大塚勝利ブログ

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本県の留学支援奨学金と留学の相談支援について(12月議会一般質問から)

2016-12-13 00:28:08 | 議会通信

福岡県議会12月定例会の一般質問からです。

本県の留学支援奨学金と留学の相談支援について質問します。
グローバル化の時代にあって、高い志を持ち、世界で活躍する人材を育成することは重要な課題です。文部科学省の調査では、諸外国から海外留学する学生数は中国をはじめ増加する傾向にある一方、海外へ留学する日本人学生数の現状は2004年の約8.3万人をピークに2011年は約5.8万人と7年間で3割減少、高校生の海外留学についても近年減少傾向にあり、3か月以上の留学は、2004年の4,441人から2011年は3,257人と約3割減少しています。一方、高校生を対象とした2011年度の調査で留学したいとする回答が42.3%、したいと思わないが57.7%となっており、約半数近くは留学に興味を持っていることがわかります。政府では日本人の海外留学生を2020年まで倍増を目指す取り組みが始まっていますが、本県も意欲と能力のある若者に留学の機会を与えるよう更に推進していただきたい。

以下、学位取得を目的とする留学と、3か月から1年程度の短期留学を区別するため、学位取得を目的とする留学を外国大学への「進学」と表現して質問をいたします。
ある県立高校の生徒から将来の夢を実現するためにアメリカの大学へ進学したいとの相談がありました。様々調査したところ、アメリカの大学入試は、共通テストであるSAT(入学適性試験)のスコア成績に加え、高校の成績や課外活動、ボランティア実績などを書類選考で総合的に評価する制度であり、日本だけでなく、中国、韓国、インドからも有力大学を目指す動きが強くなっているようです。
SATとは読解、数学、論述の3教科で高校での達成度を測る全米共通のテストで年7回実施され、希望する時期に何度でも受けることができ大学の定める期限までの最高点を提出し評価されます。入学資格の基準は、大学によって様々ですが、SATのスコアの他、志願動機についてのエッセイ、高校の推薦状、親の年収など財政能力証明書のほか高校時代、ディベート部や科学五輪などで受賞実績のある生徒が評価され多数合格しているようです。つまり日本の高校生でもSATとエッセイで結果が出せれば入学できるチャンスがあるということです。しかしながら、実際に日本の高校生が希望しても、どのような大学があり、学力のレベル、受験手続、学費、奨学金、現地での生活、帰国後の就職活動など進学に関する情報が不足しており相談窓口が必要です。

私は平成21年の決算特別委員会で本県の外国大学進学支援事業と福岡県アンビシャス外国留学奨学金制度について質問しました。外国大学進学支援事業は県内の高校生、高校卒業者を対象に、立命館アジア太平洋大学で5日間定員50名が英語での授業を受け、外国大学を疑似体験する事業と、外国大学への進学を希望する者を対象に、願書やエッセイの書き方、SATの学習方法等を学ぶ4日間のセミナー、合格者を対象に入学手続きなど情報の提供を受ける3日間のセミナー、入学までの間、英語力とスタディスキルを徹底的に学ぶ15日間のトレーニングからなる大変きめの細かいプログラムで、外国大学の進学を目指す本県の高校生を支援し希望に応える制度です。さらにアメリカ、イギリスの8つの大学と提携し、ボストン大学、ペンシルバニア州立大学、マスキンガム大学、リーズ大学など名だたる大学を進学希望者に県教育委員会から紹介する制度があり、本県の貴重な財産であります。しかしながらH18年度から始まったこの制度は6年間実施されたものの現在廃止されています。
外国大学を目指す生徒にとって、特に外国大学の情報を入手し、願書やエッセイの書き方、SATの学習方法を学ぶことは大変重要な取り組みです。

本県の、私立高校の高校生の留学の状況を確認したところ、外国大学へ進学した人数は調査しておらず、海外の高校へ3か月間以上留学した人数については、2年ごとに調査されており、平成25年82名、平成27年77名との現状でありました。

Q1 そこで教育長に3点伺います。
まず、本県の県立高校から外国大学へ進学した人数及び海外の高校へ留学した人数の現状と傾向をお尋ねします。

Q2 本県では28年度予算で海外の高校へ短期留学を希望する高校生の留学経費を助成する制度があり、文科省でも高校生の短期留学には手厚い支援がありますが、学位取得を目指す高校生の支援も必要ではないでしょうか。本県ではかつて先進的な取り組みである外国大学進学支援事業があり、学ぶ意欲をかき立て、その希望を叶えるため道筋にそってサポートする大事な取り組みでした。それが廃止された理由についてお伺います。

Q3.先ほど述べたように外国大学の進学についての情報を提供することで、意欲が高まり挑戦したいと希望する生徒が出てくるのではないでしょうか。外国大学進学支援事業の終了後、本県では外国大学の進学及び高校への留学に支援について、情報をどのように提供されているのか、また、高校生からの相談に県教委では現在どのように対応し、支援されているのか、お伺いします。

