公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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バッシャール・アル=アサドの弁明

2015-04-01 17:53:27 | マスメディア
2015/07/12追加編集済み

直近インタビューが掲載されている。一部の翻訳を紹介する。60ミニッツはもう随分前に見られなくなったから貴重な映像だと思います。四年間世界のメディアはバッシャール・アル=アサドを悪の権化として固定してきた。日本のメディアは西欧主張になびく解説を基本形とし、総じて昨年の選挙は正当性が疑わしいという煙を上げていた。少なくともアサド大統領が国民の支持を得てシリアを代表しているようには伝えてこなかった。しかし突然あなたにも言い分があるだろうとは、一体どういう風の吹き回しなのか?ISILに対する米軍の空爆がシリア政府を助けるとサリンを使う極悪テロリストのままでは自己矛盾になるので、政治的に大統領選挙材料にされることを民主党は恐れているのか?

CBS, March 29, 2015、March 30, 2015、SANA, March 31, 2015をもとに作成。(C)青山弘之 All rights reserved.
翻訳は、
こちらの著作権
写真はCBSの著作権

宣伝しておこうと思う。青山さん多少のコピペ許せ。

『我々は常に、穏健な反体制派など存在しないと言ってきた。ISISの台頭は突然起きたのではない…。犠牲者の目をくり抜いたり、体を切断したり、心臓を食べたりといった事例は当初から起きていた…。彼らが言うところの穏健な反体制派がそれを始め、その後ヌスラ戦線、そしてISISが行うようになった…。なのになぜISISの台頭が私やシリア政府にとってもっとも良い出来事だというのか? それは非論理的で、非現実的で、不快ですらある」。

「欧米諸国はISIS台頭以降、自らの計算を変更したが、このことは彼らがシリア、イラクなど地域の紛争へのアプローチを変更したことを意味しない…。彼らの優先事項はISISと戦うことに変わったが、そのことは彼らがISISの排除を優先事項にしていることを意味しない」。』


何年か前に私が国家腐食攻撃と名づけて指摘した、新しい侵略戦争の形(転覆を意図しながら経済と統治を麻痺させ、強力すぎる独裁者を葬る新しい戦争)はもはや西欧米英加の定番の戦術となり、ウクライナでも同じ構図を使って独裁者の引きずり倒しが成功した。バッシャール・アル=アサドがここに雄弁に語っているように、たまたま父親が大統領だったのは、パパブッシュやジョージ・W・ブッシュも同じことだ。
国家腐食攻撃は独裁者とテロリストが一挙に始末できる戦術だったかもしれないが、ここに来て選挙で選ばれた大統領が生き残ってしまった。この結果はカラー革命路線(支配のためのポストモダニズム、発生した社会を信じるか信じないか色分けする色の革命は、オレンジ、ジャスミン、ユーゴ、セルビア、グルジア(ジョージア)、キルギス、ウクライナ、香港傘革命)の首謀者としては計算外のことだった。

国家腐食攻撃が如何に国民を苦しめ、難民を増大させ、テロリストの賭場を繁盛させ、利権の予約のためにどれだけ金が使われたか。利権の再分配があるところに戦争は始まり、ビジネスが成立する。ビジネスは長く続くことが大切なので戦争は終わらせることのほうが困難である。それは太平洋戦争も同じだった。相手のビジネスが完了するまでノルマンジー作戦は延期され、核の完成までYPに白旗を上げることができなかったことをご存知だろう。
今日世界はより複雑に連鎖している。すでに米中ソだけが核保有国ではなく、テロリスト国家が核を持つかもしれず、情報は光のように伝わる。メディアの取材が遠隔操作になり現場のジャーナリズムは弾丸に当たって消えている。今は現実と仮想現実の区別がつかないほど精巧に証拠記録を作ることができる。仮に全ての国家が最善を尽くして戦争を回避しても予期しない危機が突然始まる可能性は冷戦時代以上にある。なぜならそれは第二次大戦よりも儲かる石油利権だからだ。


2015/07/12追加 ISILは決してイスラエルを攻撃しないし、米国も本気で戦う姿勢ではない。これが何を意味するのかな。このブログを読んでいる人には理解できるはず。田中宇も2月22日付けで暴露している。『イスラエルとアルヌスラの戦争が始まるのかと思いきや、その後の展開はまったく正反対のものになった。国連監視軍が14年末に発表した報告書によると、イスラエル軍は、ゴラン高原の停戦ライン越しに、アルヌスラ(註:ヌスラ戦線のこと)の負傷した戦士を受け入れてイスラエル軍の野戦病院で手当したり、木箱に入った中身不明の支援物資を渡したりしている。国連監視軍が現地で見たことを報告書にしたのだから間違いない。 (Report of the Secretary-General on the United Nations Disengagement Observer Force for the period from 4 September to 19 November 2014) (New UN report reveals collaboration between Israel and Syrian rebels) (UN reveals Israeli links with Syrian rebels) (UN Peacekeepers Observe IDF Interacting With Al Nusra in Golan)』さすがである。

2015/07/08 11:02(ワシントンD.C./米国)
【7月8日 AFP】米上院軍事委員会のジョン・マケイン(John McCain)委員長(共和党)は7日開かれた同委員会の公聴会で、シリア反体制派に対する軍事訓練が遅れていると指摘し、米国はイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」との戦いに「敗れつつある」として米政府の対IS戦略を厳しく批判した。

 米政府は、ISと戦うシリア反体制派の中でも穏健派の戦闘員を訓練しているが、アシュトン・カーター米国防長官は、訓練対象者の選抜が難しいため、先週の時点で訓練を受けているのは目標をはるかに下回る約60人しかいないと明らかにした。

 マケイン氏は「ISを壊滅させると大統領は長々と演説したが、短期的にもみても、長期的にもみても、その目標を達成するために現在われわれがやっていることで十分だと信じるに足りる理由がない」と述べた。

 公聴会の前日、バラク・オバマ大統領は国防総省で演説し、シリアにおける米国主導の有志連合の対IS作戦は「激化している」が、戦闘は長引く恐れがあると述べていた。(c)AFP
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