旺生のラクガキ。。。
初めて訪問された方は
コチラ→らんまりのラクガキ。。。説明書
【病名】
【内服薬種類】
【手術歴・治療経過】
詳しい内容は
ママンのラクガキ。。。
【発達障害関連】
詳しい内容はママンのラクガキ。。。Ⅱ
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で書いたように
旺ちゃんは無脾症候群。
書いて字の如く脾臓が無い。
ただし無脾症候群とは
単に脾臓が無いという意味ではなく
いくつかの内臓形態異常を伴うのだ。
全先天性心疾患の中では
約1%にみられ
脾臓の形に注目すると
全出生数の0.01%程度
1万人に1人に発症するといわれている。
そして無脾症候群は
脾臓が先天性に欠損していることにより
腹部内臓の位置が異常をきたし
極めて複雑な先天性心疾患を合併する。
旺ちゃんはまさに
内臓の配置異常をきたしている。
内臓錯位。
胃が左側ではなく右側
肝臓は右側ではなく左右水平（水平肝）
心臓は左側ではなく右側（右胸心）
で書いたように
旺ちゃんは嘔気が止まらない。
嘔気の原因を探るべく
小児外科の先生に依頼して
10月29日
上部消化管造影検査施行。
検査結果
胃がほとんど動いていなかった。
そしてやはり胃の奇形が著しい。
旺ちゃんの胃は図にしてみた。
胃は通常より小さく
傾きがなくまっすぐで
幽門の位置が高く屈曲している。
胃・食道間の逆流
胃・十二指腸間の逆流がみられた。
すなわち胆汁などの消化液が胃に逆流し
胃液は停滞し
胃切除後のダンピングに似た症状が
起こっているだろうということがわかった。
胆汁は胃を刺激し
胃はシクシクと痛むだろう。
今まではSTチューブといって
鼻腔から胃にチューブを挿入し
内服薬やエレンタールを注入していたが
胃が動いておらず
逆流もしているということから
反対の鼻腔から
十二指腸までチューブを挿入し
留置する処置をした。（EDチューブ留置）
そうすることで胃を使わずに
直接十二指腸に
内服薬やエレンタールを
注入することができるため
嘔気を抑えて
確実に栄養と薬を吸収させられる。
上部消化管造影検査で
胃の形態異常による胃内容物の停滞により
嘔気が出現していたのではないか
という仮説を立てることができた。
しかしEDチューブ挿入後も
嘔気は持続している。
10月30日早朝
熱39.9℃ 脈160代。
トリクロリール使用しても
ほとんど眠れず。
STチューブ吸引すると
胃内より胆汁引ける。
十二指腸から逆流しているのだ。
エレンタールの注入も中止して
内服はEDチューブに注入しているのに
STチューブから吸引される。
STチューブから胃内容物が引けないのに
嘔気があることもある。
つまり胃内容物の停滞による嘔気
だけではなさそうということ。
以前水分制限下ではあったが
ミルクも離乳食も少しではあったが
食べて消化できていた。
今回胃の動きが悪く
嘔吐する理由として考えられることは
1.しばらく胃を使っていなかったことで
機能低下を起こしたのではないか
2.心不全で腸が浮腫をきたすことで
胃を圧迫し
嘔気を誘発するのではないか
3.旺ちゃんは尿の間隔がかなりあくことが多く
膀胱に尿が多量にたまることで
腸を圧迫し
嘔気を誘発するのではないか
4.胃と心臓には迷走神経がたくさんあり
心不全を起こすことに加え
胃の形態異常という問題もあり
胃に何かしら影響を与えたのではないか
ということが考えられると
小児外科の先生から説明を受けた。
結局のところ
嘔気の原因ははっきり断定することは
できなかった。
麻薬のフェンタニルの副作用に
腸の動きを抑制する作用がある。
またフェンタニルが
嘔気を増大させている可能性も
考えられる。
そのため次に試すことは
フェンタニルのoff。
嘔気を誘発している可能性があるものを
1つずつ潰していくしか方法はない。
自分を責めても
何も解決しないのは
充分わかっているのに
責めずにはいられなかった。
先天性心疾患に合併する
他臓器の形態異常については
知らないわけじゃないのに
旺ちゃんの心臓だけじゃなく
胃までも奇形があるという事実を
つきつけられると
ちゃんと産んであげれなかった自分を
責めるしかなかった。
ごめんねと何度も旺ちゃんに謝ると
あんなに吐いている旺ちゃんが
嘔気がちょっとおさまっている間に
笑いかけてくれる。
こんなにかわいいのに
久々にくやしくて涙が止まらなかった。
旺ちゃん大好き。
どうか旺ちゃんに
穏やかな時間を与えてほしい。
ねぇ神様
よくばってなんかないでしょ。
泣いた分だけ前を向ける。
くやしいだけで終わらせる気は
さらさらない。
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