パペット劇場ふらり旅 ~広島~

芝居好きの私がめぐり合った人形劇の魅力、たっぷりとお伝えします。

映画「あした元気になあれ」と「戦国自衛隊1549」

2005-07-09 | 映画
友人に声を掛けてもらい「あした元気になあれ」(長編アニメ)を観に行く。
上映だけかと思っていたら、ステージにはグランドピアノが置いてあり原作者(「半分のさつまいも」くもん出版刊)の海老名香葉子さんのあいさつと劇中主題歌の「蓮花」を歌う林明日香さんのミニコンサートがあった。7/23~8/12まで市内の広島サロンシネマで上映される。
ほのぼのとしたアニメ映像の中で、東京大空襲の場面でのB-29の爆撃シーンが実に精密でリアルな画像で印象的だった。焼夷弾が空中でどのように炸裂し落下していくのかアニメの画像は実写映像よりも遙かに克明に描き出す。
これは単なる市街地への攻撃ではなく、明らかに大量殺戮を目的とした攻撃だったことが分かる。逃げ惑う人々の姿に胸が張り裂ける思いだった。知恵も勇気も役には立たない。どこにこのように逃げようとも助からなかったのだ。戦争とは多くの人間にとってそのようなものだ。
知恵も勇気も戦争を起こさない為に使わなくては。

翌日、「戦国自衛隊1549」を観に行く。
派手なドンパチの攻撃シーンが評判の映画を観に行くのはちょっと後ろめたかった。
地下鉄や路面電車が大好きな私が飛行機やヘリコプターを嫌いなわけがない。
戦争映画の派手な攻撃シーンも実は大好きである。
知略を尽くして敵を攻略する作戦を煉る側の人間、知恵と勇気で戦いのヒーローとなる側の人間にとって、戦争は悪いイベントではないのだろう。
お話・作り物として楽しむ分には映画もSFもお芝居もそれなりに面白い。
だがその中に登場する無意味に死んでいく側の大多数の人間にとって戦争は大きな迷惑である。

ここ広島にはたまたま引っ越してきただけで、原爆ドームともまったく縁がなかった私である。
広島市内に住んでいると反戦デモも身近に見かけ、戦争と平和ということに嫌でも向き合わされてしまう。そして平和教育は子どもたちを少なからず「反戦平和嫌い」にさせてしまっている。
8月を中心に反戦や平和を願う映画や演劇やいろいろのイベントが開催されるが、意外と人は集まらない。

今の日本が敗戦の痛手からすっかり立ち直れたこと。
そして今現在、戦争状態にないこと。
奇しくもこの二日間の映画は、どちらも今の日本の有り難さを感じさせてくれた。
こんな日本でも・・・、戦争をしていた頃よりはずっとマシなのだ。

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