パペット劇場ふらり旅 ~広島~

芝居好きの私がめぐり合った人形劇の魅力、たっぷりとお伝えします。

『バンテージ・ポイント』(映画)

2008-03-09 | 映画
テレビを持っていないのでたびたび放映されているらしい映画のCMは見ていないのだけれど、評判を聞いて公開2日目に観に出かけた。

映画の場面をTVがライブ中継をしていたり、お馴染みのシークレットサービスに護衛されての大統領の登場や後半の派手な展開といい、いかにもアメリカ映画って感じ。
狙撃の瞬間を大群衆の中のあちこちで目撃した人物に視点をあてその瞬間までの時間進行を遡って何度も見せる。それがあたかもクライマックスが何度もあるような感覚を見ている者に覚えさせるという触れ込みだった。
だが息もつかせぬ圧巻は、縺れた事件の糸がほぐれだして犯人と追いつ追われつのカーチェイスを繰り広げる後半部分。
アメリカ人ってあんなに車の運転が巧いのかねえ。初めてのヨーロッパの都市をあの荒っぽい運転で走り回るんだから、首をすくめっぱなしだった。
あの危険なシーンを安全(!)に撮影する技術に脱帽だよ。

このハラハラどきどきを1時間半で楽しめるってのがいい。

観終わってからまるで日本のサムライ(っていうか葉隠れ)の映画を見たような印象が残った。アシュトン大統領役のウィリアム・ハートの飄々として懲りない殿様っぷりがいい。アメリカの月形竜之介だね。
この映画は、黒澤明監督の『羅生門』(50年、日)にヒントを得ているのだそうだ。ただし事件の真相は「闇の中」ではないけれど。



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