にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

どっちが正しいの?

2007-07-22 | オーマイニュース

一昨日、新橋の居酒屋で勝手カフェ市民記者交流会と称する会合が開かれました。6月の報告記事の予告どおり、元木昌彦オーマイニュース(以下OMN)編集長も参加して、質問に答えたようです。今日、早速市民記者による元木氏へのインタビュー記事が掲載されていますが、4月にOMNのサイト上を賑わせ、札幌カフェでも元木氏が釈明に追われた 国民投票法案の是非を問う!【註】 について再度質問がありました。元木氏の回答には多くの疑問点がありますが、このエントリでは、OMNの双方向性と公平性に言及した2つの質問への元木氏の回答にみられる矛盾点に特に目を向けていきます。

今回気になったのは、実は一連の記事を書いた著名人(聞き手の古木杜恵氏を含む)がコメント欄に登場した事があったと元木氏が解釈しているようにもとれる点です。それぞれの質問への回答を一部引用してみましょう。まず、双方向性に言及した質問への回答に含まれていたのはこちら。(引用部分はイタリック体で表示。フォント拡大・太字は筆者)

いや、プロ記者のコメントがなくはなかった。また、記事に対する反対意見も一方的だった。噛み合わなかった。俺は法案に反対だから記事を載せた。それに反対の意見も載せた。ボツにしていない。記事に対するコメントに対して彼らも何か言いたいことはあっただろう。俺には言ったけれど。あれはプロにいろいろ議論を広げてもらうために書いてもらった。だから前提が違う。

この中にも疑問に感じる点はありますが、今回はそれには触れずに先に進みます。公平性に言及した質問への回答はこちら。

プロ記者の方からのコメントがなく市民記者の方々が、寂しく思ったことに関しては理解できます。

さあ、果たして元木氏のいうプロ記者のコメントはほんの少々でもあったのでしょうか?前述の特集コーナーに収録されている記事を調べてみました。

この時点で収録されている記事は全46本。そのうち元木氏の記事が1本、主権在民!共同アピールの会のメンバーを中心とした元木氏の知人の著名人による記事が 談 聞き手・古木杜恵 のクレジットがあるものを含めて7本、若手国会議員リレーインタビュー(3本)を除いたOMN編集部(員) による記事が2本ありました。下に示すのは計10本の編集部発の記事に1度でもニックネームでコメントをつけた人の一覧です。


前述の10本の記事のコメント欄には、元木氏や知人の著名人による実名でのコメントはありませんでした。ですから、この一覧のペンネームが全て一般の市民記者か編集部員のものならば、元木氏あるいは知人の著名人のコメントは無かったという事になります。文脈から判断する限り、元木氏のいうプロ記者は聞き手の古木氏を含めた知人の著名人を指しているものと思われます。読者にしても、質問をした記者にしても、そこに朴哲鉉記者や吉川忠行記者が含まれるとは考えないでしょう。

そうすると、元木氏曰く「なくはなかった」プロ記者のコメントというのは何処にあるのでしょうか?これは双方向性についての言及に答えたものですから、本来ならば実名にせよニックネームにせよ執筆者本人とわかる形でコメントに答えた人が1人でもいなければおかしいでしょう。しかし、それと推測されるコメントを見つけることはできませんでした。元木氏の記憶にあるなら、執筆者の誰がどのニックネームでコメントしたのかを明らかにして欲しいものです。元木氏が、OMNには書かなかったが自分には伝えた事をもって「なくはなかった」と答えたのであれば、こうやってエントリを立てた事自体がバカらしくなるのですが、まさかそのような事はないでしょう。

これまでは、この場で元木氏が挙げたプロ記者の皆さんはOMNに記事や談話を書きっ放しにしてそれっきりの人ばかりだと十把ひとからげに扱っていました。しかし、今回の元木氏の発言で、その確信が揺らいでいます。

