西湘ケチおばRIN

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キム尚官・総括

2008-02-22 20:49:10 | 韓国・中国ほか時代劇あれやこれや

特に書くこともないが、一筆。
以下、ネタバレを含みます。
キム尚官、見終わったっ - 西湘ケチおばRIN

 




えー…。
言っておきたいことを先に…。

イ・ヨンエの化粧が、「チャングム」に比べ、濃い。
彼女のデビューとして有名な化粧品のCM。びっくりするような化粧と茶髪で、
(どこが、空気のようなオンナなんだ!?)
だったが。
(間違えた。酸素のような、か)
本作が、時間的にも化粧の濃さも、あのCMと「チャングム」の間にある。
だんだんナチュラルメークになったんだねー。



そして。
オープニング・タイトルの、「滝で水浴びするイ・ヨンエ」の図は…。

タイトルだから、毎回流れるのだが。
お寺近くの滝なので、ストーリー上、子役時点でお寺を離れて、宮廷女官になってしまい、まともには、入る場面がありえない。

「あのシーンはいつ?」
と訝りつつ、とうとう最終話を迎える。
(ウォンピョが死ぬとき、イメージするのかなー)
↑彼女を愛し続ける幼なじみの青年。彼の武道の修練も、延々と続いたわりに、成果なかったなー

…というところまで達しても、出ない!
本編には出ないのだ!!
うっそぉー。



いわば、水戸黄門の由美かおるの入浴シーンが、毎回オープニング・タイトルに流れるのに、本編に出ないみたいなものだ!

ボーゼン…。

なお、この水浴びシーンは、ごくナチュラルメーク。
きれいである。

ちょっと不謹慎な言い方だけど、肉付きもちょうどいい。
(たとえば、チャン・ツィイーの映画を何本か見た限り、彼女の露出限度はデコルテラインあたりらしいが、痩せ過ぎだし、「ここが限界」のラインがわかり過ぎ…)



ドラマの原題は「西宮」。

秀吉軍に都を追われた国王宣祖の代から営まれた行宮で、のちに、その子クァンヘの朝廷が宮殿を建て直したあとも、大妃インモクが10年以上も幽閉される場所。
邦題「キム尚官」は、イ・ヨンエが出てるから、つけちゃっただけ…の、群像劇的なもので、よくできている部類と思う。


では、あらすじ。ウェブ上にいろいろ出てるが。
全52話、でしょうか。

いやー、重臣たちの会話がくどいっ。
儒教の人たちはとにかく討論する、とナニカで読んだことがある。
そのせいなのか?
もしやお国柄なのか?
いやー、たいへん、たいへん。
(でも、なんとなく、慣れていったりして…)

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ときは、秀吉朝鮮出兵の頃。
国王宣祖には正室の子がなく、側室たちの子のひとり・クァンヘが皇太子となっているが、「庶子」がめっちゃ差別される時代、宣祖から、めちゃめちゃ「ダメなやつ扱い」され、明からは皇太子と認めてもらえない。
で、よくわかんないが、皇太子なのに、かりそめにも「譲位を望んでいる」と思われただけで、命までヤバいらしいのである。

つまり、お父様が死ねばいいと思っているんだろ?てことになり、親不孝。
儒教の倫理でがんじがらめ。
宣祖自身が「譲位」を言い出したときでさえ、クァンヘは正しいリアクションを模索する。

全員が、ちょっと口をすべらせただけで命がけの世界だ!

あ、前後したが、クァンヘはのちに王になるも、廃位され、歴史上「暴君だった」という定評があるらしい。
それに仕え、権勢を誇ったキム尚官ことケトンも、歴史に残る悪女というわけ。


美しく、賢く、気がきいて、弁が立ち、かつ、めちゃめちゃイジワルだ!
そんな悪女を、イ・ヨンエが思いっっっきり演じている。
(チャングムより前に作られたドラマだ)

日本だと、悪女と定評のある女性を、こんなに思いっきり、しかも華やかに美しくしてしまうのは、難しいような気がする。
どこかで、
「彼女もこんな面があったんだ、かわいそうだったんだ」
みたいな演出にしてしまいそうだ。

生い立ちなど、充分理解できるベースはあるし、客観的にうまくできていると思う。
王様・クァンヘにも忠実だ。
しかし!
当人はどうしたって、スカッと悪女なのが、見事である。

あえて言えば、低い身分に生まれ、わけあって無一文に近く、山奥のお寺で働きながら育ち、儒教世界ではいささか異端な「仏教」の価値観を、なまじ身につけ、
「人間は誰でも同じはず」
それなのに、どうしてワタシは、あの上流の娘とは違うの?
といったところ。

その、上流の娘こそ、のちに宣祖の正妃インモクとなる、両班・金家の箱入り娘。
(没落した名家だけど…)
奇しくも、ふたりは、偶然、同じ日の同じ時刻(嵐で、激しい雷のとどろく劇的な夜!)に生を受けながら、まったく違う境遇に生まれ育ち、10歳ほどで偶然、一度だけお寺で出会い、のちには宮廷で対立することになる。
ドラマは、この二人を軸に展開…。

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病弱だった正室が亡くなり、その座をあけておくことができない(らしい)宣祖は、長く仕えた側室インピンを正妃にする手もあるのに、いい年こいて、あらためて若い正妃をむかえる。

一族再興の悲願をこめ、大切に育てられた才色兼備のインモクだ。

やがて、待望の男の子が生まれる。
儒教世界の王室では、もっとも跡継ぎにふさわしい、て言うか、「当たり前じゃん」的嫡子である。

成人した皇太子クァンヘがいるのに、この赤ん坊は、生まれただけで、彼の立場を脅かす。

ようやく宣祖は、この子の成人どころか「七歳」までも、自分が生きてはいられないと案ずる。
(もっと早く気付いてよっ)

果たして、宣祖は急死。
インモクは葛藤しつつも、クァンヘへの譲位を決める。
ふたりは、年は逆だが、義母と息子の関係で、クァンヘは彼女を最大限に敬うべき立場である。

しかし。
次々と起こる謀反の告発、尋問という名の拷問ののち、クァンヘの実兄、インモクの産んだ嫡子、甥と、王になりうる王子たちは、次々と濡れ衣をきせられ、流刑にされ、謀殺されていく…。
インモクの父、兄弟、その他大勢の関係者が、告発のたびに死に至らしめられる。
(ドラマの上では、クァンヘはなんとか王子たちの命だけは取るまいとするが、彼の王権を確保しようとする大臣やキム尚官らの画策で、すごく周りくどく謀反が確定し、やけに残酷に殺されることになる。
いっそ、もっと違う殺し方をしてやればいいのに…)
父・宣祖の死も、クァンヘとキム尚官の毒殺ではないかと推察されている。

謀反につぐ謀反(の捏造)。
上訴につぐ上訴!(誰でも書いていいらしい意見書のこと。だいたいは重臣や儒者が書く。絶対君主のはずの王様も、これを無視できない。
ヤマのように差し出されるので、読むだけで大仕事だ!)

ほとんど、まともな政務ができないくらい、謀反の処理が続く。
ようやく静まり、クァンヘが、政治らしい政治に取り組めると思った頃には…。
外交面の判断は、彼だけが正しかったにもかかわらず…。

そして…!




はあはあ…。
一筆、と書いたのに、ほら、長くなっちゃった。
なんたって、52話だし…。


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