安らかに…

2年前くらいにフラッと突然我が家の庭に現れた1匹の野良猫。

我が家は地域猫(去勢・避妊手術済)を数匹お世話していて

地域猫の子達について来たら我が家にたどり着いたのかもしれない。

うちの地域猫達は町内の皆さんから温かく見守られていて

猫に悪さをする人は誰もいません。

何なら皆さん手術代やご飯代をカンパしてくださっていて

本当に地域でその一代だけの命を見守っているという感じです。



突然現れたその子は状態がとても悪く、ボロボロで

そんなに命は長くないんだろうな…という感じでした。


最初は視線を感じただけで逃げていましたが

地域猫達がネコちゃんハウス等で寛いでいる姿を見て安心したのか

自分も他の子と同じように寛ぐようになりました。


安心出来る場所だと思ったらしく

そこからほぼ離れる事なく1日を過ごすようになり

寒い冬には暖かい部屋とふかふかの寝床、

暑い夏には涼しい室内に入れてもらい

美味しい食べ物も毎日もらい

本当に幸せそうにしていました。


他の猫達も分かるのか、全員がご飯も先にこの子に譲ってあげて

その子が満足して食べ終わるまで待ってるんです。

そして食べ終わったら自分達が食べる…という感じで。

これには本当に感心しました。


今までとても過酷な人生を送ってきたであろう事は

その姿を見れば容易に想像出来ます。


残り少ないであろう命、

最後くらい安心して幸せに過ごさせてやりたい…と

大切にしていました。


我が家に現れてから2年。

昨日、我が家で息を引き取りました…。

父の側で。

最期を迎える場所を自分で決めて

それが我が家で父の側だった…。


たった2年ではあるけれど

とても幸せな2年だったと思う。

それまでは本当に過酷な人生だったけど

最期の2年はとてもとても幸せに暮らしていたと思う。

家族でその子の思出話をしながら

その子がもう居ない事にまだ慣れていなくて

『もう居ないんだったな…』

と、寂しくなる。

細く小さいけれど、とてもとても大きな存在でした…。


どうか安らかに…。
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