大塚勝利ブログ

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予算特別委員会 介護分野の委託訓練について質問

2024-03-25 16:10:12 | 議会通信
予算特別委員会で、介護分野の委託訓練について市民相談をもとに質問しました。(答弁はあくまで骨子です。)

介護関係職種の令和4年の有効求人倍率は、3.71となっており、全職種の1.16に比べ人手不足の状況です。介護事業者からも介護人材の確保は深刻との声を聞いています。介護職としてキャリア形成していくための重要な資格として「介護福祉士」があります。「介護福祉士」の受験資格を得るためには、3年以上の実務経験に加え介護職員実務者研修を修了していることが必要です。実務者研修は、国や県もより多くの方が受講できるよう取り組んでおり、受講時間数は450時間、受講期間は、約6か月で実施されています。今回はその中で、県が公共職業訓練として実施している介護分野の委託訓練について質問をします。

問1 まず、委託訓練とは何か説明願います。
(答)
1 県の公共職業訓練は、離職者や転職者、新規学卒者を対象に、県内7つの高等技術専門校で行う施設内訓練と、民間教育訓練機関などを活用して行う委託訓練があり、いずれの訓練も、受講に当たってはハローワークへの相談、申込が必要です。

2 このうち、委託訓練は、求職者の就業に対する適性や能力が様々であることや、雇用失業情勢の変動に応じて機動的・効果的に多様な職業訓練の受講機会を確保する必要があることから、国からの委託を受けて、県が民間教育訓練機関や団体等を活用し実施している職業訓練です。

問2 本県が行う委託訓練には、介護やIT分野など、求人が多く見込まれる分野において実施されていますが、プログラムやコース数、定員の設定はどのように行われているかご説明ください。また、昨年度の委託訓練全体のコース数、定員についてもご説明ください。
(答)
1 プログラムやコース数、定員の設定につきましては、地域のハローワークや企業・業界団体等へのヒアリングにより、求人ニーズを把握するとともに、求職者の応募・就職動向等を勘案しながら、国との協議のうえ設定しております。

2 また、昨年度の委託訓練のコース数は、全体で179コース、定員は4,104人となっています。

問3 介護分野の委託訓練について、直近3年間の受講者数の推移についてご説明ください。
(答)
1 介護分野の委託訓練における直近3年間の受講者数ですが、
  令和2年度は324人
  令和3年度は308人
  令和4年度は292人となっており、受講者数は減少傾向にあります。

問4 受講者数は減少傾向にあるとのことですが、なぜ減少しているのかお尋ねします。 
(答)
1 訓練の受講に当たっては、ハローワークへの相談、申込が必要ですが、雇用情勢の改善が進む中で、ハローワークへの就職相談や訓練に係る相談は、全体として減少傾向にありま す。
2 特に、介護分野については、待遇や勤務時間等の労働条件が希望に合わない、あるいは、すぐに就職したい等の理由により、訓練を希望する方が少なく、受講者も減少していると考えております。

受講者数の減少については、国の指定法人である「公益財団法人介護労働安定センター」が無料で実務者研修を実施していることも影響しているのではないでしょうか。
当該センターが令和5年度に実施した介護労働講習(実務者研修)は、本県での募集定員が44人で、研修期間は6月から11月の6か月間となっています。
多くの受講機会を提供することはよいと思いますが、このセンターが実施する研修も、委託訓練と同様にハローワークを通じて申し込む必要があります。
そこでお尋ねします。

問5 国と県の研修時期が重なることで、受講者が分散し受講者が減少していると聞いています。センターが実施する実務者研修と委託訓練の実務者研修との調整はなされているのでしょうか。
(答)
1 介護労働安定センターの実務者研修は、国の事業として、全都道府県において年1回実施されています。受講料無料で 離職者や転職者を対象としているため、委託訓練と同様、ハローワークへの申込が必要となっています。

2 委託訓練の実務者研修を実施するに当たり、今年度については、研修期間が一部重なった委託訓練で、受講者数が定員を下回ったことから、今後は、センターの実務者研修の実施時期を勘案しながら、訓練時期を計画してまいります。

 訓練期間が一部重なり、受講者が減少した事例もあったということでした。ぜひ、訓練時期が重ならないよう、また年間を通じて受講できるよう、訓練開始時期の検討をお願いしたいと思います。