果たして元木氏のいうプロ記者のコメントがなかったのかなくはなかったのか、せめて先日の「闘う居酒屋」のように映像が配信されていれば、アップされた動画からニュアンスを感じ取る事もできるのですが、今から嘆いても始まりません。ひとまず、他の参加者の記事投稿に期待します。しかし、何よりも待っているのは元木氏本人によるレポートです。

元木氏は4月の札幌カフェについては記事を書きませんでしたが、札幌カフェと今回の交流会、時期も場所も違う2つの会合で複数の市民記者から同じような疑問を投げかけられました。それによって元木氏に何らかの心境の変化が起きていればいいのですが、さてどうなりますか。


【註】法案成立後「国民投票法成立、さてこれから?」に改題


僭越ながら、文章講座

2007-07-22 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)では、29日投票の参院選に向けニュース特集・企画の1部門として 2007参院選 何でも情報大集合 のコーナーを設けています。昨日23時現在でこのコーナーのトップになっている記事がこちらです。この記事はOMNの吉川忠行記者によるものですが、少々気になる一文があるので引用します。(引用部分はイタリック体で表示、フォント拡大・太字は筆者)

今回の動画制作は営利目的ではなく、中田さんが個人的に行ったもので、特定の企業や団体とのつながりはないという。

これはサッカー元日本代表の中田英寿氏が、YouTubeで参院選の投票を呼びかける動画を公開した事を紹介した記事からその一部を抜粋したものです。どこが気になるのか、似たような表現があった朝日新聞の 「選挙に行こう」中田英寿さんが呼びかける動画 と比較してみましょう。

所属事務所によると、引退後に続けている「自分探しの旅」の中で、「多くの問題を抱える日本を変えるため、選挙への投票を広くPRすべきだ」と考えたといい、特定の党派や候補を支援するつもりはないという。

どちらも「・・・という。」で終わる形なのは同じですが、OMNの記事はこのコメントを誰が発したのかを伝えていません。今回はこのように他のメディアと比較する事で所属事務所の発言と推測できましたが、OMNの記事を読んだだけの人の中には、中田氏本人の発言をOMNが編集したかのように思う人もいるでしょう。朝日新聞以外のメディアも見てみましたが、この件で中田氏本人が記者会見を開いたという報道は確認できませんでした。また、OMNが中田氏に単独取材してこの言葉を引き出したのであれば、中田氏への単独取材そのものにニュースとしての価値がありますから、他のニュースと一緒に掲載せずに、インタビュー記事が掲載されていたものと考えます。

おそらく、今回のコメントから誰の発言によるものかという部分が抜けているのは単なるケアレスミスなのでしょう。しかし、中田氏の所属事務所の社長はホワイトバンドを日本に導入した人です。そして、現在ホワイトバンド活動を推進しているNPO団体は、アスレポに記事を掲載しています。アスレポ掲載団体がOMNと少なからず関わりがあることは、拙ブログで何回か指摘している通りです。

伝聞調の記事を書く時には、元の言葉が誰によるものかを明らかにするのが基本ではないかと思います。その部分が抜け落ちると、読者は誰の発言かを文脈から、あるいは行間を読んで推測する事になります。これはニュースメディアとしては不親切だと言ってもいいでしょう。名前を出さなくても「所属事務所によると」なり「関係者によると」などと書けばよかっただけの話です。結果として、今回のOMNの記事は「○○によると」の一文を省略した為に、この活動を中田氏が個人として行っている事をより一層強調する形になりました。

余計な憶測を避けるために、記事はしっかり書きましょう。


アスレポが動いた

2007-07-20 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)のトップページからアスレポのコーナーが消えました。それに気がついたのは昨日の深夜ですが、TBSで29日の参院選特番のメーンキャスターを務める鳥越俊太郎初代編集長がそうだったように、人にせよ企画にせよ何かをやめる時にひっそりと姿を消すのはOMNではよくある事です。実際にはもっと前から消えていたのかもしれません。

ここでアスレポの更新状況について少し触れておきます。基本的に同一の企業・団体による記事の掲載は2週間に1回。発足当初から掲載回数が決まっていた事を公表していた企業・団体もあります。7月3日には2つの企業が連載を終え、今日22時の時点で7月6日を最後に記事の更新がありません。

