公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

若年層の貧困

2010-07-01 06:20:58 | 日記
シアーズ・ローバックの事実上の創業者、ジュリアス・ローゼンワールドは、農事指導所を創設した。彼は二〇世紀初めの当時、アメリカの人口の半分を占める農民の貧困、無知、孤立が、アメリカ社会にとって最大の社会問題であると見た。
ドラッカー エターナルコレクション版『マネジメント上』(1973年)P.387

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●「年収200万円以下の階層は10年間で1.3倍、300万円以下が1.2倍に増え、その一方で、400万円以下が横ばい、500万円以下が5%程度減、600万円以下と700万円以下、1500万円以下が10%~20%減る一方、1500万年超は5%超増えています。」「年齢階層別分布を見ると、二人以上の世帯、24歳未満の分類は、12年当時は250~300万円と400~450万円の二つのこぶがあったのですが、21年になるとそれが300~350万円に大きなこぶが形成されて下方にシフトしています。」と石黒憲彦氏がブログで述べている。http://dndi.jp/00-ishiguro/ishiguro_142.php

●年収200万以下、若者の4割強という調査をある労組が行ったらしく、数字が一人歩きしてるが、問題は結果では無く、構造にある。
少なくとも数年前に比べて若年層の収入の最頻値が50万円以上低下している。これで良い訳が無い。米国においても貧困、無知、孤立は社会が自由に競争し、強いものに最適化した結果現れた歴史がある。貧困、無知、孤立はセット。IT社会で孤立するのは企業の社会的役割を経営者が見捨てているから生じる。孤立の常態化はコストの階層間障壁があるからだ。巨大通信キャリア会社は社会的役割を果たしていない。複雑なサービスで収益存続を計っていればいるほどに障壁が固定される。

1940年代に産まれた日本人は払い込みの約6倍の年金をもらうが、55年生まれは3.3倍、85年生まれは2倍くらい。00年は???
誤解の無いように、これは経済発展のせいで、国策ではない。結果平等は今の経済システムでは保証できない。年金と税金は福祉と保険の問題を国策で混合したため、問題を議論する機会ごとに政治問題化する。さらに手当が経済対策になると詭計を正当化するから余計にややこしい。

問題に取り組むには事実を余すところ無く把握する必要から始めなければならない。緊急医療で見かけの症状に気を取られて、血圧を測り忘れていたらどうなるだろう。医師は気づいたときには選択肢が無くなって後戻りできない死を覚悟しなければならない。

同じ事が年金と税金と手当と医療費の設計にある。2004年から2006年にかけて行ったことは、経済成長という血圧を測る事無く処置を続けた結果、無理な治療が行き詰まった。経済成長が変わるたびに設計変更が政治問題化するのは社会の損失である事に気づいてほしい。
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