おじさんとおばさんのつぶやき出張所

2002年から「おじさんとおばさんのつぶやき」というHPで書いていた記事をこちらのブログで書いていきます。

給与明細書への所得税減税額の記載義務づけ その効果は?

2024年06月01日 17時39分26秒 | つぶやき
2024年6月1日


6月から定額減税が始まりますね。その定額減税は何に使いますか。ひとり4万円です。貯金をするか、何かを買うか、旅行の足しにすることもできます。

中には降ってわいたような4万円だから、普段は手が出ない贅沢な食事でもして一度に使い切ってしまおうと思う人もいるかもしれませんね。でもそれは無理かもしれません。

一括支給されればそのような考え方もできるでしょうが、定額給付ではなく定額減税です。給料から引かれる所得税が少なくなることで手取りは増えますが、減税分を一度にもらえるのは所得の高い人だけのようです。

一人4万円という金額だけが印象に残っていますが、3万円は所得税から、残りの1万円は住民税から差し引かれます。ひと月分の所得税が減税額より少ない場合は一度に減税できないので、複数月に分割しての減税になります。扶養する家族がいる場合は全員分をまとめて、同じように減税されます。住民税はまた別の方法になります。



自分はどのように減税されるのか、はっきり理解していますか。昨日の朝日新聞の説明でイメージはできましたが、確かに複雑な仕組みで分かりにくいと思いました。この複雑さは実務を担う企業や自治体にも大きな負担でしょう。

減税よりも給付の方が分かりやすいのに、さらに事務処理の負担を大きくしてまでどうしてこのような仕組みになったのか。「増税メガネ」と揶揄された首相が「増税」のイメージを取り払いたいとの思いから、減税に走ったのではないかという見方もあるようですね。

最近になってもっと驚くことが報道されました。減税の恩恵を実感してもらうために、給与明細書に減税額を明記するように義務づけられたそうです。

「定額減税への対応のために準備をしてきたが、給与明細書への記載が義務付けられたことに苦慮している。会計ソフトの更新で対応するが不具合が出た場合には手書きでの処理になる。」
今朝聞こえてきたラジオのニュースがこのように伝えていました。

小さな企業などで、エクセル等を使って自社で給与明細書のフォームを作っている場合には数式の変更も問題です。また表示する枠(セル)がなければ列の挿入など、レイアウトの変更も必要です。そのための費用や手間のことも考えているのでしょうか。

企業だけではありません。給与明細書をもらう従業員でも迷惑する人がいるでしょう。

働き出してからの給与明細書をすべて保存しているという人もいます。レイアウトが変更されたら台紙への貼り付け方の変更が必要になるかもしれません。エクセル等に打ち直していたら、支払い側と同じようにフォームの変更が必要になるでしょう。

細些なことかもしれないけど当事者にとっては大問題です。決める側には小さな決定でも、それを押し付けられる方にはどれだけの影響があるのかを考えて欲しいと、つくづく思いました。

減税の恩恵を実感してもらうための給与明細書への減税額の明記ですが、そもそも給与明細書はどこまで見られているのでしょうか。
支給総額は見るけども細かな明細までは見ないという人も多いのではないかと思いますが・・・。

「今月は給料が多いぞ。あっ、定額減税で多いのか。岸田さんありがとう。」
と思う人がどれだけいるでしょうか。


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