問6 そのうえで、委託訓練の実務者研修も積極的に紹介してもらうよう、ハローワークに働きかけてはいかがでしょうか。


(答)
1 委託訓練では、求人情報の提供や就職相談などの就職支援も行っており、実務者研修修了者の昨年度の就職率は、93.2%となっております。

2 ハローワークに対しては、こうした高い就職実績を委託訓練の実務者研修の強みとして、積極的に求職者に紹介してもらうよう、引き続き働きかけてまいります。

 委託訓練では、応募者が、受託事業者の設定する最少受託可能人数を下回った場合には、訓練を中止することもできるとされています。委託費は受講者数に応じて算定されるとのことですが、実務者研修の受託事業者によると、受講決定後に辞退したり訓練途中でリタイアする人も多いため、結果的に受講者数が最少受託可能人数を下回り、実施経費が委託費で賄えず赤字になったことがあるそうです。
また、委託費の単価は国が定めているとのことですが、長年据え置かれており、実務者研修を実施するに当たっては、講師などの人件費の上昇や物価高騰など、事業者は大変厳しい状況にあります。
実務者研修を実施していた福岡市の事業者が1社撤退したとも聞いており、このままでは、介護分野の委託訓練を受託する事業者がいなくなるのではないかと大変危惧しています。

問7 介護分野に限らず結果的に最少受託可能人数を下回り実施経費が賄えないなど、こうした事業者の大変厳しい状況を県は把握されているのでしょうか。せめて最少受託可能人数分の委託費は事業者に保証すべきと考えます。また、委託費の単価についても見直す必要があると考えますが、県はどのように考えておられるのか伺います。
(答)
1 介護分野に限らず他の分野においても、委託訓練の受講中に就職が決まるなど、訓練の途中でやめる人があり、結果的に受講者数が最少受託可能人数を下回ったケースがあったことは承知しております。


2 また、委託費の上限単価については、10年以上据え置かれている状況であり、受託事業者へのヒアリングでも、物価等の上昇を踏まえた見直しを望む声がありました。

3 委託費等の諸条件は、国の委託訓練実施要領に定められており、県はこの要領に基づき実施する必要があることから、委託費の単価等については、国において検討されるものと考えております。

4 そのため、昨年9月に、厚生労働省に対し、本県の委託訓練の現状を説明したうえで、訓練開始後に最小受託可能人数を下回った場合の委託費の保証や、上限単価の見直し等について要望を行ったところです。

問8 公共職業訓練として実施している委託訓練において、実施経費を賄えないことは制度として如何なものか、と考えます。委託費単価の改定や最少受託可能人数
  分の委託費の保証について県としても検討すべきと考えますが、局長の見解をお聞かせください。
(答)
1 物価や人件費の上昇など社会経済が大きく変化している中、委託訓練の委託費の単価は長期間据え置かれたままとなっています。
 さらに、訓練の途中で就職等により訓練生が減少し最少受託可能人数を下回った場合について、訓練継続に必要な経費の保証はなされておりません。

2 委託訓練は、求職者の多様なニーズに応じた職業訓練を実施することにより、早期の就職を支援するものです。
  県は、国からの委託を受け、国の要領に基づき実施しているところであり、実施要領に定められた委託費の単価等の制度の見直しについては、国において検討されるべきものと考えております。

3 県としては、質の高い委託訓練を、求職者に安定的に継続して提供するためには、委託費の見直しと保証は重要であると考えております。
そのため、昨年9月に厚生労働省に対し要望を行ったところであり、引き続き、国に対し強く働きかけてまいります。
 
局長からも国に対し強く働きかけていくという答弁もいただきました。
 委託訓練は、国が雇用保険制度として実施している能力開発事業です。委託訓練の制度設計に当たっては、訓練の受講を希望する離職者や転職者の方がしっかりとスキルを身に付け就職に繋げていけるよう、受託事業者の安定した質の高い訓練が重要です。就業に向けた意欲のある人に、民間の力を活用して実施するものであり、くれぐれも受託事業者が訓練を継続することができないような状況とならないようしっかりと国に強く要望をしていただきたい。
これで質問を終わります。

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