さて、トップページから消えたアスレポはニュース特集・企画の1コーナーに組み込まれました。コメント欄も無く、特定の企業や団体の主張を集めた広告のようなコーナーが、一般の記事より優遇されていた状況が改善されたのは喜ばしい事です。この決断がアスレポを企画した高橋建吉広報担当によるものか、もっと偉い人によるものかはわかりませんが、拙ブログとしては今回の処置に拍手を送ります。

これが一時的な処置なのか、今後トップページに復活するかはOMNの考え次第ですが、一般の記事と同じように、このまま他のニュースにどんどん流されていくのが望ましいと考えます。

OMNにはれっきとした有料の広告スペースがあります。ランダムに広告が表示されるスペースの他に、小さいバナー広告を固定して表示するスペースもあり、最近になってチケット流通センターがそのスペースを利用して広告を表示するようになりました。同サイトを運営するSBIホールディングスはOMNのスポンサーであるソフトバンク(以下SB)グループの企業でしたが、現在はSBから独立しています。OMNの検索機能で確認した限りではSBIホールディングスでヒットする記事もなく、OMNとの特別な関係をうかがわせるようなものは見当たりません。極めて当たり前の事なのですが、少なくとも4月のリニューアル以降ではこのような企業が固定のバナー広告を出していたのは記憶にありませんでした。

アスレポのトップページからの撤退と、広告スペースに見られるOMNの変化はたまたま近い時期に発生した別々の事象と捉えることもできます。しかし、個人的には2つの出来事を関連付け、OMNがいい方向へ進もうとしているはじめの一歩と期待したい気持ちが強くあります。OMNが抱える問題はアスレポにとどまらないのは明らかだとは思いますし、それらの問題が一朝一夕に解決されるものでもないでしょう。

現在トップページに掲載されているニュース特集・企画のテーマは5項目あります。そのうち株に関する企画を除く4項目はいわゆる時事ネタです。その項目がトップページから撤退したら、アスレポをニュース特集・企画の1項目として再登場させることも可能です。そうなれば今回の撤退は何だったのかという事にもなりかねません。

それでも、あとから振り返った時に、今回の出来事がOMNの変化に気づくきっかけとなっていて欲しいと切に願います。


アングラなものとニュースメディアの関係について考えた

2007-07-19 | オーマイニュース

昨日、オーマイニュース(以下OMN)がライブ中継していた闘う!居酒屋を見ました。

最初から最後まで全て見たわけではありませんが、実際に見た範囲だけでいえば、議論の内容は概ね事前に出ていた出演メンバーから予想される範囲のもので、その面でのサプライズはありませんでした。メンバーについて多少なりとも予備知識がある人ならば、十分に想像ができると思います。

びっくりしたのは第2部の終了間際にちょっとしたヤジ(?)を飛ばした観客を、複数のパネリストが「黙って話を聞け」といった感じで怒鳴りつけていたことです。そのうちの1名については芸風ではないかとチャットでの会話で教えてもらいましたが、それにしてもあまり気分のいいものではありませんでした。

その時感じたのは「これをネット中継で全世界に流して良かったんだろうか」という疑問です。

ひょっとしたらこれは単なるお約束で、実際に会場に見に行った人はそういう光景を期待しているのかもしれません。闘う!居酒屋と命名されているように、呑めるパネリストは呑みながら話をしていましたし、会場の性格からして観客にもアルコール類を販売しているのでしょう。パネリストと観客が互いに呑みながら無礼講でやろうという趣旨だとすれば、そういった光景が繰り広げられた方がむしろ自然ではないかとも思います。

しかし、観客を怒鳴りつけるパネリスト達からはかなり高圧的な印象を受けました。アルコールが入っているせいなのか、日頃からそういう性格なのかは想像すらできませんが、見てはいけないものを見てしまったような気がしました。また、いきなりモニターの前から怒声が飛んできて動悸が治まるまでしばらくかかったのも事実です。2ちゃんねるに時折貼られている「人を驚かせるのが目的の動画」のリンクをそれと知らずに踏んでしまった時と同じような感じといえば、わかる人にはわかるでしょう。