外国大学へ進学を阻害する要因として、学費の高さが言われていますが、アメリカの大学では日本の大学と比べ高額であり、経済的負担から学費を聞いただけで進学を断念することが多いのではないでしょうか。一方、アメリカでは各大学で奨学金制度が充実していますが、合格発表後に試験結果や親の年収等によって個々に金額が決定するため不確定な要素が多く、想定より多めに学費を準備しなければならず、大きなハードルとなっています。
その中、本県のアンビシャス外国留学奨学金制度は、学位取得を目指す高校生を対象とする奨学金で金額も上限年間200万円を最長4年間、給付型の制度です。文部科学省や他の自治体、民間団体では、高校在学中の短期留学、大学生、大学院生対象の奨学金制度は数多く存在しますが、学位取得を目指す高校生への奨学金制度は本県の他、埼玉県と1民間団体しかなく素晴らしい制度であります。しかしながら、ここ3年間の応募数、決定数の数をお聞きしたところ、平成26年度は応募数16、内定数3、27年度は応募数23、内定数3、28年度は応募数18、内定数3と、率直にもっと多くの生徒が応募をしてもよいのではないでしょうか。

一人でも多くの生徒が本県の奨学金制度を活用し、外国大学へ挑戦できるよう、3点について知事に質問します。

まず、アンビシャス外国留学奨学金制度の実績についての知事の所見とともに、現在どのように広報を行っているのか、伺います。

2点目に申し込み時期についてお聞きします。今年度の申し込みは9月9日締め切り、結果発表は11月上旬となっています。一方、大学から入学許可が出るのは3月です。申し込みの時期は、希望者にとってSATや制度の資格要件であるTOFELのスコアアップに全力を挙げている時期であり、申し込みの時期を遅らせることでより多くの生徒が応募できるのではないでしょうか。申込をこの時期に設定されている理由について知事に伺います。

3点目に奨学金制度の拡充について伺います。奨学金の内定は進学するか断念するか、判断する上で重要なポイントです。本県の制度は毎年若干名の方が奨学生となり、奨学金は上限200万となっていますが、さらに対象者を増やし、例えば上限100万の枠を拡充することで進学を断念せずに支援につながるのではないでしょうか。あわせて本県の制度では留学中の方は対象外ですが、埼玉県の制度では、すでに外国大学へ進学し毎年高額の学費を払い続けるのが困難な方もいることから留学中の方も対象としています。本県でも検討されてはいかがでしょうか。奨学金制度の拡充について知事のお考えをお聞きします。

あわせて、平成21年度から開始された本制度は篤志家の方からの3億円の寄附を原資に基金が設置されています。全国に例のない人材育成の貴重な制度でありますが毎年残高は減少しています。今後も本制度を継続できるよう、一般財源からの積み増しや賛同いただける県民からの寄附をいただけるよう取り組まれてはいかがですか。知事のお考えをお聞きします。


小川知事からは、アンビシャス外国留学奨学金の継続と対象者の拡大については、
○本奨学金は、県内の篤志家の方から、3億円の寄附をいただきアンビシャス外国留学支援基金を創設し、実施しているものである。
○基金の残高は、現在約1億8千万円となっており、今後、毎年3名程度の支援を決定した場合、約5年程度は奨学金制度の継続が可能であると考えられる。
○しかしながら、その後も本制度を継続するためには、基金の趣旨に賛同いただける皆さまから、広くご寄附をいただくことが必要であると考える。
○このため、奨学金の趣旨や実績を積極的に広報するとともに、ふるさと納税制度の活用を含め、基金を充実させる方法について検討してまいる。
○また、対象者の拡大についても、基金充実と併せて、検討してまいる。等、答弁がありました。


(大塚勝利)知事、教育長、ご答弁ありがとうございました。
高い志と、チャレンジ精神あふれる高校生への支援がさらに広がることを期待します。
教育長に2点要望します。
2.相談体制についてです。今後、文部科学省の制度や、教育庁の高校留学の事業を活用して、進学、留学を希望する生徒が数多く出てくることを期待しますが、大学生と違い、高校生の進学および留学には、学校が深く関わります。高校教育課の留学の担当者はもとより、各高校の進路担当の進学、留学についての知識、指導力を深めていただきたい。先ほどご答弁いただきましたが重ねてお願い致します。

外国大学進学支援事業で、立命館アジア太平洋大学で外国留学を疑似体験する事業に触れましたが、貴重な体験は潜在する留学したいとの希望を引き出すきっかけとなったり、経済的理由等で、留学や進学は現実厳しい生徒にとっても、語学力の習得等にきっかけになるのではないでしょうか。定員、日数を縮小しても今後このような事業を再度検討されることを要望します。




アンビシャス外国留学奨学金の継続・拡充を検討!

2016-12-13 00:27:31 | 議会通信
福岡県議会12月議会で一般質問に立ちました。本制度は学位取得を目指す高校生を対象に上限200万を最長4年間、給付型奨学金で全国でも例のない制度です。平成21年開始以来26名が外国大学へ留学、うち13名が学位を取得し卒業、国内外でグローバルな人材として活躍しています。
この奨学金は篤志家からの3億円の寄附で基金を創設し実施していますが、財源があと5年程度しかなく、継続へ寄附等検討してはと提案、継続へふるさと納税等を活用し基金の充実を検討する、と小川知事から答弁、あわせて年間3名程度の対象者の拡大もあわせて検討すると答弁がありました。
福岡県から高い志とチャレンジ精神あふれる高校生が陸続と輩出されるよう、期待します。