『サイゼリヤでコロナ助成金の「不使用」が問題に 独自の”特別休暇“に不満や疑問の声』
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20200402-00171115/
「会社が国の助成金を利用してくれない」
『…なぜ国の助成金を利用しようとしない企業が後を絶たないのだろうか。
まず、一部のケースでは会社に財政的な負担が生じることが原因となっているようだ。この助成金の支給要件として通常の賃金を日額換算した金額が支払うべきこと定められている一方で、支給額には上限額(8,330円/日)があるため、日額換算した賃金額が8,330円を上回る場合、会社にも財政的負担が生じるのだ。
その負担を忌避して助成金を申請しない会社がある。
こうした対応を防ぐためには、上限額の引き上げや撤廃を検討する必要があるだろう。
また、会社が対象労働者を休ませたくないために、助成金の申請をしないケースもある。たとえば、前出のサイゼリヤのケースでは、従業員のAさんが店長にどうして助成金を申請してくれないのかと問うたところ、「休む人が多くなるとお店が回らない」と答えたという。
サービス業では常に人手不足の状態にあり、休まれると業務運営に支障が出かねないという理由から、せっかく助成金があるにもかかわらず、休暇を取得させないという対応が起きているのだ。
さらに、会社が、単に助成金申請のための手続きを面倒くさがっているというケースも見られる。先に紹介した30代女性の例では「面倒なのでやりたくない」とはっきり言われてしまっている。
現行の制度では、助成金の利用を申請できる主体が、会社側に限られているため、会社が「休ませたくない」「面倒なのでやりたくない」と考えて申請しない場合には、労働者が助成金の恩恵を受けることが困難になっている。
こうしたことを防ぐためには、
労働者側も利用の申請をできるようにし、直接労働者に給付する仕組みをつくる必要があるだろう。…』