OMNはこの光景をネット中継でライブ配信しました。ライブ配信すれば不特定多数の人がアクセスする事になります。その中には、私と同じようにお約束を知らずに見ている人が含まれている可能性が少なからずあります。お約束だとすれば事前に知らせて欲しかったというのは極めて自然な感情だと思います。

また、これはあくまで偶然のアクシデントだった可能性もあります。ですが、パネリストと観客の双方にアルコールが入っている事を考えれば、この手のアクシデントが発生する確率は低くありません。パネリスト達が怒鳴るまでそれに気がつかなかったのも間抜けな話ではありますが、ライブ中継なのですからアクシデントが発生すればその光景が流れるのは必然です。

視聴者の中には、そういったお約束を知っていて、あるいはライブ中継ならではのアクシデントを期待していた人もいるのでしょう。あの光景を見てモニターの前で手を叩いて爆笑していた人がいたかもしれませんし、否定的な意見ばかりではないだろうとも想像がつきます。そもそも、どんなイベントを中継するかを決定するのはOMNですから、ここで何を言っても無駄ではないかとの思いも去来しましたが、黙っていては何も伝わりません。

もう1つ中継を見て感じたのは、このイベントにはアングラ(決してマイナーという意味ではありません)な香りが色濃く漂っているなという事です。アングラにはアングラなりの良さがある事は否定しませんし、個人的にもそういう空気は嫌いではないというか、むしろ好きな方です。ただ、これをOMNのようなニュースメディアが動画配信するというのはやはり疑問です。

物理的な理由で現地に行けない人にとって、ネット中継はありがたいサービスには違いありません。ですが、そのサービスをニュースメディアが行うには、今回のイベントに限らずアングラなものは毒気がきついように思えます。例えば会場自体が動画配信を行うなり、会員制のサイトで中継するなり、アングラなものと親和性の高いやり方は探せばいくらでも出てくるでしょう。

OMNは、自らが扱う素材がOMNになじむものかどうか、それぞれの素材についてニュースメディアの立場で考えましょう。


自分でやればいいのに

2007-07-17 | オーマイニュース

今日、オーマイニュース(以下OMN)にネット選挙解禁キャンペーンの第10弾となる記事が掲載されました。この記事を一読して素朴に出てきた疑問があります。それはこのエントリの題名でもある


自分でやればいいのに


ということです。

記事では、公職選挙法の解釈について総務省・警視庁・警察庁に問い合わせを行い、各省庁の判断基準が明確ではない部分をグレーゾーンとして紹介しています。その上で、世間の話題になれば各省庁の判断基準が明確になるかもしれないという理由で、グレーゾーンに踏み込む立候補者の登場を待ち望んでいるかのような記述があります。

以前にも書きましたが、現在の公職選挙法に様々な問題があるのは確かです。記事の言わんとすることもそれなりには理解はできます。しかし、何故OMNが自らグレーゾーンに踏み込まないのでしょうか?

いうまでもなく、グレーゾーンはシロかクロかがはっきりしない事を意味します。踏み込んだ結果、クロだと判断される可能性もあるわけです。「クロと言われるとは限らないんだからやってみたら」というような呼びかけを他の立候補者にするよりも、この記事を書いた藤倉善郎記者なり、このキャンペーンの担当者なりが出馬した方がより確実にグレーゾーンに踏み込めたはずです。

OMNの編集部員あるいは契約ライターといった身内が出馬した場合、サイト上での扱いにアタマを悩ませなければならないという問題はあります。ですが、真にOMNがネット選挙解禁の第一歩として各省庁の判断基準を明確にする事を望んでいるのであれば、身内が出馬する事で選挙期間中の報道がより一層厳しく制約されるとしても、実際に出馬して問題提起を行う方を優先させるべきではなかったかと思われてなりません。

