度の7年間に少なくとも全国で456件あったところ、同期間にあった文部科学省への報告は141件であり、約7割が未報告であったとのことです。こうしたことから、今年の2月に文部科学省は指針を改訂し、学校事故の報告の徹底を図ったところです。

そこで教育長へ質問です。
問1、まず、改訂前の旧指針では、どのような事故を文部科学省へ報告するようになっていたのでしょうか。併せて、指針が策定された平成28年度以降、旧指針に基づき県教育委員会へ報告された死亡事故は何件なのか、また県教育委員会へ報告された重篤な事故はどのようなものがあったのか、お伺いします。

問2、次に、学校で事故が起こった際には、教職員が躊躇なくAEDを使用する等、適切な心肺蘇生法を身に付けておくことや、子どもたちも将来対峙するかもしれない緊急時のために、心肺蘇生に関する基礎を中高生の段階から学んでおく必要があると考えます。そこで、公立学校の教職員を対象とした、AEDを用いた心肺蘇生法に関する講習会の開催状況と、公立学校の生徒における応急手当に関する学習内容について教育長にお伺いします。

問3、この項の最後に、今年の夏も全国的に気温が高いと予想されており、これからの時期、熱中症事故が大変心配されるところですが、NHKの報道によると、2005~2021年度の17年間で、全国で21人が部活動中に熱中症やその疑いにより死亡、また、屋外での授業中や登下校中等の学校管理下においても熱中症が発生しているとのことです。そこで、お伺いします。
公立学校において熱中症事故を防止するため、どのように取り組まれるのかお伺いします。また、改訂された指針の内容を踏まえ、学校での事故を減らすために、県教育委員会としてどのように取り組まれるのか、教育長にお伺いします。

以下、知事、教育長の答弁骨子です。
一-①
問  強度行動障がいのある方の状況及び今後の取組について

○  昨年度、県が実施した市町村への調査では、障がい福祉サービスを受けて いる人で奇声や自傷といった行動が高い頻度で起こる強度行動障がいのある方は、約3,300人おられ、そのうち約2,300人がグループホーム等に入所している。
○ 県では、グループホーム等が強度行動障がいのある方に対し、適切な支援 を行うことができるよう、今年度から「強度行動障がい支援コーディネータ ー」を福岡地域の発達障がい者支援センターに配置し、グループホーム等に 対して、
・ 行動障がいの原因分析の方法
・ 一人ひとりの特性に応じた支援
・ 落ち着いて生活できる環境の整え方
等に関し助言を行うこととしている。
○  また、これまでの座学による支援者養成研修に加え、新たに県内2か所の 施設において、グループホームの中核職員を対象とした実地研修を行うこととしている。
より効果的な研修とするため、実施に当たっては、障がい者施設、医療機 関、支援団体等で構成する協議会を立ち上げ、効果的な支援方法、支援員の専門性の向上、環境面の必要な配慮など、その内容について協議することとしている。
これらの取組によりまして、強度行動障がいのある方の受入れを進めてまいる。

二-①
問 医療型短期入所事業所の現状について
○  県内では、現在、37の医療機関等で医療型短期入所事業を実施しており、一昨年度の実績では、延べ約4, 300人が利用しているところである。
利用者が希望する地域で、必要な時にサービスを受けることができるよう、 受入れ施設を増やすことが望ましいと考える。
○  県としては、医療型短期入所事業への理解を進めるため、実施を検討して いる医療機関を個別に訪問し、事業の内容、サービスに係る報酬額、事業所 指定の手続き等について説明を行っているところである。
○ また、医療的ケア児者への対応に不安があるとの声を受け、医療機関等の 職員を対象に、医療的ケア児者とのコミュニケーションの取り方や保護者への支援方法、喀痰吸引・誤嚥ケアの技術等を習得する実践的な研修を行っている。
これらの取組により、実施事業所が増えるよう努めている。

