鬼橋ブログ

鬼界浩巳事務所の構成員、鬼界(きかい)と橋本が書く日誌です。ブックマークからHPにも行ってみてね。

イタリアぼんやり旅行 9

2006年09月08日 | 旅行
日直・橋本


 「たとえ言葉が話せなくても、伝えようとする気持ちがあれば、なんとか伝わるものだ。」
というのも、確かに正しいが、
その「気持ち」を正確に伝える「言葉」は、やはり大事だし、必要だ。

 フィレンツェ滞在中、
買い物をして、少々荷物が増えてしまった為、
旅に不要なものを自宅に送ってしまうことにした。
ガムテープは日本から持参した。
ダンボール箱は、たぶん郵便局で売ってるだろう。
まずは、それを買って来て、箱づめして、再度、郵送手続きに行こう。
重い箱づめ荷物を持って郵便局を探すハメにならぬよう、
ダンボールを買いがてら、郵便局の場所をシッカリ把握しとこう。
案の定、ホテルのフロントいわく「徒歩約6分」のところを、
地図と首っ引きになりながら約30分もかかって見つけた郵便局は、
さすがフィレンツェ、ルネッサンスな建物。
デカイ。
広い。
両側に5つか6つづつの窓口が並び、
はさまれた中央の奥に、売店らしきスペース。
左側の窓口らは、預貯金などの金がらみを扱い、
右側の窓口らが、郵便関係っぽい。
窓口ごとに電光掲示板で番号が表示されている。
日本と同様、番号札を持って順番待ちするシステムのようだ。
おそらく地元の人々が主であろう客たちと、
それに対応する郵便局員らは、
機能的に、スムースに、事を進めている。
ワイワイ、ガヤガヤ、イタリア語が飛びかっている。
ビビる。
日本ででさえ、公共機関では、意味なくビビる私。
そのうえ、言葉が通じないとなると・・・。
幸い、ダンボール箱を売店で買って出て行く青年を目撃。
急いで、売店へ。
イタリア語しか話せないレジのおねーさんと、お互い身ぶり手ぶりで話し合い、
ほど良い大きさの箱をナントカ手に入れた。
 1時間後、買ったダンボール箱に荷物を詰め、再び郵便局へ。
入口に設置してある発券機を見よう見まねで操作したら、番号札が出てきた。
ベンチに座り、順番を待っていると、
同じダンボール箱で荷物を送ると見えるカップルがやって来た。
入口の横で用紙を選び、「配達票」を作成している。
あ!
やはり「ゆうパック」形式で、
宛て先住所等は、送り状に書いて、それを貼って郵送するのか?!
箱に、黒マジックで直接デカデカと住所・氏名を書いて安心していたが、やはりダメか?
やっと順番が来たのに、窓口で、
「これじゃダメだ。用紙を書いたうえで、並びなおせ。」
と言われたら面倒だ。
書いておかなくちゃ。
小包郵送用の用紙は3,4種類あり、イタリア語での説明文は、まったく解読できず。
送り先の地域別とか?
迷いに迷って、結局、
カップルのをノゾキ見て、それと同じ用紙をチョイスし、記入した。
いざ順番になり、
窓口に行くと、英語は2割程度しか話せないオバさんだった。
荷物と共に、例の用紙を提出。
それを一瞥したオバさんは、引き出しから書類を出し、
「これに記入しろ。」と言う。
ズラズラとイタリア語で設問が書いてある。
送り先住所・氏名はもちろん、宿泊ホテルの住所・電話番号、
荷物の中身、価格なども書かせられた。
国名を日本語で書いたら、「イタリア語で。」と言われ、書き直し、
署名をローマ字で書いたら、「日本語で。」と言われ、書き直した。
くそ・・・。
その間、オバさんは、荷物の重量を量ったりしている。
ようやく記入し終えた数枚の書類に、オバさんは、やっとオーケーを出し、
いくつかの判を押し、
料金を述べた。
日本円で、2万3千円。カード不可。現金のみ。
げろげろーーーーーーーっ!?
たかがスパゲッティ送るのに、2万3千円かよ!?
クソ言ってんじゃねーよ!
以前ニューヨークから荷物を送った時は、
確か千円前後で送れた覚えが・・・。
ここで、冷静かつイタリア語ベラベラの人であれば、
「高すぎる。金がない。1番安く送れる方法を教えてくれ。」
と言えたことでしょう。
んが、
冷静でないうえに、
書類作成に四苦八苦し、オバさんにも迷惑をかけながら、やっと料金の支払い段階までこぎつけた人間には、
「高い。送るの、やめる。」というアイデアなぞ、
ツメのさきほども浮かばなかったです、はい・・・。
予期せぬ大出費。
がっくり・・・。
2万3千円も有りゃ、カバンの1つも買えた。
それにスパゲッティ入れて持って帰って来りゃよかった。
どうやら、
「最も速く最も安全に荷物を送るサービス満点コース」の用紙をチョイスしてしまったらしい。
補償額が高いので、書類もキビシク書かされるのだろう。
サービスなんか、いらねーんだよ!
半年後に着いたって腐らねーんだよ、スパゲッティは!
あのカップルのせいだ。
アイツらさえ来なければ。
そして、あの窓口のババァも悪い。
あの用紙を提出した時、なぜ一言「お高いですよ。」と言ってくれない?
なぜ「スパゲッティごときには、不相応ですね。」と忠告してくれない?
なぜ、
「箱にジカにマジックで住所が書いてあれば、定形外っつーことで送れますよ。」
と教えてくれない?
それもこれも、言葉の不自由さのせいなのか。
帰国すると、
「荷物に対するナントカ税不足のため3千3百円払え。」と請求書が来ていた。
悪夢だ。
疫病神だ、スパゲッティは。


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