とはいっても、選挙戦は既に始まっています。もう今から立候補するわけにはいきません。

今回の参院選でOMNの望む 勇敢な候補者  が登場するかは運を天に任せるしかなくなったわけですが、もしそういった候補者が出現することなく選挙戦が終了したとしても、OMNがその事を批判するには相当な勇気と決断が迫られる事でしょう。その時には


自 分 で や れ ば よ か っ た の に


という指摘がどこかから出ないとも限りませんから。


昔はまだ良かった

2007-07-16 | オーマイニュース

今日10時過ぎ、新潟県中越沖地震と名づけられた地震が発生しました。

オーマイニュース(以下OMN)編集部が出した記事はこちらです。地震発生から約2時間半後の掲載ですが、記事に書かれた各地の震度を見ると長野・新潟両県については震度5(強・弱とも)を記録した地区が出ていないのに、石川県では震度5弱の地区が掲載されている事から、執筆者が慌てて記事を書いた事が想像される内容となっています。今日が祝日であった事情を考慮すれば、地震発生から約2時間半後に第一報が掲載されるのは、OMNとしては精一杯の対応であったと思われます。これはやむを得ない事でしょう。

しかし、23時を過ぎても情報の追記がありません。この地震が新潟県中越沖地震と名づけられた事も、正確な震源の深さとマグニチュードが発表された事も、15時30分過ぎに大規模な余震があった事も、各関係機関から関連する情報が発表されている事もです。

実は、3月に発生した能登半島地震ではそのような事はありませんでした。こちらがOMNに掲載された第一報(市民記者による)ですが、完全とはいえないまでもそれなりのフォローがなされていた事がわかります。情報を収集してリンクを貼るだけなら、編集部内の作業で十分に対応する事は可能だったはずです。能登半島地震は編集部員にとっても記憶に新しいニュースだと思うのですが、当時できていた対応が何故今回はできなかったのか理解に苦しみます。

OMNは一体どうなってしまったのでしょうか?


(参考リンク) 新潟県上中越沖で震度6強の地震-JANJAN (魚拓)
掲載時刻はわかりませんが、18時30分までの各関係機関の情報がまとめられています。


コエレポが寂しい

2007-07-15 | オーマイニュース

つい2ヶ月ほど前に始まったオーマイニュース(以下OMN)のコエレポが、少々寂しい事になっています。パッチギ試写会、GANGA ZUMBAと続いて現在は7月7日に行われたLIVE EARTHの模様が掲載されていますが、イベントから1週間が過ぎても掲載記事は4本、記事を書いたのは3名だけです。取材記者の募集記事によれば、先日行われた世界市民記者フォーラムと同様に取材記事を投稿する事が応募の条件になっていましたから、今回現場に行って取材をしたのはこの3名と考えてよさそうです。

しかも、その内訳を見るとさらに寂しい事になっています。ご存知の通り豊原富栄記者はOMNの編集部員ですし、武沢徹記者はアルバイトです。従って、一般の市民記者は1名しかいなかった事になります。

前述の記事で募集していた市民記者は若干名。今回はOMN主催(共催)のイベントではなかった点や記事の掲載から締め切りまでに2日しかなかった点を考慮に入れても、土曜日に東京近郊で行われたイベントで、出演者も豪華でした。これで応募した市民記者が1名だとしたらかなり寂しい話です。若干名というのが実は1名限定だったと考えられなくもありませんが、その場合は最初からOMNの身内を含めて3名しか取材に参加できなかった事になります。

いま注目の「あの人の声」を、市民記者と編集部のコラボでお伝えする という当初のコンセプトにはぎりぎりかすっていますが、3名で伝えられる声には限りがあります。それなのに宮沢和史・高野寛両氏へのインタビューは勿論、パッチギ試写会と比較してもイベントの規模は桁違いに大きいものです。どれだけ「あの人の声」が伝わっているかどうか、非常に心もとない取材体制であると言って差し支えないでしょう。

