公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

自分を助け起してくれる人などいない

2010-06-16 07:57:26 | マキャヴェッリ
「多年にわたり所有してきた君主国を失ったことで、我が君主たちに運命を非難させてはなりません。むしろ非難されるべきは、その怠慢なのです。なぜなら、平穏な時代には、状況が一変するなどとは思いもせず(凪いでいる時に嵐にたいする備えをしないのは人類共通の欠点ですが)、その後に逆境の時代がくると、逃げることだけ考えて自国を防衛することを忘れ、民衆が征服者の横暴に嫌気がさして、自分たちを呼び戻してくるのではないかということに望みを託してきたのです。」

「他の方策が尽きたのなら、この方策もよいでしょう。しかし、そのためのほかの手段をすべて無視して、この方策というのはきわめて不面目です。というのも、後に自分を助け起してくれる人が見つかるだろうと信じているという理由で、倒れようと思ったりしないでしょうから。そんなことは起らないし、起ったとしても、そんな解決策は独立独歩でいるためには無益なことなので、自分の防護策とはならないでしょう。自身とその豪胆さを恃むことこそ、頼りになる、確実で、永続的な方策なのです。」

      マキャヴェッリ『君主論』24章

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マキャヴェッリはまっすぐに政治を考えた。しかし第三者にできることを当事者に期待することは意外と難しい。覚悟を決めるのは君主自身だからだ。
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