少し前のことですが、
はじめておむすびを利用してくださったお母さんが、
いそいでお迎えに来た時のことです。
玄関にはいって、靴をぬごうとしたとたんに、
突然お母さんの目から涙があふれ出しました。
「すみません、こんなに長く離れていたことがなかったので。」
と抑えていた気持ちを口にしました。
保育時間は、2時間半くらいだったと思うのですが、
お母さんにとっては、とても長い時間に思えたのでしょうね。
用事がすむ間、待っている間、
早くおわらないかな~、うちの子どうしているかな~、
泣いていないかな~と、考えをめぐらせていたにちがいありません。
我が子を思う自然な気持ち、言葉に言い表せない感情が、
赤ちゃんの姿を見た時
思わず湧き出て、涙となって流れ出たのです。
たぶんそれは、お母さんも予期しなかった現象だったのでしょう。
お母さんにとって、初めての体験だったと思います。
それは、赤ちゃんを出産し育ててきたからこそ、
母親になったからこそ、りくつでなく、いだく感情なのでしょうね。
うれしいこと、大変なこと、子どもを持ったことで、人間は
いろいろな経験をします。そしてその経験が人をまた
成長させてくれるとも言えると思います。
今回の経験で、お母さんは、自分の子どもに対する気持ちを
あらためて確認し、
赤ちゃんとの絆をより深くしていったのではないでしょうか。
ママに会えて安心した表情の赤ちゃんを
大切そうにだっこして帰るお母さんを見送りながら、
これからも、この気持ちを大事にして子育てを
がんばっていってほしいなと思いました。