また、このイベントで誰の声を伝えるのかも、実際に見てみるまでは照準が絞れなかったはずです。出演者が多い点もそうですが、過去2回のコエレポ掲載イベントと異なるのは、OMNが事前に決定した特定の個人にインタビューできる環境ではなかったという点です。確かに各出演者はステージ上から会場に向かってメッセージを発したのでしょうが、これを単に伝える、または簡単な感想を付け加えて伝えるのは、コエレポのコンセプトとは違うのではないかという疑問もあります。記者の問いに答えたと思われる声を発しているのは、アスレポ掲載団体でもある大地を守る会の社員であったり、運営ボランティアスタッフであったりと、どう考えても今注目を浴びているとは思えない人だけでした。

ですから、今回のイベントに関しては無理してコエレポに掲載する必要はなかったというのが個人的な結論になりますが、もしこの3名による4本のイベント報告がコエレポに載らなければ、このコーナーが更新されない状態が更に続く事になっていたのも確かです。どちらにしても寂しい話には違いありません。

今度コエレポが賑やかになるまで、どれだけ待ったらいいのでしょうか?


(どこかで見ているはずのOMN編集部への私信)
サブタイトルに脱字を発見。愛(I)のないLIVE EARTHは寂しいですから直した方がいいと思いますよ。


誤差にしては大きいもの

2007-07-14 | オーマイニュース



これは、オーマイニュース(以下OMN)が7月11日から12日にかけて 【参院選特集】 東京選挙区&比例区 候補者はこんな人 枠に掲載した東京選挙区からの立候補者16名の紹介記事を比較したものです。

まず見て欲しいのが文字数の違いです。ご覧のように随分と差があります。記事の元となる発言場所が違うと比較に公平さを欠くため、OMN主催で行われた居酒屋ライブの参加者に絞って比較しても、最大値と最小値に6倍弱の開きが出ています。居酒屋ライブの流れは、基本的に持ち時間が設定された参加者のフリートークから、司会者あるいは他の参加者・見物人との質疑応答だったはずですが、実際に文字にするとこれだけの差が出てくるものかと正直驚かされました。

記事に司会者のコメントやQ&Aの記載が含まれている場合には、その全てが参加者本人の発言ではないとはいえ、その分だけ読者に届く情報量に違いがある事は否定できません。居酒屋ライブの実施から記事が掲載されるまでに10日以上の時間があったのですが、この特集の責任者には、文字数をほぼ横並びにする事が公平性の確保につながるものでは無いという考えがあるのでしょう。その方針をOMNが認めるというのであれば、OMNとしては何の問題も無いのでしょうが、これだけ差があると見ている側は気になるものです。

そして、一番右の誤字・脱字ですが、これは文字数をカウントする為にそれぞれの記事をワードにコピー&ペーストしたら偶然発生した副産物のようなものです。作業をしていてワードのスペルチェックで拾える誤字・脱字が結構目についたので、目視による確認を追加したところ、この16本の記事に限っては5割の確率で発生していました。

この判定はあくまで俺様基準ですし、スペースの位置が1文字ずれているものも誤字・脱字ありに含めているのですが、7月11日に行われた公開討論会での発言をもとに執筆した記事の全てに誤字・脱字が含まれているのは注目に値します。おそらく時間的な制約があって十分な確認ができなかったものと思われますが、紹介記事の中には実際に12日になって掲載されたものもありますし、そこまでして公示日より前に記事を掲載しなければならない必要性があったとは考えられません。それとも、編集部内で何か行き違いがあったのでしょうか。

そして、今日になっても8本の記事が訂正されていない点から推測されるのは、OMNが掲載された記事のチェックを行っていないという事です。特に公開討論会ベースの記事は時間に追われて掲載しているのですから、ミスが発生する可能性が高いのは基本的な常識です。編集部員が日々仕事に追われているとはいっても、そのような形で掲載された記事は誰かが掲載後にチェックして、しかるべき修正を加えるべきではないでしょうか。

誤字・脱字に寛容なメディアというのは感心しません


(余談)
上記の表中でめでたく最多文字数を記録した人の選挙ポスターを見ました。応援人として、辻信一氏やてんつくマン氏が名前を連ねているのですね。いや、だからどうしたという話ではないのですが。