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「そり」を美しいと

2020-11-03 19:59:07 | ◇ アート

2020年度の文化勲章受章者に彫刻家の澄川喜一氏が選出されました。
山口県岩国市の名誉市民です。

具象彫刻から抽象彫刻へと移っていき、やがて木という素材の特性と自らの表現が重なり「そりのあるかたち」にたどり着きます。


⇒美術手帖

東京スカイツリーのデザインの監修に加わり、タワーの形に「そりとむくり」を取り入れています。
タワーは一直線ではなく、見る位置によって変わる不思議な形なのです。


「反り」とは、しなやかな湾曲のこと。
「起り」とは、ゆるやかなふくらみのこと。
⇒澄川喜一

「そりとむくり」は日本刀で見ることができます。
日本刀の刃先側は「むくり」、反対側は「そり」
美しい微妙な曲線となっていて、日本ならではの繊細な美です。
それを美と感じる日本の感性なのでしょう。


⇒刀剣ワールド

澄川氏は島根県生まれ。
山口県岩国市の工業高校へ入学しますが、そこで出会った錦帯橋が芸術家として氏の原点だといいます。(⇒光村図書
木造のアーチの橋が氏の心を強く打ったのです。


⇒Tabit Life

澄川氏が錦帯橋を見て美しいと感じたのは、特に橋の裏側だったのかもしれません。
橋の裏側はいわば「そり」の形
それがいまも追及している「そり」につながっているというのは、驚くばかりです。
芸術家が持っている内なるセンサーというものは、どんなものなんでしょうね・・・

所で、日本列島も「そりとむくり」のかたち、のような・・・・


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