二-②
問  在宅移行後に医療的ケア児を受け入れる医療機関の確保について
○  県では、NICU等からの在宅移行後に病状が悪化した医療的ケア児を受け入れるため、あらかじめ専用の病床を確保した医療機関を「小児等地域療育支援病院」として指定している。
昨年度、福岡地域の2つの医療機関で4床を確保し、今年度中に残る3地域でも5つの医療機関で10床を加えて、合計7医療機関・14床を確保することとしている。
○  一時的に預けることができる医療機関については、御家族の負担軽減を図るため、議員ご指摘の既存のレスパイト事業に加えて、昨年度から、既存事業の対象から外れている医療的ケア児を受け入れる病床を確保している。
昨年度、県内4地域の4医療機関で12床を確保し、今年度中に1医療機関を加えて、合計5医療機関 ・13床を確保することとしている。
○  これらの取組を通じて、引き続き、医療的ケア児の在宅移行後の受入れや、 御家族の負担軽減に取り組んでまいる。
二-③
問  福祉人材の確保について
○  少子高齢化や世帯構成の変化等により、福祉サービスヘのニーズはますます増大しており、福祉人材の確保は喫緊の課題である。
  このため「福岡県福祉人材センター」において、福祉分野の就職支援専門 員が行う無料の職業紹介や、就職面談会などを実施し、福祉人材の確保に取り組んできたところである。
○  今年度からは、福祉を学ぶ学生の他分野への流出を防ぐため、新卒採用に係る広報活動が解禁される3月に合わせて「福祉の就活フェスタ」を実施してまいる。より多くの学生に参加していただくため、福祉系の学科を持つ県内の大学等を訪問し、学生に直接周知することとしている。
○  就活フェスタでは、参加した法人による職場の魅力のPRとインターンの 受付、福祉人材センターの就職支援専門員による自分に合った職場を探すためのアドバイスなどを実施することで、学生の福祉分野への就職意欲の向上を図り、福祉人材を確保していくこととしている。

ニ-④
問  通学バスの利用が困難な医療的ケア児の通学支援について
(教育長答弁)
○ 昨年度、通学バスの利用が困難などの理由で保護者が送迎している医療的ケア児の数は110名となっている。県教育委員会において、通学支援に関する他県の取組状況を調査したところ、昨年度は、試行も含め15都府県で実施中であり、主な方法としては福祉タクシーに看護師を同乗させる形態で通学支援を実施している。
○ 実施している県の課題としては、費用面に加え、看護師や福祉タクシーな どの車両の確保が困難であること、当日の体調不良によるキャンセルが多く、キャンセル料などで予算の見込みが立たないこと、車中での体調急変時の対応などがある。
○ 今後、これらの多くの課題を踏まえ、医師、弁護士、保護者等で構成される医療的ケア体制整備事業運営協議会において、医療的ケア児の通学支援の在り方について研究してまいる。
三-①
問  改訂前の「学校事故対応に関する指針」における事故報告について
  (教育長答弁)

○  平成28年3月に策定された指針では、校内や登下校中に発生した児童生徒の死亡事故について、国まで報告することとされていた。
  また、死亡までは至らない長期の治療を要する重篤な事故については、国 への報告は求められていないが、県教育委員会までは報告することとされて いた。
○  この指針に基づき報告された死亡事故は、学校内の事故が4件、登下校中の事故が3件の合計7件である。
また、休み時間に児童同士が接触して骨折した事例や、運動中に靱帯を損傷した事例等が、長期の治療を要する重篤な事故として県教育委員会へ報告 されている。
○  なお、児童生徒の自殺や学校給食における食物アレルギー事故については、個別に指針が整備されていることから報告対象からは除かれており、改訂後の指針においても同様となっている。

三-②
問  AEDを用いた心肺蘇生法の講習等について (教育長答弁)

○  県教育委員会では、毎年、各学校の初任者や学校安全の担当者を対象に、 AEDを用いた心肺蘇生法に関する実技研修会を実施している。
併せて、各学校で行う校内研修においても、消防署等の協力の下、同様の 研修を実施している。
○  また、生徒に対しては、AED等を用いた心肺蘇生法について保健体育科 の学習指導要領に明記されており、各中学校 ・高校において実習などを通した指導を行っている。

三-③
問  熱中症を含む学校事故の防止に向けた取組について (教育長答弁)

○ 県教育委員会では、学校事故の防止に向け、毎年、学校安全の充実に関する通知を発出するほか、各種研修会での指導や、施設設備の安全点検などの実態調査等を実施している。
○ 特に熱中症については、市町村教育委員会及び学校等に対し、児童生徒の こまめな水分・塩分補給や、暑さ指数等を活用して必要な場合には躊躇する ことなく計画の変更・中断を行うことなど、適切な措置を講ずるよう通知し ている。
また、保健主事研修会等において、熱中症の起こる状況や症状と、これを 防止するための具体的な方策について指導を行っているところである。
○  今後、類似の事故を防止するためには、学校間・市町村間の事例の共有が 重要である。
新たな指針においては、この点に鑑み、国への報告対象に、意識不明など 死亡に至らない重大な事故が追加されたほか、県に報告された事案についてその原因・傾向、再発防止策等を取りまとめ、周知することとされた。
県教育委員会としては、本県の事案や国から提供される具体的な再発防止策などを各種研修会の場において積極的に周知するなど、学校事故の未然防止に一層取り組んでまいる。

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